05年度放送大学面接授業に対する受講生の感想

以下の文章は2005年11月26日に放送大学香川学習センターで実施した面接授業「働くことの意味」に対する感想です。授業で取り上げた企業名を匿名化した他は、感想提出者の全員分を、誤字脱字も含めて無修正、順不同で全文掲載しています。
  • 私はH15年に停年になり42年間働いて来ましたので今は無職で好き勝手にしています。
    今回の勉強で息子の時代の労働環境はどうなっていくかを考えれば心が沈みます。
    働く事の楽しさ、生がいはこれからの時代は感じる事が出来るのでしょうか?
    技術者であった私は物(建設物)が出来た時のお金に変えがたい感動を思うと働いて良かったなとなつかしく感じました。
  • いきなり、解雇の話から始まったのでおどろきましたが、B社のVTRや雇用問題についての講義の中で、社会人、企業人として働くことの意味がおぼろげながら見えてきたように思います。又、昨今、進んできた成果主義についても先生と同意見で、従来型人事制度をいきなり変革するのではなく、日本人が得意な改善と根まわしのプロセスをとってほしいと思います。
    何かモヤモヤしていた部分がスッキリしました。
  • 算数の問題を解くのに頭で解いても電卓で解いても正解は同じように出るが、電卓では思考能力が育たないのでプロセスが重要であるのと同様にアメリカ式の成果主義ではプロセスが軽んじられるし、雇用形態が非正社員化すると能力を育成する時間が取れず結果的に日本経済は深い低迷へと進むと思う。
    リストラ、ニート、フリーターなどニュースでよく聞く言葉の背景にはこんな事が関係していたのかと熱心に聞く事が出きた。
  • ニート、ひきこもり、フリーターと現代労働事情との格差による社会点課題を考えたくて受講しましたが、なかなか私の課題に結びつけるのがむずかしい授業でした。じっくりと、時代の流れをみつめてゆく、資料として、学ばせていただきました。
    全人格的な日本人としての成長をみつめる時に労働をとらえる価値基準も多様化しています。労働手段主義として、子育てを中心に生きてきた私にとっては、働くことはとても重荷であり、厳しい労働環境の方が多かったです。
    子供達が自己実現としての労働と生活が一体化した生き方に楽しさを見つけてくれたらと願って、子育てをしてきました。現在、息子が、彼女と一緒に暮しながらフリーターを3つ程持ちその暮しを楽しんでいる様子を見ると私の生き方の延長上に彼なりの自己実現に向かってくれているのかと思います。娘の方は正社員でありながらも不安定な人生を送っているのをみると、精神衛生面にも重点をおいた労働環境のあり方を求めてゆくことを望みたいものです。
  • 実は授業受ける前に働くことの意味について自分でいろいろ考えましたが、やっばり自分の趣味や関心に関する仕事をしている人が少ないと思います。多数の人たちは生活のために働いていると思います。そして今のビデオ中の主人公見たい人が現実生活には多いと思います。会社のために身を粉にして動いて、あげくの果てにリストラされた、情意の場には理解できないですが、でも能力の場合には理解できます。
  • ビデオの内容にショックを覚えた。会社人間としてずっと働いてきた上でのリストラに命をかけてまで抗議した人がいたという事が衝げき的だった。そうまでした命がけの抗議があっても、企業の中高年に対する有り方はあまり変わっていないのではないかと思う。
  • 日本固有の雇用形態も欧米のそれらも同様に一長一短があると思います。ただやっぱり日本の企業、に関しては日本人向けの雇用のあり方が似合うのではないかと思います。
  • 成果主義に移行しつつある社会。
    その成果の設定や、そこへのアプローチの仕方での問題が新たに産出されそうに思います。
    過度の顧客主義にように、問題が出そうに思います。
  • 「働くことの意味」というテーマだったので、もっと哲学的な話を期待して申しこみました。レジュメを見て「アレッ」と思いましたが、大変おもしろく勉強できました。私はこういう実務的な分野は苦手なので、最初はとまどいましたが、先生の熱心さにひきこまれてしまいました。雇用体系とか組合とかあまり興味はありませんでしたが、すごく参考になりました。授業を聞きながら必死でノートをとるといった体験も久しぶりの感覚でした。
  • 面白かったです。
    具体的に、何がどう違っているのか(日米解雇の難しさ)など、知識としてたくわえることができました。
    会社人間的働き方の評価や属人給、能力給、成果給などについて、今後じっくり考えてみたいと思いました。
  • 日本企業のあり方の特徴が、時代背景を考えつつわかりやすく学べた。わかりやすい講義だった。
    これから先の可能性について、もう少し難しく聞きたかった。
  • 方向性がつかみずらかった。働くことの意味について学びたかったのだけど、労働の評価法についての講義であったように思う。興味を合わせづらく、つらい内容であったように思う。意外だった。
  • 最初に見せて頂いたB社の事件ビデオを見て、自分がリストラされる側の人、部下をリストラする側の人(管理職)、リストラを決行する企業側(経営者)、それぞれの辛さが伝わってきました。
    若者のフリーター、ニートの問題の件についても、お話し頂きましたが、正社員の雇用がとても少ない、との事で、私も、同様に思います。現在、私は無職で求職活動をしておりますが、販売、製造の職はパートやアルバイトが多く、事務職も派遣がほとんどです。
    フリーター、ニートが社会問題となり、年配の方の意見では、「若いのにフラフラしていてはダメ」といった非難の声をきく事もありますが、現在のままでは、それも仕方のないことだと思います。
    身近な問題を詳しくお話して頂き、現在の様な社会になって理由、今後、どの様なことが求められているのか、理解し、考えさせられました。
  • 時間が短いため、経営者(企業)側からの話が中心であったと思いますが、労働者側からの話が少なかった。これから老人が多くなるため、高齢労働はどうなっていくのか、等の講義も聞きたかったです。
  • 私が社会に出る以前の「仕事」の移り変わり、変化を知ることができた。フリーターについて単に若者に意欲がなくなったのではなく、雇用のあり方が変化したこと(正社員として働くポジションが少なくなった)が要因となったことのひとつといったものは興味深かった。
    ただ最近の若者は、10年前と異なり(価置感が変化し)企業にとっての企業人であるということより、マイホーム主義というか仕事を中心とする生活をきらうことも要因かなとも思う。
  • 地方公務員を退職して14年を経過し、仕事とは関係がなくなって、老境を楽しんでいる現状です。
    在職中、「仕事とは何か」と云うことを考えたことがあったので、今回の授業を受講しました。今日の講義の中の人事考課もしたり、されたりした経験の中で、理論的な内容も豊富に勉強できて、有意義だったと思います。
  • 講義の内容が明確でわかりやすかったです。
    日本とアメリカの労働の評価などの比較をわかりやすく説明していただいてこれからの日本の評価制度がどのように変っていくのか興味を持って見ていきたいと思います。
  • 今まで、アメリカ型の雇用では、個人である労働者が、まったく、弱い立場であると思っていたけれど、違った一面では、EEOCやNPOのようなものが発達していて、弱い立場である労働者を支えていることを知った。
    そして、裁判制度でも懲罰的賠償などがある場合があるので、企業も制約があることを知った。
  • 日本における経済の流れの中で、働くことの意味在り方もだいぶん変わってきたことがわかった。
    成果主義へと向かっていた日本も、やはり、日本の良さであるプロセスを重視しようと考えが変わってきたことについて、それは良いことだと思った。
    他と比べつつも、日本は特有の勤勉さとまじめさを生かすことにより、欧米や他の先進国とひけをとることのない、または、秀いでた力をつけることができるだろうと思う。
    授業はリズムよく、ききやすかった。
  • 日本の長期的(終身年功)雇用慣行システムの歴史、基礎からの講議は、今迄の断片的知識がつながったり整理出来た。さらに日本の今迄のよさも再認しき出来た。とは云え、国際化の流れは、さける事は不可で、連結会計システム、商法、取引慣行等、国際的な流れの中で如何に、自社の商品、サービスを適合させていくかが重要と考えます。
  • 現在、正社員として働いており、数年前から成果主義が導入されている。そんな状況であるので今回の講義は大変興味深かった。
    内容が盛りだくさんでノートを取るのに必死になってしまったが、今の自分が勤務する会社に対する考え方やあり方など考えるきっかけになったことは大変有意義であった。
    ありがとうございました。
  • なかなか難しい問題だと思いました。実際これからの世の中はこんな風に変わって行くのだなあと思いました。能力を出すと云う事はやはり会社等では番付が付くのでしょうね。しかし今迄通りでは日本の社会は成り立たないと云う気がします。世の中の動きがよくわかったように思えます。
  • 「働くことの意味」この表題を見た時、何だろうと考えた。自分の為、家族の為、社会に参加することの意義、それともやっぱり、自己実現なのかなーと、考えていました。しかし、実際はより複雑な意味を持ち、様々な変革の中で仕事をし、企業もそこで仕事をしている人達にも、多くの事を考えながら働いていることが分かりました。
    私は現在、医療現場で仕事をしています。企業体ではあるが、会社という組織の中で働いている方々とは少し受け止め方が異なるかとは思いますが、より切実な問題、リストラ、人員削減、企業のスリム化など、その厳しさをより実感する感じではありませんが、現場でも、コストダウンや、効率的なベッドの運用、在院日数の縮小などいろいろと取り組んでいます。社会全体の考え方の変化、企業の体質の変化など、日頃聞かない内容だけに、興味深く聴かせていただきました。また、先生の講義に対する熱意が伝わってきて、充実した1日であったと思います。
    ありがとうございました。
  • 働くことをめぐる、この10年の変化を学びましたが、この先も中高年にとって厳しい時代であることに変わりないように思われます。
    働くことに喜びが得られるような人事考課として、どういう制度が好ましいかを考えさせられました。
    B社事件の報道に接した当時、非常にショックを受けましたが、かつて、三島由紀夫が当時の自衛隊にクーデターを呼びかけた時と同じような一種冷めたとらえ方が多かったようにも思われました。
    会社人間としてB社一筋で歩んでこられたわけですが、退職を機会に新しい別の生き方を選択してほしかったとも思われて残念です。
    B社のことを思う気持ちはよく分かるのですが、同社の人事制度を批判したり改善させるようなNPOを設立するとか、自らの命をかけずともよい方法があったのではと悔まれてなりません。
  • 最近の労働事情について大いに疑問を持っていましたので、講義を聞いて少し疑問が解けた部分があるのは良かったと思っています。私の息子も20代後半になりますが正社員として採用されてもサービス残業ばかりの毎日で、寝る暇もなく働くことを余儀なくされています。
    労働基準法違反だの何のと言ってみても現実は改善される余地はないようです。過労死の心配もあると心配していますが、このような労働形態は近代初期の労働と変わらないのではないかと思っています。企業重視の労働形態が制度化されてしまうことに将来に不安を感じています。能力主義にしろ成果主義にしろ、日本人は真面目でよく働く国民性だと思っていましたが、勤労意欲をなくすような労働形態は少子化を促進させると思います。人が生きがいを持って働ける場を企業も提供する責務があると思います。研究分析にも改善策というものは多くの労働者の犠牲なくしては実現しないのかと暗い気持になりました。しかし、現状を知ることはまず改善の第一歩だと思いますので、その意味では働くことについての理解が深まったことを良かったと感謝いています。
  • 「働くこと」とはどんなことなのか考えることは今まであまりなかったように思います。基本的なことが少しは理解できすっきりしました。私自身は95年に結婚し退職したことから、ちょうど10年間正職員という形態での仕事をしていません。しかしこの10年というのは「働く」ことについて実に大きな変化のあった10年であったのだとつくづく考えさせられました。ニートや失業の問題がよく話題になりますが、根本に雇用のあり方の変化があったということがよくわかりました。と同時にこの先どこへ行こうとしているのだろうかと不安も生まれてきました。
  • なんとなくわかったようなつもりになっていた自分達の会社の成り立ち方をアメリカと比較して現実がつかめた印象です。単純に終身雇用、年功序列ではだめだけど、評価を複雑にする程、別の問題も生まれてくると聞いていて思いました。
    授業の内容はこれ以上少ないと物足らないし、多いと消化できない良いバランスだったと思います。もう少しディスカッションができれば良いとも思いますが、盛り上がる時とダメな時があるので(放送大学の生徒の特長でしょうか、差が激しいと思います)、盛り上がるようなら少し内容を削っても時間をとるといった臨機応変なところもあって良かったと思います。
    今期放送授業で経営学をとったので内容を補完してくれる良い授業でした。やはり直接生身の先生に授業を受ける良さを感じました。
  • 8年前まで働いておりました。保育士でしたので女ばかり、園の中では、昇進とか査定とか、とはあまり感じることなく仕事しましたが、営利を目的とした一般企業は、今日の冒頭のような思いに到る人がいても不思議ではない気が いたしました。一生懸命働くことが会社のためであり、家族のためであり、同僚のためであり、自分のためであり、とひたすら走ってきた結果、気がつくと働いてくれるなと会社から言われる。今日のテーマは「働くことの意味」B社の事件を起した方は、それを見失なったのだと思いました。私も又、保育の内容をサービスととらえる観点から論議されるようになりしだいに「何か違う」と思うようになり退職しました。
    人は機械ではありませんので、どんな職種であっても、納得のゆく働き方をしたいと願っていると思いますが、米国、日本どちらの主義もシステムも、仕事を取り巻く環境は、利益にとらわれすぎて人間として働くことが厳しくなっているような気がしました。営利を目的としない福祉の仕事も又例外ではないと改めて思いました。
  • 私は企業の人事課で、給与計算と社会保険全般を担当しております。弊社の給与制度も、まさに数年ごとに「揺らぎ」があり、現在は基本的に職能成果制度という、色々な要素の寄せ集めのような状況です。つまり、それだけ「これで完璧」という制度、誰もが納得する制度はないのだと思います。
    授業の方は、分かり易く説明していただけたかと思いますが、1人の先生で通して2日の授業を受けられないことが残念です。どちらの方が良いか悪いかとかではなく、ご都合もあるかとは思いますが、私達通信学生が軽く扱われたようで、その点が残念でした。
  • 日本の労働形態の経緯がよく理解でき、とても感謝しています。今回の知識を、今後の自分の言動に活用できそうなので、そうした期待感を持つ事ができた事も嬉しく思っています。
  • 「働くことの意味」を考えるということで、哲学的な精神論等もテーマに上がるのではというイメージがありました。授業のはじめのビデオ観賞で今日の授業のテーマがおおまかにわかり、取り組みやすかったです。
    B社事件は、典型的な会社人間とバブル崩壊後の変化との対立を象徴するものとして印象に残りました。
  • 今日の講義を受けて、企業がどのようになっているなどを学ぶことができました。日本の企業があゆんで来た10年、さまざまな問題があり、今後の日本の企業がどのような方向に向かっていくか、非常に楽しみに思いました。日本と米国の雇用と解雇の違いなど、日本は米国化の雇用へと向かっているが、解雇の仕方はまったく違う事が分かり、日本の今後の成長を期待したいと思た。
  • 今回の授業で印象に残ったのは成果主義が必ずしも良い結果を生んでいないということでした。主人の会社で成果主義が導入されるというので、授業を受ける前は成果主義は新しい評価形態だと思っていました。しかしB社や富士通などでは10年も前から成果主義が導入されていていろんな問題が出てきているということを聞き驚きました。
  • 働らく意味を授講さしていただいて本当によかったと思います。なぜかと申しますと、吉田教授の講義を聞けたからであります。緊張なされていたようですが大変分かりやすく理解するに易しい内容でした。
    米国型の雇用関係ではホワイトカラーの雇用が全面展開されているのを知り能力主義的な印象を強く受けました。その対象に雇用関係の制約があり、マイノリティ(社会的弱者)の保護、性、人種、年齢による雇用差別の禁止(1)公民権法第7篇(2)年齢差別化、EEOC(雇用機会均等委員会)、NPOIAARP(全米退職者協会)、裁判制度、懲罰的賠償、先任権等が解雇の難しさを強めているのを知り少し安心しました。
    職能資格制度や電算型賃金の話を聞かせていただきこれから本格的な能力主義が来て、優秀な人材が企業で重用視され、全体的に頑張ばらなければ厳しい時代が来なあと思いました。
    ためになる講義を聞かせていただきありがとうございました。
  • 先日勤労感謝の日を過ごしたばかりの今日、働くことの意味を考える事が出来て良かった。この10年で雇用形態は本当に多容化した。中高年への離職圧力の増大は深刻な影を各家庭に投げ入れた。働きたい中高年層は、ずっしりと背中に家庭を背負い誰が退めるのか、何をもって公平なのか。次にすぐは職にうつれない年令、それに反して正社員の少ない若者、フリーター・ニート等、深い問題をかかえている。
    仕事は、人とその人の人生の深さをたたえる顔をつくる、そんな気がする。
    世は成果主義の時代へと向かうようだが、仕事のプロセスも大事、結果も成果も大切だがモラルダウンしないように失敗しない人などいないのだから、それを生かし改善し高めたい。仕事も暮しも‥と切実に思った。