Macマルチプラットホーム化計画第4弾
BE OS, Windows95, Linux for PPCに続き

NET BSDに挑戦!

捨てられそうになっていたところを拾われた往年の名機Macintosh IIci。
これまでLocal Talkで結んでプリントサーバにしていたが、あまりの遅さに閉口。
そこで意を決してNET BSD/mac68kに挑戦することに。このIIciがU*IXマシーンと化し、WWWサーバとなる日は来るのであろうか・・・。

(1998年3/12作成、6/16若干追記)

プロローグ

ある日、たまたま大学院生用共同研究室の前を歩いていると、大学院担当事務の方と業者の方が新しいコンピュータの配置の打ち合わせをしていました。ふと見ると、新しくコンピュータがおかれるところには、あの往年の名機IIciが・・・。私はいてもたってもいられなくなり、その事務の方に「もし捨てるのであれば、是非私にください」と言っておきました。そのときは、もし院生で欲しいという人がいなければという条件付きで、OKをもらっておきました。

それから2週間ほどして、めでたくMacintosh IIciが我が研究室にやってきました。やってきたIIciの構成は以下の通りでした。

どうやらある教員が買ったのが古くなり院生用に回ったようで、もうとっくに償却期限をすぎているものでした。100MBの外付けHDはあまりにも遅すぎて使いものにならないので、とりあえず自宅にあった320MBの外付けHDに取り替え、メインのマシンとLocal Talkで結んで、プリントサーバーとして使ってみることにしました。しかしこれが遅いのなんの。ほんの1枚プリントするにもゆうに10分程度かかってしまいます。68030ってこんなに遅かったのかと、初めて買ったLC520との苦闘の日々を思い出した具合です。それでも、せっかくもらってきたのだからということで、2ヶ月ほどプリントサーバーとして働いてもらっていました。しかし、論文と報告書の執筆の時期がやってきて、その印字に時間を喰うのはたまったものじゃないということで、やっぱりプリントはメインマシンで直接行うことにしたというのが3週間ほど前のことでした。

挑戦第一日目

NET BSDについては3年ほど前から知っていました。今の大学に就職した頃、メールはUNIX端末で読むというのが普通だったので、UNIXってどう使うんじゃと思っていた時、本屋でたまたまUNIX USER誌(96年6月号)で「MacでUNIX」という特集が組まれているを見つけ、その中に「NetBSD1.0/mac68kをMacintoshSE/30にインストールしてみる」という記事がありました。当時のNET BSD1.0はそこそこ使えるものの、まだネットワークにつなぐことができず、実用度は低いという評価がなされていたように思います。030のMacはもっていなかったこともあり、結局、名前だけ知って終わっていました。

その後、インターネット上でも何度かNET BSDの名を目にし、ネットワーク機能にも対応したということも聞いてはいたのですが、残念なことに私のもっているMacはすべてサポート外ということで、パッと目を通して終わるという日々が続いていたのでした。しかし、自宅のMacにLinux for PPCを入れてから、何はともあれ研究室にもFree U*IXを、という気分になっていました。IIciを手に入れたのも、NET BSDを試してみたいということが半分あったというのも事実です。にもかかわらず、NET BSDを導入するのに躊躇していたのには理由がありました。

  1. ハードディスクの容量の問題:いくら320MBの外付けハードディスクに変えたからといってもあまり余裕はないとふんでいました。せめて自宅のLinuxに割り当てている1Gは欲しいところです。
  2. NET BSDの最新版をどう手に入れるのか:FTPで落とすということも考えられますが、非常に時間がかかりそうです。できればCD-ROMで手に入れたい。Mk-Linuxの場合は入門書もあって入手容易なのですが、NET BSDではそうもいきません。NET BSDの親戚筋であるPC用のFree BSDがうらやましくなります。アスキーのHyper Libの98年冬号にNET BSDが入っているのを見つけましたが、最新版の1.3ではなく、1.2.Xでした。
  3. イーサーボードをどう手に入れるのか:せっかくNET BSDを導入したとしても今回のIIciにはイーサーボードがついてないので、Internetにつなぐことができません。ですから、イーサーボードを購入する必要があります。ただ、NuBas用のイーサーボードなんて今頃入手できるのか?という不安があります。また運良く手に入れたとしても、それとNET BSDの相性という点でも不安です。

問題の一つが解決すると、ことが動き出し始めるということはよくありますが、今回もそうでした。たまたま本屋で手に取ったUNIX USERの98年4月号、これにNET BSDの最新版(Ver. 1.3)がついていたのです。今までのもやもやが吹っ飛びました。ちょうど、論文と報告書も書き終えたということも重なって、未解決の問題も「ままよ」ということで、とうとうNET BSDをインストールする決心がついたのでした。

ハードディスクのフォーマット

まずは、ハードディスクのパーティションを切ることから始まります。外付けハードディスクなので、まずこれをメインのマシン(Power Mac 8500/180)につなぎ、システムなど今後も必要とするソフト類のバックアップをした後で、HardDiskToolkitを使って、次のように320MBのハードディスクを初期化しました。

無論、前二者はA/UX用のパーティションにします。HDTではApple_UNIX_SVR2でフォーマットすることができます。次に、バックアップしていたMac用のシステムとこれからインストールするNET BSD関係のファイルを新しく作ったMac用のパーティションにコピー。ハードディスクをもう一度IIciに接続しました。

ここでの失敗:後で知ったのですがSwap用のパーティションはメモリーの2倍が目安ということらしいです。今後の課題です。

6/16追記:どうもHardDiskToolKit(PE版)を使って初期化した場合、MKFSでSwap領域をNetBSD Swapにフォーマットし直す必要があるようです(下記を参照のこと)。

ユティリティを用いてのインストール

先ほど、NET BSD関係のファイルをコピーしたと言いましたが、具体的に必要なのは次のファイルになります。

なぜか、カーネルのファイル(kern.tgz)はUNIX USERのCD-ROMの中に見つけることができませんでした。そのためFTPでとってきました。

さてこれらのユティリティを使ってNET BSDをインストールするのですが、ユティリティ関係は解凍しなければなりません。StuffItがあれば解凍することができます。

解凍が終わったら、Mkfsを立ち上げて、Root & UserのパーティションをNET BSD用にフォーマットします。これ自体は簡単な作業ですが、データを破壊するおそれもあるので細心の注意を払って行うことが必要です。Mkfsを立ち上げると、どのSCSIデバイスにかけるのか聞いてきますので、これからNET BSDをインストールするハードディスクを選択します。すると、選択したSCSIデバイスのパーティション一覧が出てきます。そこでRoot及びUser領域になるパーティション(私の場合はA/UX Root & User)を選択し、FORMATボタンを押します。ちなみに、Swap領域にはかける必要はないそうです(6/16追記、HDT・PE版の場合、必要あるようです。この場合Swap領域を選び、CHANGEボタンを押してNetBSD Swapを選択して、FORMATボタンを押します)。

次にMacBSD Install Utilityを使って、NET BSD本体をインストールします。これも簡単な作業でした。fileメニューからbuild deviceを選んでdevice fileを作る。終わったら、fileメニューからInstallを選択し、上に挙げている3つの.TGZのついたファイルをaddボタンで指定していき、最後にDoneボタンを押してやれば、後は自動的に行ってくれます。ただ、非常に時間がかかります。私の場合、3つのファイルの展開におよそ3時間くらいかかりました。このため、何か他の仕事を準備しておくのが望ましいでしょう(笑い)。

いよいよブート

ここまで終われば、最後はbooterを使っての起動です。まずはbooterのOptionsメニューから"Booting..."を選択するとダイアログが出てきます。ごにょごにょと設定しなければならないのですが、肝要な点は次の通り。

後は、デフォルトで大丈夫だと思います。これが終わると、FileメニューからSave Optionsを選び、設定をセーブした後に、OptionsメニューからBoot Nowを選べば起動し始めます。

なんと、白地に黒い字で立ち上がります。ずらずらとハードの環境などが続いた後で、

Enter pathname of shell or RETURN for sh:

と出て、何かを求められてきます。とりあえず、RETURNキーを押しました。

すると今度は

Terminal type?

と聞いてくるではありませんか。パニクりました。ターミナルなんて考えもしませんでした。

それで色々NET BSDのインストールについて解説しているホームページを探したのですが、その時は見つかりませんでした。色々めちゃくちゃ入れてみて、ようやくxtermといれて次に進むことができました。(後に知ったところではvt220と入れるようですが・・・)

でも、まだシングル・ユーザの環境でしか動かしていません。なんか色々設定が必要なようです。ここを見ながら続けてみようと思っております。

 

明日のためのその1

マルチユーザーモードの設定を行う。

明日のためのその2

まずはXwindowを導入するべし。しかるべき後に、日本語の使えるシステムに。

明日のためのその3(3/16更新)

etherボードを取りつけるべし。早速、Cyberian Outpostに注文しましたV(^ ^)。買う際にはここを見て、IIciで動作確認されたイーサーカードをピックアップし、メーカーのサイトで現在でも商品があるかどうかを調べました。何せ、68k用のイーサーカードなんぞ、とっくに発売中止になっているものと決め込んでいましたから、実際に見つかった時はほっとしました。

3/16 Cyberian OutpostからEtherボード(Farallon EtherMac Card: PN590a-TP)が届きました。しまった、手持ち在庫なしとなっていたので、気長に待とうと、まだ情報処理センターにIPアドレスの取得申し込み書を出していなかった。在庫なしにも関わらず、1週間もたたないで商品が到着するとはさすがだと思います。国内業者じゃこうはいかない?

とりあえず、IPアドレスがないままにイーサーボードを取りつけることに。インターネットはだめでも、Mac同士でApple Talkは使えますから。

ということで、早速取りつけてみました。取り付け自体は非常に簡単。10分とかかりませんでした。うちの研究室は静電気が発生しやすくちょっと慎重にはなりましたが。

取り付け後、とりあえずApple Talkで他のMacに接続。これも全く簡単でした。

最後に、Net BSDを立ち上げ起動画面を見ていると、イーサーボードも認識されているようです。ほっと安心。次はIPアドレスがくるのを待つまでに、インターネット関連のソフトの収集とインストールが課題です。

明日のためのその4

容量の大きいハードディスクを用意する。

(続く)


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