2000年3月上旬の労働関連の記事

3/10 マツダ労組、スト権の確立視野(日経):マツダ労組は、10日から正式な残業以外のサービス残業を拒否する「非協力宣言」を実施するとともに、年間一時金回答が組合要求に達しなかった場合、スト権確立に動くことを確認した。30年ぶりの全面スト突入も視野に入れ、今後、本格化する可能性のあるフォード流のリストラに対抗する場として位置付けている。

3/10 2000年春闘、経営側慎重姿勢崩さず(日経):金属労協(IMF・JC)の集中回答指定日を15日に控え、春闘も大詰めを迎えているが、経営側は賃上げについて極めて慎重な態度を崩しておらず、過去最低となる業種も多くなりそうであるとしている。

3/10 サマータイム導入、賛成6割(日経):夏季に時間を1時間早めるサマータイム制の導入に、6割近くの人が賛成していることが環境庁、経済企画庁、通産省の調べでわかった。調査の中で、労働時間の増加につながる答えたのは14%であった。

3/10 雇用延長制度、導入の動き広がる(朝日):60歳以上への雇用延長の動きが今春闘で本格化しているが、再雇用者の選別基準の透明性や賃金水準などで問題が残っている点を既に雇用延長制度を採り入れている企業の事例を使いながら報告している。

3/9 最高裁、着替え時間も労働時間と認定(朝日夕刊、日経夕刊):着替えの時間も労働時間かどうかを争って三菱重工長崎造船所の従業員らが三菱重工を提訴していた事件で、最高裁は、作業前後の着替えは就業規則で義務づけられており、着替え時間も労働時間であるとの判決を下し、同社に対して未払い賃金の支払いを命じた。

3/9 悩む、セクハラ相談員(日経夕刊):セクハラへの配慮を義務づけた改正男女雇用機会均等法が施行されてもうすぐ1年となるが、企業に設置された相談窓口となった社員には、にわか仕立ての相談員も多く、どう対処すればよいのか頭を抱えているとしており、今後のモデルとなるような相談窓口として慶応大学の「ハラスメント防止委員会」を紹介している。

3/9 若者、リストラ相談(日経夕刊):東京管理職ユニオンとネットワークユニオン東京は「職場トラブル・若者リストラホットライン」を10日〜12日までの3日間にわたって開設し、職場のリストラや肩たたきなどの相談に応じる。電話は03-5371-5173で、朝10時〜午後6時まで受け付ける。

3/9 在宅ワーク、契約にガイドライン導入へ(朝日、日経):労働省の在宅就労問題研究会は契約トラブル防止のためのガイドラインの内容をまとめた。これを受けて労働省は5月にもガイドラインを策定するとしている。

3/9 雇用保険の手当受給、職安への出頭規定を緩和を(朝日、日経):総務庁行政監察局は失業して雇用手当を受け取れるよう認定してもらう際、公共職業安定所への出頭日については柔軟にその変更を認めるよう労働省に求めることを決めた。

3/9 新卒派遣社員が急拡大(日経):今年の12月から「テンプ・トゥ・パーム」が解禁されるのを見込んで、派遣各社が新卒派遣の拡大を急いでいる。派遣大手のパソナやテンプスタッフなどは新卒派遣の人員を300〜1000人規模に増やす予定。

(P>3/9 本田、2年ぶりの満額回答割れ示唆(日経):本田技研工業は記者懇談会を開き、2000年春闘について減収減益のなかで満額回答は無理との示唆をした。

3/9 三井造船、賃金一部カット終了(日経):三井造船は昨春から行ってきた賃金の一部カットを、3月支給分で終了する方針を明らかにした。しかし、以前厳しい経営にあることは否めず、今春闘でも一時金減額等で人件費を削減する考えである。

3/9 緊急雇用安定地域の指定、工場閉鎖前にも可能に(日経):労働省は大企業の工場閉鎖などで地域経済に大きな影響が出るおそれがある場合に、事前に雇用対策を講じることができるように、「緊急雇用安定地域」の指定を事前にできるなどの新たな方針を決めた。

3/9 三洋電機、新卒に年俸800万円(朝日):三洋電機は、大学時代にベンチャー企業を起こしたり、弁護士などの資格を取得した新卒者を対象にした年俸制社員を募集する。初年度の年俸は最高で約800万円と通常の新卒の2倍、入社20目の一般社員とほぼ同じ水準。

3/9 中国、レイオフ500万人(朝日):中国の労働社会保障相は記者会見で昨年一年間で1174万人がレイオフされ、年末時点で650万人が再就職できておらず、また今年も新たに500万人がレイオフされる見込みである語った。

3/8 雇用流動化を考える・下(日経):大阪大学の小蔦典明教授による経済教室。法律で解雇ルールを明確にすることによって、解雇をしやすくすることで雇用を増やそうという提言。最近、増えてきた主張である。

3/8 三洋、給与の一部を退職金に(日経):65歳までの雇用延長を決めた三洋電機は、希望者を対象に定年までの給与を減額する代わりに減額相当分を60歳定年時の退職金に上積みして支払う新賃金制度を導入する。

3/8 NTT東西会社、4400人を削減(日経):NTT、NTT東日本、NIT西日本は2000年度の事業計画を発表し、そのなかで東日本が1900人、西日本が2500人の人員削減を計画していることを明らかにした。

3/8 仏公共部門、35時間労働制を大半が拒否(日経):週35時間労働制が導入されたフランスで、公務員を組織する主要7労組のうち6労組までが、増員がなされていないことを理由に週35時間制を拒否する事態に至っている。

3/8 アイルランド、20万人国外から(日経):好況が続くアイルランドでは、労働力の不足を補うために人口の約5.5%に相当する20万人を国外から呼び寄せる政策が始まった。

3/7 アラビア石油、人員45%削減(朝日、日経):サウジアラビアでの石油採掘権を失ったアラビア石油は、330人の日本人社員を45%削減することを柱とした合理化案を発表した。削減はまずは希望退職者を募るが、募集期間は10日間しか設定されていない。この性急で大規模なリストラに対して社内では経営側の失敗を社員にしわ寄せするものであるとの反発の声も出ている。

3/7 IMF・JC、日経連に賃上げ要請(朝日):全日本金属産業労働組合協議会(IMF・JC)は、日経連に対して個人消費の回復のために、賃上げを求める異例の申し入れをした。

3/7 鉄鋼労連、雇用延長の枠組優先(朝日):鉄鋼労連は経営側が難色を示している2001年からの希望者全員によるハーフ勤務制度による雇用延長を妥協して、まずは雇用延長の枠組を導入してそれ以後に詳細を詰めて行く提案に切替えることとなった。

3/7 日産、課長以上に疑似ストックオプション(日経):日産自動車は課長以上の管理職の一部を対象に新株引受権付社債(ワラント債)を使った疑似的なストックオプション制度を導入すると発表した。権利を付与されるのは500人で、課長以上の対象者の中から選ばれる。

3/7 雇用の流動化を考える・上(日経):有賀健京都大学教授による経済教室。巷に氾濫する雇用の流動化論に異義を申し立てつつ、人事機能の分権化と、雇用システムと長期経営計画との統合を柱にした改革を行っていくべきだと主張している。

3/6 統合後の給与、銀行困った(朝日):金融界では企業合併・統合や子会社化がすすんでいるが、そうした再編後の給与水準をどう設定するが問題になってきている。これまでの高い方に合わせるというやり方を続けるわけにもいかず、苦慮しているところが多い。

3/5 再就職支援進まず(日経):労働省が昨年夏に導入した「新規・成長分野雇用創出特別奨励金制度」の利用が低迷しており、申請人数は目標の20分の1に留まっている。同制度は成長分野での中高年の雇用を行った企業に奨励金を配る制度だが、記事では単にお金を配るだけでは人材移動は進まないとしている。

3/5 日本海新聞労組が新聞労連から脱退(日経):日本海新聞労組は新聞労連とは違う新しい組合活動の在り方を模索するとして全員投票で新聞労連からの脱退を決めた。労連脱退は北国新聞に次ぎ二番目となる。

3/5 新雇用システムを探る・1(日経):曲がり角に立つ春闘や定年延長などの議論に基づき、清家篤慶応大学教授が、あるべき雇用システムについてインタビューで答えている。

3/5 困ったときの暮らし術・上司にセクハラされたら(朝日):上司にセクシャル・ハラスメントを受けた場合に、どう対処すればよいのか、相手への対応の仕方から始まって、公的な相談機関の利用などの対処法を載せいている。

3/4 連合が春闘総決起集会(朝日夕刊、日経夕刊):連合は代々木公園で2000春闘総決起集会を開き、組合員4万5千人が集まった。集会では「ベースアップ1%を確実に獲得しよう」というアピールを採択し、デモ行進をおこなった。

3/4 米の2月の失業率、4.1%(朝日、日経):米国労働省の発表によると、2月のアメリカの失業率は4.1%と前月に比べ1%高く、8ヵ月ぶりの上昇となったが、依然雇用の逼迫感が強い。日経はアメリカの経済の好調を女性、人材派遣、ハイテクという3つの要素から解説している。

3/4 広がる成果主義、裁量労働(朝日):裁量労働制の拡大をうけて、成果主義を賃金やボーナスに採り入れる制度が大企業を中心に広まっている。処遇の個人化が進む中で、春闘の相場は個々の労働者にとってはあまり意味がないものとなってきているとしている。

3/4 産別幹部、苦悩の声続々(朝日):3日に金属労協(IMF・JC)の代表者交流集会が開かれたたが、「会社側はゼロ・ベアの姿勢を崩さない」などの苦悩に満ちた声が次々と上がった。

3/4 電線6社も雇用延長に同意(朝日):電線メーカーの労組からなる全電線は大手電線メーカの労使が定年退職後の雇用延長を実施していくことで基本合意に達したと発表した。

3/4 鉄鋼大手が雇用延長(日経):新日本製鉄などの鉄鋼大手の労使は60歳以降の従業員の雇用を延長することで大筋合意し、2003年度から希望者全員に対する本格的な雇用延長を導入することで最終調整を行っている。

3/4 日立造船、事務系に成果主義(日経):日立造船は事務系社員約2000人を対象に裁量労働制に対応する成果主義賃金を導入。具体的な内容は現在、労働組合と協議中で、3月中旬をメドに合意したい意向。

3/4 日石三菱、賃金体系を一本化(日経):日石三菱は4月から賃金体系を一本化することで二つの組合と合意。なお、二組合も年内をメドに統合する見通し。

3/3 トヨタ賃上げ、7000円台前半の攻防(朝日、日経):春闘のリード役をつとめるトヨタでは組合要求9000円に対して、会社側は昨年実績の7600円には強い難色を示しており、7000円台前半での攻防になっている。

3/3 なぜフリーターなの?(朝日):アルバイトの求人誌「フロム・エー」が行ったフリーターの実態調査によると、フリーターの多くが組織に縛られない自由な生活を望んでいながらも、先行きの生活には不安を感じていることが分かった。

3/3 造船重機、62歳に延長要求(朝日):雇用延長が重要なテーマとなっている造船重機労組の春闘で、三菱重工などの大手の労組は2003年度からの62歳までの再雇用を新たに求めている。

3/3 賃上げ要求、連合が集約(日経):連合が1日に集約した各組合の要求内容によると、平均は35歳事務職で2996円のベースアップということがわかった。

3/3 マツダ、設備2割削減(日経):マツダは広島工場の二本の自動車ラインを2002年をメドに閉鎖し、生産能力を約20%削減する。これに伴い人員削減も行い、労働組合との話し合いに入る。

3/2 年齢差別NO、中高年が団体立ち上げ(朝日夕刊):働きざかりの中高年が年齢を理由に就職できない状況を打破しようと中高年の男女が市民グループ「働き盛りの会」を立ち上げた。

3/2 外国人労働者、受け入れ対策を協議へ(朝日夕刊):外国人労働者の受け入れをめぐって、法務省や労働省など関係する省庁の政務次官らが具体的な対策について協議を始めることになった。

3/2 雇用状況悪化へ(日経):連合が発表した「雇用実態調査」によると、事業規模を縮小した企業は29.8%、正社員の数が減った企業は56.6%で前年度調査よりも増えており、雇用状況は昨年よりも悪化している結果となった。

3/2 日立造船、子会社へ転籍で10%の賃下げ(日経夕刊):日立造船は三つの子会社に出向している約1500人の社員を転籍させたうえで、基本給を平均10%削減する。

3/2 ベア、前年確保難しく(日経):今春闘の賃金交渉は今週末から本格化するが、電機、自動車、鉄鋼などの主要産業で、昨年実績を確保するのが難しい情勢となっていることを伝えている。

3/2 JR東日本、定年退職者を再雇用(日経):東日本旅客鉄道は60歳定年退職者を対象にグループ会社での再雇用制度を2001年度から導入することで東日本旅客鉄道労働組合と合意したと発表した。

3/1 就職活動に潜む落し穴(日経夕刊):超氷河期を抜け出していない新卒の就職戦線。その不安につけこんだ悪質商法や、インターネットで飛び交う偽の情報など、就職活動に潜んでいる落し穴を紹介している。

3/1 三洋、ネットで入社試験(日経):新卒採用にインターネットを本格活用している企業を紹介。例えば、三洋電機ではホームページ上で適性テストを受けさせるという方式をとるなど、その利用が本格化している。