2000年3月中旬の労働関連の記事

3/20 善か悪か、組合費の天引き(朝日):自民党が進める組合費のチェックオフ制度の禁止をどう考えるか。組合費の天引きをしていない日本テレビの事例や、欧米での現状を紹介している。

3/19 この数字・派遣労働者数、90万人(日経):派遣労働の自由化に伴い、増加する派遣労働者数は98年度で89万5千人となり、前年度より5%増加。全就業者に占める割合も1.4%となり、年々増加の傾向にあり、2000年度には100万人を超えるという予測もあるという。

3/19 新雇用システムを探る・3(日経):雇用延長が主題となった感のある今年の春闘だが、高齢化が進むなかでどのような雇用システムを構想すべきなのか。欧米のワークシェアリングなども紹介しながら日本労働研究機構の斎藤邦彦氏が語っている。

3/18 米ボーイング、38日間でスト集結(日経夕刊):米ボーイングは、技術者1万7千人が加盟する労働組合との間で今後3年間の労働協約に暫定合意し、38日間に渡ったストライキが集結することになった。今回のストは米ホワイトカラーが主導したストの中では過去最大級。

3/18 ベアゼロで電力が妥結(朝日、日経):電力9社の賃上げ交渉はいずれもベースアップゼロ、定期昇給のみで合意し、妥結額は過去最低を記録した昨年を下回った。電力自由化などを控え、経営側に押し切られた形となった。

3/18 トヨタ、来春の採用は1500人(朝日、日経):トヨタ自動車が明らかにした2001年の新卒採用計画によると新卒採用者全体は1500人で、事務・技術の大卒採用は315人で微減となるものの、生産現場要員を中心に高卒は若干増の670人を予定している。

3/18 東芝、9000人削減へ(朝日):半導体事業のリストラの遅れやなどから2000年決算が2期連続赤字となる東芝は、国内を中心に従業員の15%にあたる約9000人を2002年度までに削減する方針を明らかにした。

3/18 NTT、グループ内の出向・転籍で一時金廃止(日経):日本電信電話はグループ内の主要企業間で出向・転籍する社員を対象とした一時金支給や、企業の業績に応じて社員に支払う業績手当を廃止する。グループ内の人材流動化と成果主義の促進が目的。

3/18 九州電力、定年退職後の再雇用制度拡充(日経):九州電力は2001年4月より定年退職後、1年契約で62歳まで再雇用するエルダー社員制度を設置し、現行のパートタイム的な特別社員制度を止めることで労組と合意した。

3/17 NTTや東電もベアゼロに(朝日夕刊、日経夕刊):昨年の再編後初めての春闘となったNTTグループではベアゼロ、定昇のみの賃上げ回答となり、業績好調のドコモなどについては一時金で格差をつけることで労使合意となった。また東京電力も定期昇給のみの4400円(高卒30歳標準社員)の賃上げで妥結となった。

3/17 私鉄大手も賃上げ最低水準(朝日、日経):私鉄大手の春闘の賃上げ交渉で、組合側に回答額が示された。関東6社と名鉄は高卒30歳・勤続12年の標準モデルで4950円で、昨年を下回る回答となった。

3/17 雇用助成金、支給基準を緩和(日経):労働省は中高年や障害者の雇用拡大を目指し、これらの人々を雇う企業に対する助成金の支給基準を緩和する。具体的には、現在では公共職業安定所を通して雇用した企業のみへの支給だったものを、民間の職業紹介所のあっせんを受けた場合にも支給することになった。

3/17 雇用に市場原理の荒波(日経):横並び春闘の終焉を受けて、雇用の流動化や賃金格差の拡大など、変容する雇用のあり方をいささか大げさに書いた論評記事。

3/16 ヨーカ堂、一足早く社会人(朝日夕刊、日経夕刊):大手スーパーのイトーヨーカ堂は都内のホテルで、同社のグループ企業とともに一足早く入社式を開いた。昨年より1100人少ない1313人が新入社員として第一歩を踏み出した。

3/16 額より雇用、百円玉春闘(朝日、日経):春闘相場を左右する自動車、電機、造船重機、鉄鋼で一斉回答が出たことを踏まえた今春闘の中間総括。日経連の奥田会長は「横並びはどんどんなくなる。その兆候だ」と評価し、賃上げ交渉としての春闘の終焉を暗示した。今後の賃上げ交渉の焦点は、NTT、電力、私鉄へと移る。

3/16 日産、ボーナスを業績連動型に(日経):日産自動車は2001年度から業績連動型の一時金を導入する考えを明らかにした。組合員レベルにも業績重視の考え方を徹底する。

3/16 ダイオキシンで健康被害、労災認定下りず(日経):大阪府の能勢郡のゴミ処理施設「豊能郡美化センター」の元作業員二人が、皮膚病や癌になったのはダイオキシンが原因として労災申請していた件で、淀川労働基準監督署は労災認定しない決定を通知した。同労基署は二人がダイオキシンを作業中に浴びたことは認めたものの、その発症はダイオキシンによるものではないとしている。二人は決定を不服として大阪労働基準局に審査請求をする方針。

3/16 天引き見直し、本気?脅し?(朝日):自民党が進めている労働組合費の天引き制度(チェックオフ制度)の見直しははたして本気なのか、それとも単なるブラフなのか?政界の様相から迫っている。

3/15 最低の賃上げ率となった今春闘(朝日夕刊、日経夕刊):自動車、電機、造船重機、鉄鋼の大手の賃上げ・一時金交渉で、経営側から一斉回答が始まった。不景気のなか雇用維持・確保に重点がおかれた今春闘は、造船重機がベアゼロになるなどベア水準が過去最低となった。他方、雇用延長の議論については、今後の導入に一定の道筋がついた。朝日、日経とも各社の労組の様子を取り上げている。

3/15 全日空、賃金3〜4%削減(日経):全日本空輸は全社員の月例賃金の一律削減や退職金削減を柱とする新たな人件費削減策を2000年度から実施する方針を固め、労組に申し入れた。削減期間は3年間。

3/15 日経連、組合費天引き見直し反対(朝日):自民党労働部会の労使慣行正常化検討小委員会が日経連に労働組合費の「チェックオフ制度」の見直しについて尋ねたところ、日経連側は「終身雇用、企業内組合と並びチェックオフ制度は労使協調の根幹で維持すべきだ」との見解を発表した。

3/15 アラ石、希望退職者の募集期間短縮(朝日):日本人社員をほぼ半減させる合理化を進めているアラビア石油が約10日間の希望退職者の募集期間を短縮する文書を流していたことが明らかになった。社内には短い期間であるとの声が上がっていた矢先のことだけに、反発がさらに強まっている。

3/14 エントリーシートによる就職活動の問題(日経夕刊):新卒採用においてエントリーシートを用いる企業が増えているが、学生の側では自分の経歴や資格などを誇張、捏造したりするということが頻繁に行われている。こうした「修飾活動」の実態とその理由を紹介している。

3/14 虚を突く組合費天引き禁止(日経夕刊):自民党による組合費天引き禁止の画策は政治的だが、しかしこの問題提起自体はポジティブに評価し、ユニオンショップ制の問題をとらえ返すための頂門の一針とすべきだと主張した「ニュース複眼」。

3/14 NKK・神鋼、今年はベアゼロ(日経夕刊):鉄鋼大手は新日本製鉄、川崎製鉄、住友製鉄の3社が2000年度ベア1000円、2001年度ゼロ、NKK、神戸製鋼所は同ゼロ、同1000円で決着する見通しとなり、2年間でベア1000円とはなったものの、分裂決着となった。

3/14 賃上げ、史上最低確実に(朝日夕刊):15日の集中回答を控えて、今春闘の結果は史上最低の昨年の2.21%をさらに下回りそうな状況を紹介。

3/14 トヨタ、7500円回答へ(朝日、日経):トヨタ自動車前年実績を100円下回る7500円で賃上げ交渉が事実上決着する見通しとなった。また、鉄鋼大手は初めてのベア分裂回答となりそうである。造船重機は500円で最終決着を目指す歯止めを設定し、各単組に連絡した。

3/14 日航昇格差別問題、申請側が調停案拒否(朝日):日本航空の女性客室乗務員の昇格差別問題で、先に労働省の東京機会均等調停委員会より勧告された調停案に対して、申請人側は拒否する旨を同委員会に回答した。

3/14 外国人「技能実習」の対象を拡大(朝日):外国人の「技能実習」の対象が農業や水産加工食品製造業など4業種にも拡大される。法務省は入管政策の新指針となる「第二次出入国管理基本計画」の中で、採用希望の多い分野での対象職種の拡大を打ち出しており、今後もホテル業などに広げられていく見込み。

3/14 電機連合、組合費天引き見直しに反論(朝日):自民党が労働組合費の給与から天引きするチェック・オフ制度の見直しに着手し始めたことに関して、電機連合は企業労使の自主的な取り決めに対する政治的な介入だとする反対論をまとめ連合などに提出した。

3/14 日航、地上職員追加削減(日経):日本航空はグループの人員削減を拡大し、2001年度までの経営計画ではグループ全体の約10%弱にあたる3500人であった削減人員を、2002年度末までに新たに500〜700人追加削減することになった。

3/14 電機連合、賃金モデルを見直し(日経):電機連合はベースアップ要求の基準となる賃金モデル(35歳・勤続17年の標準労働者)を見直しに入ることになった。労組関係者の話しによると技能職モデルと大卒モデルを並立させる案などが出ているという。

3/14 ドイツ、ハイテク技術者移入促進(日経):米国に遅れた情報技術革命への対応を強化するために、ドイツ政府は欧州域外のコンピュータ技術者1〜2万人を対象に3〜5年間有効の特別労働許可証を発行する「ハイテク移民政策」を採用する。国内の失業率が高い中での受け入れに労組などから反対の声も出ている。

3/12 電機、ベア500円の見通し(朝日、日経):春闘の相場づくりに大きな影響力を持つ電機業界の賃上げは、電機連合がスト回避水準をベアで500円と設定し、経営側もこれと同水準の回答を行う見通しとなった。また鉄鋼大手は、2年合計で1000円とする方向で最終調整に入っている。

3/12 新雇用システムを考える・2(日経):電機連合中央執行委員長、鈴木勝利氏に対するインタビュー。男女平等を考えると、パートでも正規社員でも同じ時給を設定する必要があり、現在の家族主義的な考え方を改め、オランダ型の雇用へと無かって行くべきことを主張している。

3/11 鉄鋼労使、雇用延長来春から(朝日):大手鉄鋼労使では60歳以降の雇用延長について、2001年4月から試験導入し、その後に詳細を詰めていく方針で決着する見通しとなった。

3/11 日立、一時金4.6ヵ月で調整(日経夕刊):2000年の3月期決算が黒字転換する見通しの日立製作所では、今春闘の一時金について、昨年よりも0.3ヵ月程度の上積みした4.6ヵ月を軸に最終調整が進んでいる。

3/11 卒業控え17万人が就職未定(朝日、日経):文部省、労働省の調べによると、今春、大学・短大、高校、中学を卒業予定で就職を希望する学生・生徒のうち、未内定者が計17万人に上ることが明らかになった。とくに、高校生の内定率は79.3%と初めて80%を割り込み、過去最低となった。

3/11 トヨタ、ベア前年割れ(朝日、日経):春闘のリード役であるトヨタ自動車の賃上げ交渉では、定昇込で7300〜7500円で決着する見通しとなり、昨年実績の7600円を下回ることが確実となった。

3/11 気づいたときは別会社、会社分割法案提出(朝日):会社分割制度を創設するための商法改正と、分割時の労働関係のルールを定める「会社分割に伴う労働契約継承法案」が国会に提出された。この法案が通ると、会社の事業売却などの動きが加速化し、それに伴う雇用関係の不安定化や労働条件の切り下げが多発する可能性があるとして、各労働団体は一斉に反発している。記事では、実際に営業譲渡に伴い解雇されたり、転籍を強要されたりしている事例も紹介している。

3/11 東芝関連会社の売却・リストラに抗議の声(朝日):東芝が関連会社アジアエレクトロニクスの主力事業を売却し、従業員のリストラを発表したことに対するアジアエレクトロニクス労組の抗議活動を紹介している。

3/11 家事・育児、夫の参加「足りない」(朝日):厚生省が発表した「全国家庭動向調査」によると、共働きでも3割の夫は一切家事をせず、大半の家庭で妻が育児のほとんどを担っていることが明らかになった。

3/11 どうするあなたなら・社内結婚(朝日):社内結婚した夫婦と職場での互いの「距離」とを取り上げ、社内結婚後も同じ職場で働き続けたために夫婦関係がまずくなった事例や、逆に結婚後有無言わさず会社側から職場を離され、不本意な仕事をやらざるを得なくなった事例を取り上げている。