2000年4月中旬の労働関連の記事

4/20 なぜ増えぬ、女性キャリア(日経夕刊):中央省庁に行政職で採用される国家公務員1種の女性比率がここ数年11〜12%台で頭打ちになっている理由を追い、「滅私奉公的な」働き方で長時間残業となり、子育ての問題などから女性に働きにくい環境があるとしている。

4/20 芝信金訴訟、控訴審判決で組合側敗訴(朝日):芝信用金庫の従業員組合が、昇格をめぐり組合員差別を認定しなかった中央労働委員会の命令取り消しをめぐって起こしている裁判で、東京高裁は、「差別的な査定と昇格試験の不合格との間には因果関係がある」とする一審の東京地裁判決を覆し、「能力からみて、低い査定もやむを得ない」とする判決を下した。

4/20 新卒採用、来春は4.6%増(日経):日経新聞社が行った採用計画調査によると電機などのIT産業を中心に採用予定人数が増えており、採用予定総数では今年度比で4.6%増、大卒の新卒採用者数では7.1%増という状況になっている。

4/19 パートの処遇、公平化を提言(朝日、日経):労働省の研究会は、パートタイム労働の処遇をめぐって、「同一職務の場合、パートの労働条件の決定方法を正社員と合わせていく必要がある」とする報告書をまとめた。

4/19 連合、来年からメーデー集会を4月28日に(日経):連合は5月1日に行ってきたメーデーの集会を、2001年は4月28日に開くことを決めた。ゴールデンウイークの谷間に動員を嫌う組合員が多くなったのが理由。全労連や全労協はこれまで通り、5月1日に行う。

4/19 住金、管理職の賃金を部門成績と連動(日経):住友金属工業は管理職を対象に、事業部、事業所ごとの業績を処遇に連動させる賃金制度を導入する。

4/19 日産労連、会長ら辞任へ(朝日):日産労連の会長と副会長が辞任することが明らかになった。日産労連の3人いる副会長のうち一人が殺人事件を起こし、さらに別の副会長も女性問題が週刊誌に取り上げられるなどの不祥事が続いており、その責任をとることになった。

4/18 厚生省元係長、自殺は公務災害(朝日、日経夕刊):厚生省は、3年前に自殺した元同省精神保健福祉課係長だった男性の死亡は、深夜勤務が続いたことなどによる過労自殺であることを認め、「公務上の災害」を認定した。

4/18 就職人気、経営革新企業に(朝日、日経):リクルートリサーチ社が発表した来春卒業予定者の大学生を対象とした就職希望調査で、ソニーが3年連続(日経による。朝日では4年連続となっている:さてどっちが正しいでしょう?)で首位となり、上位に電機・通信企業の人気が復活してきた。

4/18 郵便局員、分限免職取り消し(朝日):超過勤務命令を再三にわたって拒否したことを理由に分限免職処分を受けていた郵便局員が処分の取り消しを求めた審査請求で、人事院は処分の理由となった超過勤務命令が労基法36条に違反して出されたものであり、命令に従う必要はなかったとして分限免職処分を取り消す判断を下した。

4/18 生え抜き重視不変(朝日):連合総研が行った調査によると、会社は中核を担う人材については「生え抜き」重視の姿勢を大きく変えていないことが明らかになった。それによると、将来の幹部候補の社員の確保については「生え抜きと中途採用の両方」が最も多く約58%、「生え抜き中心」と合わせると8割に上る。

4/18 指定講座、再就職のためですか?(朝日):労働省の教育訓練給付制度の対象となっている講座の中には再就職に結びつかないようなものが多いと、?な講座を取り上げている。

4/17 告発本で戒告処分は懲戒権の乱用(朝日夕刊、日経夕刊):三和銀行の社員19人が社内の昇給差別の実態などの手記を単行本に掲載したのを理由に、会社から戒告処分を受けたことを不服として処分無効と損害賠償を求めていた訴訟で、大阪地裁は労働者の批判の自由を正面から認め、懲戒処分は無効との判断を下した。

4/17 農業に、新卒女性が就職(日経夕刊):厳しい就職状況が続く中で農業へと目を向ける女子学生たちが出てきており、その受け皿に農業生産法人がなるという動きが出てきているのを紹介している。

4/17 就職氷河期、ひとまず脱出(朝日):朝日新聞社が行った来春卒業予定の学生の各社の採用計画に関する調査によると、採用数を前年よりも「増やす」とする企業が68社(34%)で、「減らす」とする企業44社を上回り、明るさを取り戻しつつあるとしている。

4/17 高失業下の雇用政策(日経):雇用なき景気回復の懸念がなくならないなかで、今後の雇用政策は「自立支援」や「起業支援」であるとするコラム。「大企業の編集委員は、全員フリーライターになるべきだ」

4/17 羅針盤・維持できぬ「外国人は異質」(日経):野口悠紀雄氏のコラム。「将来の労働需給」の観点からすると外国人労働者に労働力を依存せざるを得なくなっており、もはや石原都知事のような国籍差別意識ではやっていけないとしている。

4/17 シリコンバレー、進化する職業教育(日経):産学協力が定着し、数十年の歴史を持つスタンフォード大学などシリコンバレーの大学が実施している職業教育を紹介している。

4/16 厚生年金がもらえない(朝日):厚生年金への加入が義務づけられている法人事業所のうち80万が未加入と推定されており、会社から突然、厚生年金から脱退すると言われる事態も起こっている。小さな会社には保険料が高すぎるとの声もでており、不況が長引く中で制度の危うさが出てきているとしている。

4/16 教育訓練給付制度、対象拡大で受講者急増(朝日):4月から対象講座を1万1千に広げ、予算を19億円から273億円に増額した「教育訓練給付制度」。利用者は増大しているが、再就職の役に立ちそうにない講座もあり、財源の雇用保険財政が悪化する中、制度のあり方を疑問視する声も出始めている。

4/16 商法改正案、成立微妙に(日経):会社分割を盛り込んだ商法改正案の今国会での成立が微妙な情勢になってきた。民主党が労働省の立案している会社分割に伴う労働契約継承法案では労働者保護が不十分であるとして反対しているため。

4/15 三菱重工業、航空部門が屋台骨(朝日):造船や重機部門が不況で、5000人の人員削減を進めている三菱重工だが、航空部門が他部門に仕事を回したり、余剰人員を受け入れ、三菱重工の屋台骨となりつつある。

4/15 トヨタの分析論文が米国で賞(朝日):米ユタ州立大学が設立している「シンゴウ・プライズ」でトヨタ自動車の強さを説明した二つの論文が賞を受賞し、トヨタ自動車の強さに対する関心がいまだに続いている。受賞したのはハーバード大学のケント・ボウエン教授とスティーブン・スピア助教授による「トヨタ生産方式の遺伝子を探る」と、東京大学の藤本隆宏教授の「トヨタ生産方式の進化」。

4/14 辞めた理由で、差がつく不安(朝日):雇用保険財政の建て直しを狙ってた雇用保険法の改正案が衆院を通過する。「会社都合」か「自己都合」かによって給付日数が異なってくるこの改正案の問題点を論じている。

4/14 アジアが変える日本企業(日経):アジアとの関係が深まっていく中で、人事制度にアジア流の実力主義を取り入れる企業を紹介している。

4/14 紀文、全社員が営業マン(日経):紀文食品は5月から2ヶ月間、毎週土日に事務系の全社員が店頭に立ち実演販売することとなった。

4/14 住金、和歌山の人員削減加速(日経):住友金属工業は和歌山製鉄所の従業員について7月に事実上の退職勧奨制度を導入し、定年1年前の従業員を対象に退職金に年収の4割を加算し、退職を促すこととした。

4/13 松下、裁量労働制を導入へ(日経夕刊):松下電器産業は本社部門の技術者を対象に、働いた時間ではなく仕事の成果で評価する裁量労働制を導入することで組合側と合意した。成果主義を徹底し、年間で月収の4.5カ月分相当の格差が発生することになる。

4/13 対中最恵国待遇恒久化、米労組が反対集会(日経夕刊):米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)は中国への恒久的な最恵国待遇供与に反対した集会を開き、「人権弾圧が続き、労働者の権利が保障されていない」との批判を行った。

4/13 日産、初の高卒女性課長(朝日):日産自動車の4月1日の人事異動で、高卒入社の女性としては初めて抜擢された課長を紹介。ゴーン次期社長が打ち出した性や学歴によらない実力主義に対応した動きであるとしている。

4/12 FRB議長、日欧の技術革新の壁として硬直的な労働市場を指摘(日経夕刊):グリーンスパン米連邦準備理事会議長は、ワシントンでの講演で、米国に比べ日欧が技術革新の恩恵をうけるのに遅れているのは労働市場の硬直性が原因であるとの見方を示した。

4/12 みずほ、統一人事は実力・成果主義(朝日):第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行が持ち株会社を設立し、経営統合する「みずほファイナンシャルグループ」は、年功序列の給与体系を改めるとともに、「基幹職」と「特定職」という区分を設け、これまでの一般職にあたる特定職の行員でも本店の部長や支店長に昇進できるようにする。

4/12 経団連と日経連、統合を本格検討(朝日):経済団体連合会と日本経営者団体連盟の統合問題が実現に向けて動き出し、連休明けにも経団連と日経連の会長が話し合うと見られている。

4/11 「ものつくり大学」、次代に技術を継承(日経夕刊):来春の開学をめざして製造・建設現場の匠の技を若い世代に引き継ごうとする「ものづくり大学」の設立準備が、国、自治体、産業界の支援により、埼玉県行田市で進んでいる。

4/11 雇用Gメン動く(朝日):雇用保険を受け取りながら、アルバイトや研修・試用をすると不正受給となり、受け取った失業給付の2倍を一括返済しなければならなくなる。不正受給が行われていないかどうかを調査する「雇用保険給付調査官」の話を取り上げている。