2001年3月中旬の労働関連の記事

3/20 司法制度改革審、労働調停制で大筋に合意(朝日、日経):政府の司法制度改革審議会は、裁判を起こす前に労使双方が入った調停委員の下で話し合いによる解決を目指す「労使調停」制度を新設することで大筋合意。他方、裁判官が労使の専門家と一緒に判断する「労働参審制」については賛否がわかれ、今後の審議に委ねられることになった。

3/19 広がる有期雇用、女性に不利益(日経夕刊):雇用契約の反復更新で事実上、正社員と同じような働き方をしていても、正社員との処遇格差はいっこうに是正されない。有期雇用の拡大に対する歯止めの検討の必要を唱えている鹿嶋敬編集委員の記事。

3/19 成果主義賃金、富士通見直し(朝日):富士通は4月から成果主義賃金の見直しをはじめ、プロセスや潜在力を重視した形へと改めていく。近視眼的な取り組みが多くなったり、部門や地域間格差に不満が溜ってきたため。

3/19 大和証券、OLを営業戦力に(朝日):大和証券は来春にも一般職を廃止し、一般職の女性をエリア総合職に切り替え、補助的業務は派遣社員に任せる。商社が行ったようなリストラを見込んでいるという声も上がっている。

3/19 派遣労働法改正の裏で(日経):派遣の自由化を98年の派遣法改正で生まれたおかしな状況を伝える。前半の残業代が出ないという記事に対して、自分が正社員になったことに文句をつけている50代の男性の声は余りにも不自然。

3/19 NEC、通年採用を本格化(日経):NECはIT関連の人材の通年採用を本格し、外国人をも含め毎年100人の枠を設けて採用活動を行う。

3/18 年功賃金にも合理性(日経):成果主義賃金への流れが加速している中で、あえて年功的要素を残す企業も出てきている。習熟度が年々高まっていく仕事には年功制は合理的であり、成果と年功とのベスト・ミックスを各社が探るべきだとする森一夫編集委員のコラム。

3/17 労働訴訟、最多に(日経夕刊):最高裁の調べによると、全国の地裁に起こされた労働関係の民事訴訟は2063件と過去最高を記録。10年前の約3.2倍となっている。

3/17 育児休暇、男性の義務に(日経):政府の男女共同参画会議「仕事と子育ての両立支援策に関する専門会議」は、男性の育児休業義務化などを柱とする両立支援策の骨格をまとめた。

3/16 私鉄6社、4年連続マイナス(朝日、日経):営団地下鉄、小田急などの大手私鉄6社は30歳・勤続12年の標準労働者で4800円の賃上げを組合側に提示した。昨年実績を150円下回った。東急は2年連続でベースアップがゼロだった。

3/16 ドコモとデータ、成果反映で妥結(朝日、日経):NTT労働組合は2年連続でベアゼロで決着。業績の好調なNTTドコモとNTTデータについては賃金の成果反映部分をそれぞれ1000円、500円引き上げることで合意した。これによりNTTグループ内で賃金体系について格差がついた。

3/16 サラリーマン、年収2年連続減(朝日):総務省が発表した2000年の貯蓄動向調査によると、サラリーマン世帯の年間収入は769万5000円と、前年比で2.2%減少。58年の調査開始以来、2年連続マイナスとなるのは初めて。

3/16 4党、国労に訴訟取り下げを要請(日経):国労は自民党など4党と会談し、JRに法的責任がないことを前提とした政治的解決を受け入れることを表明した。会談では訴訟の取り下げを求める意見が出された。

3/16 スターバックス、ストックオプションをアルバイトにも(日経):スターバック洲コーヒージャパンは約1400人の社員とアルバイトを対象にストックオプションを導入したと発表。

3/15 緊急雇用対策、条件緩和し期間延長(日経夕刊):厚生労働省は労使の代表を集め「緊急雇用問題連絡会議」を開き、昨年5月にまとめた緊急雇用対策の延長と各種助成金の支給条件の緩和・見直しに着手することを表明した。

3/15 主要業種、春闘決着(朝日、日経):自動車、電機など主要業種、企業で賃上げ回答があったことを受けての解説記事。朝日は、業種内での企業間格差が広がっている点を、日経は景気の減速感が強まるなかで一時金の増額が相次いでいる点に注目している。

3/15 日経連会長、賃金横並びは経営の問題点(日経):奥田日経連会長は自動車、電機などの賃上げ回答の受けて、ボーナスでは業績格差がついてきているが、賃金は横並びが続いており、日本的経営の問題だと指摘した。

3/15 緊急雇用対策を延長(日経):厚生労働省は雇用情勢が悪化していることに対応し、2000年5月に作成した緊急雇用対策を期間延長する方針。対策には失業率が5%を超えた場合の緊急助成金を含んでいる。

3/15 英失業者数、25年ぶり低水準(日経):英政府統計局が発表した2月の失業率は3.4%、失業者数は99万6000人と1975年11月以来の低水準となった。

3/14 ベア、昨年をやや上回る(朝日夕刊、日経夕刊):IMF・JC傘下の自動車、電機、鉄鋼、造船重機の主要4業種の経営側が賃上げ額とボーナスの一斉回答を行った。JC傘下の組合全体の賃上げ率は4年ぶりに前実績を上回る見通しだ。

3/14 都教委、勤務時間中の組合活動で給与返還請求(朝日夕刊、日経夕刊):東京都教育委員会は、正規の手続きを経ずに勤務時間中に組合活動を行ったとして、3000人余りに計1億3200万円の給与を返還するよう請求した。都教職員組合は不当な処分として反発している。

3/14 武田、好業績でもリストラ(日経):武田薬品工業は50歳以上を対象とした早期退職優遇制度と、35〜49歳を対象とした転身支援制度の二本立てで、早期退職を募る。

3/13 トヨタ、賃上げ7600円で決着(朝日、日経):大詰めを向かえた春闘。トヨタは7600円で決着。造船重機は妥結水準を600円に設定した。

3/13 営業譲渡時の従業員保護ルール検討へ(日経):厚生労働省は企業の営業譲渡における従業員の転籍ルールなどの検討に入った。今回の検討で焦点となっている従業員が譲渡先の企業に移れる「転籍の権利」について解説している。

3/13 崩れる横並び、コロムビア労組闘争離脱(朝日):日本コロンビア労組が、電機連合が設定したベア500円の確保から脱落。赤字が続く会社再建を優先した。

3/13 中小企業労組、賃上げ要求脱一律模索(朝日):長引く不況の中で中小企業の春闘を取り上げ、中だるみの解消や地域ミニマムなど、中小企業労組の模索を紹介している。

3/12 ここが足りない、日本の育児環境(日経夕刊):日本で働く外国人女性に、日本の育児環境の問題点を聞いている。ベビーシッターの確保が難しい、男性の育児意識の低さなどの問題を指摘する声が挙がっている。

3/12 マイカル、希望退職募集枠4時間で埋まる(日経夕刊):経営再建中のマイカルは1700名の希望退職者の募集を4週間に渡って行う予定であったが、初日の4時間で予定人数を超える1730名の応募があり、即日で締め切った。

3/12 電機、ベア500円で決着へ(日経夕刊):電機連合は中央闘争委員会を開催し、ストライキを回避するための最低獲得水準となるベアを500円と決定した。経営側もこれを受ける見込み。

3/11 松下が早期退職制度(日経):松下電器産業とグループ各社は2001年度から早期退職優遇制度を本格導入し、初年度で2000〜3000人規模の早期退職者を想定している。

3/11 NKK、転籍制度2年延長(日経):NKKは、1999年4月から実施していた55歳以上の組合員を対象とする転籍制度を2年間延長する。

3/11 IT技術者、アジアで育成(日経):産業経済省は2001年度からアジアの発展途上国で情報技術分野の技術者を育てる研修事業を開始する。日本から講師や資材を贈り、3年間で各国1000人の研修を実施する。