2001年7月上旬の労働関連の記事

7/10 私はパート、部下は正社員(日経夕刊):パート社員を店長などの管理職に登用した企業の例を取り上げ、その活躍ぶりを伝えている記事。しかし、責任は重くなっても報酬は相変わらずという点は頂けない。

7/10 派遣社員の社会保険(朝日):短期の雇用を繰り返す派遣社員にとって、仕事を辞めるたびに健康保険や年金の切替えを行わなければならないのが頭痛の種。常用雇用を前提とした制度を改善する必要性と、すきあらば社会保険逃れをせんとする労使の意識の問題を取り上げている。

7/10 住金、転籍者の賃金1割カット(日経):住友金属工業は従業員がグループ会社に転籍する際には収入水準を平均1割引き下げる方針を決め、労組に提示した。

7/9 一般職の採用再開(日経夕刊):商社や金融で中止していた一般職の採用を復活させる動きがある。定型的と思われていた一般職の仕事の中に、知識やノウハウの蓄積など簡単には代替できない要素があることが分かってきたことがその理由。しかし、一般職と総合職の賃金格差に手をつける所はなく、働く側からすると手放しで喜べる状況ではないとしている。

7/9 法定雇用率、算定に精神障害者も(朝日夕刊):坂口厚生労働大臣は企業に一定の障害者を雇うことを義務づけている法定雇用率を算定する際に、精神障害者のカウントを検討していることを明らかにした。

7/8 「人材フリーズ」どう解凍(日経):優秀な人材をうまく活用するためには、個を縛る土壌を改革することが必要だと言われる。それを可能とするのは経営側の「泥臭い努力」であり、制度改革であるとする森一夫編集委員によるコラム「経営の視点」。

7/7 トヨタのカナダ工場、労組加盟を巡り投票(日経夕刊):トヨタ自動車のカナダ・オンタリオ工場で6日、従業員らがカナダ自動車労組(CAW)への加盟の是非を問う投票を開始した。日本の自動車メーカーの北米現地生産拠点では労組加盟が承認されたケースはなく、承認されれば初の組織化となる。

7/7 米失業率、4.5%に上昇(朝日、日経):米労働省が発表した6月の雇用統計によると、失業率は前月から0.1ポイント上昇し4.5%となった。また米大手の人材斡旋業者によると今年の1〜6月の米企業の人員削減数は77万7362人で、調査開始以来、最悪となった。

7/7 日本の予感、改革の光と影・1(朝日):「痛みを伴う改革」を占うために、ニュージーランドや日産の改革を紹介し、その成果の部分と負の部分を紹介。改革の成功への熱い期待を寄せるととともに、他方で社会的弱者へとその痛みが転化されている厳しさを記している。改革の是非に関して執筆者にとってもまだ答えが出ていないようで、論旨が輻輳している。

7/7 日本IBM、e-work制度(朝日):自宅のパソコンで仕事ができるのなら週の中に家で仕事をしてもよいという日本IBMの「e-work」制度。実際に利用している人の声を紹介し、その制度の利点を挙げている。

7/6 大学での職業訓練合意(朝日夕刊、日経夕刊):厚生労働省と文部科学省は教育・労働政策分科会を開き、大学・大学院で失業者向けの職業訓練を実施するなど社会人の再教育・再訓練を推進していくことで合意した。

7/6 労働経済白書、IT化と雇用を分析(日経夕刊):厚生労働省は2001年度の労働経済白書を発表した。今年の労働白書では、IT化によって雇用にどのような影響を与えているかを分析。IT化に伴う中間管理職の不要論を否定し、「むしろ中間管理職の重要性が増す」としている。

7/5 トヨタ、サービス残業で是正勧告(朝日夕刊、日経夕刊):名古屋北労働基準監督署は昨年12月、トヨタ自動車の国内営業部門などでサービス残業があったとして、同社に是正勧告をしていたことが明らかになった。トヨタはこの勧告を受けて、83人に1000万円の不払い賃金を払った。

7/5 生協も能力給導入(日経夕刊):各地の有力生活協同組合で職員の賃金制度に成果主義を導入する動きが相次いでおり、これまで職員や組合員の平等を重視してきた生協にも競争の流れが出てきている。

7/5 武田薬品工業は、事業部門に連動した賞与制度を導入。各事業部の業績によって支給額に差をつけることで、業績向上を促し、損益管理を徹底するのが狙い。

7/5 少子化に2段階改革急務(日経):少子化の背景にある子どもを生み育てるコストの制約があるとして、産み育てる選択を制約するゆがみを取り除く改革と、人口変動から中立的な社会保障制度の構築という2段階で改革を行うべきだとする経済教室。

7/5 ヘルパー不足(日経):都市部を中心部で介護ヘルパー不足が深刻化している。重労働にもかかわらず介護報酬の低さなど、介護ビジネスの抱える問題を伝えている。

7/4 2001年公務員白書、女性の採用・登用拡大を(日経夕刊):先頃発表された公務員白書では「公務における男女共同参画の実現を目指して」と題して、女性の採用・登用拡大を訴えている。執筆者の一人である菊池敦子人事院企画課長に、そこに込められた思いを聞いている。

7/4 ストックオプション、5社に1社(日経夕刊):日本の大企業でもストックオプションを導入する企業が増えており、上場企業の5社に1社が導入を終えている。成果主義の賃金の一環として導入する企業も増えてきている。

7/4 郵政職員、2万人削減(日経):総務省・郵政事業庁は現在約30万人いる郵政事業省野職員を、今後5年以内に2万人以上削減する方向で労働組合との調整に入った。早期退職制度の活用や新規採用の大幅縮小などの手段で削減に当たる予定。7/7の朝日に同記事。

7/4 構造改革の「痛み」、官民に認識差(朝日):不良債権処理に伴う「痛み」を表すのは、失職者か失業者か。政府が失業者の数値を示し、少なめに見積もっているのにたいして、民間の研究所などは「都合よすぎる」と批判している。

7/3 正社員が消えていく(日経夕刊):雇用形態の多様化が進み、女性の正規従業員が消えていく状況を描写。しかし、鹿嶋敬編集委員が作ってきた日経家庭欄の伝統をぶち壊しかねない皮相な記事。

7/3 企業再編、労組に積極容認増加(日経):厚生労働省がまとめた「労働組合活動実態調査」によると、ほとんどの労組が企業再編に理解を示し、約2割の組合は「生き残りのために必要」と考えていることが明らかになった。なお、賃金・退職金制度に関して、実力主義を反映した賃金制度の改定に当たっては多くの労組が「公平さ」を求めている姿が明らかになった。

7/3 大企業の中高年、自己の市場価値を過大評価(日経):アンダーセンがまとめた「ビジネスマンの市場価値と転職に関する意識調査」によると、大企業の中高年社員が転職する場合の自身の市場価値について、平均で現在の年収プラス106万7000円と見ており、若手社員に比べ自身を高めに評価していることが明らかになった。

7/3 米雇用、厳しさ増す(日経):求人広告指数が9年ぶりの低水準、求人・失業者比率も94年以来の悪さを示し、米国の雇用情勢が悪化している。

7/2 定年からの挑戦(日経):働く環境が大きく変わっていく中で、定年を第二の人生の出発点として新たな試みに挑戦している元サラリーマン達を論じている。

7/2 東京・大田区、ネットで世界へ(日経):集積に綻びが見えつつも、それをインターネットで再編しようとしている大田区の企業の取り組みを紹介している。

7/1 会社分割、自分の部署だった(朝日):商法改正と労働契約継承法で会社分割が容易になったことをうけ、不採算部門の会社分割を行う企業が出始めている。本人の同意を必要とせずに、「モノ同然」に遇される会社分割の問題点を取り上げている。

7/1 自動車部品のモジュール化、再編促す(朝日):モジュール化を機軸とした自動車部品業界の再編を取り上げている。

7/1 広がる企業の成果主義(日経):成果主義の導入が進む状況を、「人材流出」防止の観点から説明した「エコノ探偵団」。