2000年7月中旬の労働関連の記事

7/19 雇用ミスマッチ、中途採用はやはり「手に職」(朝日、日経):経済産業省とリクルート・ワークスが調べた雇用ミスマッチに関する報告書によると、技術・設計・情報技術関連などの専門・技術職や営業職では人材不足感が強いのに対して、企画・管理職などのホワイトカラー系の職種は供給過剰気味であることが明らかになった。

7/19 日立、半導体工場で一時帰休(日経):日立製作所は国内3ヶ所の半導体主力工場で8月に5日から14日間の生産を休止すると発表。一時帰休の間は基本給の約8割を支給することになる。

7/19 「団交に誠意を」、帝京大に命令(朝日):帝京大学が誠意をもって教職員との団体交渉に応じるよう命じた中央労働委員会の命令を取り消すよう求めた裁判で、東京地裁は請求を棄却し、同大学に中労委の命令に従うよう命じる判決を下した。

7/19 筑豊じん肺訴訟、「国に責任」(朝日夕刊、日経夕刊):福岡県筑豊地方の炭坑で働きじん肺にかかった人たちとその遺族が国や企業の責任を求めて争っていた裁判で、福岡高裁はじん肺訴訟で初めて国の責任を認めるとともに、三井鉱山らの企業に対しても損害賠償の時効を認めない画期的な判決を下した。

7/19 「数学入試」選択者、所得も転職も有利?(朝日夕刊):京都大学の西村和雄教授らは、大学の入試科目で数学を選んだ人は、選ばなかった人に比べ、卒業後の所得も高く、転職でも有利という調査結果報告書をまとめた。

7/19 失業給付延長、失業者ユニオンが訴え(朝日):失業者ユニオンは各政党に「失業者手当の給付日数拡大」に関するアンケート調査結果を明らかにし、自民・自由党が賛否を明らかにしなかった以外は、与野党を問わず賛成としていた。

7/19 松下、ボーナスで20万円自社製品(朝日):松下電器は課長級以上の幹部社員に対して夏のボーナスで自社製品の購入を事実上強制する「バイ・ナショナル/パナソニック運動」を始めた。これまでも同様のことはあったが、今回は領収書まで提出させるという徹底振り。

7/18 産業集積10地区、海外移転1割超す(日経夕刊):日本経済新聞社の調査によると、諏訪や浜松など組み立て産業が集積する全国10地区の中堅・中小企業の13.3%が海外生産し、前回調査の5.2%から急増していることが明らかになった。

7/18 いすゞ、希望退職募集即日締め切り(朝日、日経):いすゞ自動車は700名の希望退職者を募集したところ、即日で予定数を上回る740人が応募してきたとして、募集を打ち切ったと発表した。

7/18 失業予防、万能ならず(朝日):この参議院選挙の争点の一つとして「雇用問題」を取り上げ、政府が掲げるセーフティーネットと有期雇用の拡大について検証。各党政策などを紹介している。

7/17 有期雇用、最長5年に(日経夕刊):政府の総合規制改革会議は有期雇用契約の期間を最長5年にするなどを柱とする基本方針案を大筋で了承した。

7/17 新卒、目立つ契約・派遣(日経夕刊):契約社員や紹介予定派遣など、新卒で非正規社員として働く人が増えている。女性新卒に多く、いったん非正規社員を選ぶと将来的な展望が開けなくなると警鐘をならしている。

7/17 パート・派遣の労働権利、現実との「差」痛感(朝日):パート、派遣など、正社員でないために不利益を被っている状況を、読者の投書から再構成している。

7/17 痛みを知る人々・5(朝日):山一証券は潰れても、元社員たちの人間関係が切れたわけではない。「会社消えて人脈残した」と題して会社を通して得た人間関係を肯定的な側面から描いている。

7/17 松下、女性社員と意見交換会(日経):松下電器は女性社員と経営幹部との意見交換会を開いた。女性社員からは「女性社員を長期的に育てる制度がない」などの意見が相次いだ。

7/16 電機連合、職種間賃金格差容認へ(朝日夕刊):電機連合は賃金モデルに、従来の「高卒、35歳、技能職」から「大卒、30歳、事務・技術職」に変更し、職種ごとに賃金水準を設ける方針を固めた。

7/16 フォード、年齢差別訴訟で人事制度見直し(日経):高齢者から年齢差別で裁判を起こされていたフォードは、人事評価制度を見直し、ABCの三段階の一定比率で最低のCを出すように指示していたのを止めることを従業員にメールで通達した。

7/16 定年なんていらない(日経):定年を意識し揺れ動く高齢に達したサラリーマン。定年の「強制解雇」的側面が人々にどう感じられているかを紹介した連載「サラリーマン」。

7/16 韓国、IT技術者日本で就職(日経):韓国政府は国内の失業者にIT関連の教育を施し、日本企業へ就職させる「IT就職支援事業」を始める。

7/16 痛みを知る人々・4(朝日):幾度かの転職を繰り返した外資系企業経験者が語る仕事観を「外資系で学んだ自己責任」と題して紹介している。

7/15 痛みを知る人々・3(朝日):元部下の自殺を経験したサラリーマンが、早期退職を契機に産業カウンセラーを目指す姿を紹介している。

7/15 興銀報告書、労働市場の多様化を(朝日):日本興業銀行は、正社員の解雇条件の勘話やパートの雇用環境の改善などが、今後の失業問題に関して重要な課題であるとするレポートをまとめた。

7/15 雇用助成金、中小向け縮小(日経):厚生労働省は「中小企業雇用創出人材確保助成金」の見直し案をまとめ、助成率を現在の1/3から1/4へ、助成期間も1年から半年へと切り下げる見直し案をまとめた。

7/14 痛みを知る人々(朝日):小さな証券会社に勤務する中高年男性4人が、相互扶助的な約束をかわし互いにまとまって転職した話を「おれたちのセーフティーネット」と題して紹介。

7/14 セイコー、退職金を廃止へ(日経):セイコーは今年度内を目度に退職金制度を廃止し、退職金分は年収に上乗せする。成果主義の徹底や、中途採用者の待遇改善がそのねらい。

7/14 松下、早期退職募集へ(日経):松下電器産業は早期退職を募集する方向性で、組合との協議に入った。7/17の朝日に同記事。削減の規模を5000人としている。

7/14 いすゞ、希望退職者募集(日経):いすゞ自動車は経営再建計画で実施することを予定している希望退職について、対象を32歳以上で勤続10年以上の事務系、技術系社員とすることを決めた。

7/14 今後2年で、失業20万人(日経):東京商工リサーチは政府の不良債権最終処理案で、今後2年間で20万人の失業者が発生するとの試算をまとめた。

7/13 米、労働者監視報告所発表(日経夕刊):米国務省が発表した2000年版の「労働者監視報告書」では、日本政府は不当な労働状況を摘発しようとしながらも、監視が徹底していない「第二レベルの国」に位置付けられている。

7/13 NY市、先生を急募(朝日夕刊):米国では低い給与や、苛酷な労働で教員志望者が少なくなっている中、定員の1割が欠員となっているニューヨーク市では、9月までに急拠8000人の教員を募集すると発表した。

7/13 機長の遺族、労災申請(朝日、日経):飛行機を操縦中に小脳出血で死亡した機長の遺族が、労働基準監督所に過労死が原因だったとして労災を申請した。

7/13 育休明けたらクビ(朝日):不況やリストラが進む中で、妊娠や出産を契機として会社を辞めさせられたり、配置転換や転勤を求められるというケースが増えているとして、その具体的なケースを紹介している。

7/13 痛みを知る人々・1(朝日):倒産の憂き目にあいながらも、今年の5月に独立して人材紹介会社を設立した山一証券の元課長の目を通して、改革が求める痛みについて考えさせる。

7/13 私鉄総連、執行部提案を否決(朝日):私鉄総連は、執行部が提案していた運輸労組、交通労組、全自交労連との産別合同案を大会で否決。2003年に組織統合し、「交通運輸連合」(仮称)を結成するという計画に大きなブレーキがかかった。

7/13 鴻池組、700人削減(日経):4期連続で連結最終赤字を計上している鴻池組は、10月をメドに従業員の2割に相当する約700人の希望退職者を募集することを決めた。

7/12 改正雇用法、年齢制限「骨抜き」指針(朝日):求人や採用時に「40歳以下」などの年齢制限をしないよう企業に努力義務を課す改正雇用対策法が10月から施行されるのに先立ち、厚労省は例外的に年齢制限が認められる10項目の指針をまとめた。「定年まで働ける年数が短い」や「年功賃金なので賃金が割高になる」との例外が幅広く盛り込まれ、特にこの二つは事業主側の主張を最後になって採り入れたもので、実質的に骨抜きとなるという批判の声も上がっている。

7/12 デモ準備する「反グローバル派」(朝日):20日からのサミットを向かえるイタリア・ジェノバは戒厳令下のような様子。「反グローバル」派が10万人の大量動員を予定していることを受けての措置である。反グローバルを唱える抗議行動の動向について紹介している。

7/12 厚労省、留学生の就職を支援(日経):日本での就職を望む留学生が増える中、情報不足に悩む留学生に対する支援に乗り出し、NPOや経済団体などで連絡協議会の設置することが決まった。

7/12 風の狭間、参院選・1(日経):「改革」に共感を呼ぶ中、公共事業の存廃で揺れる地方では雇用への危機感が募っている。

7/12 NTT東西、10万人削減(日経):NTT労組は、経営側から出されていた約10万人を新設子会社に転籍・出向させる合理化策を大筋で受け入れる方針を固めた。

7/11 派遣トラブル、労働条件の悪化目立つ(日経夕刊):派遣労働ネットワークなどが実施した「派遣トラブルホットライン」に寄せられた相談138件のうち、契約の途中解除・更新の打ち切りが最も多く37件を占め、続いて賃金・休暇など労働条件関連、雇用保険・社会保険関連であった。

7/11 夏のボーナス、3.4%増(日経):日本経済新聞社がまとめた今夏のボーナス調査の最終集計によると、一人あたりの支給額は前年夏比3.40%増の74万4158円となり、2年連続で前年実績を上回った。ただし、決定時期や方式別に見ると、昨秋に昨冬と今夏のボーナスを決めた企業が、今春から夏にかけて妥結した企業よりも高い伸び率となっており、年末ボーナスは「大幅減」の可能性もあるとする経済アナリストのコメントを載せている。

7/11 日本の予感・競争か、結果の平等か?(朝日):これまで貧富の格差が小さかったと言われる日本でも大きな格差がうまれつつある。格差が当り前の米国と、全体の底上げを目指すスウェーデンとも対比させながら、現在言われている「改革」がどこを目指すのかを問うている。