2002年3月中旬の労働関連の記事

3/20 厚労相、ワークシェア検討会議の議論に不満(朝日):坂口厚生労働大臣は政労使によるワークシェアリング検討会議について、今勤めている人を減らさないようにする議論に終始しており「こぢんまりとまとまりかけている」と不満を示した。緊急避難型のワークシェアリングの議論が前面に出る中、大臣としては新たな雇用を生むワークシェアリングに取り組みを重視する立場から批判となった模様。

3/20 育児支援制度導入、企業に最高40万円(朝日):厚生労働省は育児支援のためのフレックスタイム制や、介護休暇などを採り入れた企業に最高40万円の奨励金(育児両立支援奨励金と看護休暇制度導入制度奨励金)を新たに設けることを決めた。

3/20 コマツ労組、異例の定昇削減要求(日経):コマツ労使は2002年春闘で定期昇給維持分を3300円下回る2900円の賃上げすることで妥結。労組側はベースアップ要求のみならず定期昇給も削り込む異例な提案をした結果。

3/20 東芝・三菱地所、ネットで就職試験(日経):東芝と三菱地所は今春から、新卒採用者の筆記試験をインターネット上で実施する。採用コストを抑え、優秀な人材を幅広く募る。

3/19 再就職へ派遣登録、主婦に「空白の壁」厚く(日経夕刊):子育てなどのブランクを経て、再就職しようと派遣会社に登録してもなかなか仕事が見付からない。そうした事情を、派遣会社の立場から伝えている。

3/19 地方公務員の給与、10都県でカット(日経):自治体の給料カットが一般職員にも広がっており、鳥取県が過去最大の5%カット、都も4%カットの継続をする方向で継続協議に入っている。日経の調べでは10の都県で給与カットの方針を固めている。

3/19 鉄連会長、春闘を総括(日経):千速晃日本鉄鋼連盟会長は今春闘を振り返り「日本経済を再生させていくうえで、一つの道筋ができた」と総括した。

3/19 連合に辛口批評(朝日):労働運動に外部の声を反映させるために連合が設けた評価委員会の初会合が開かれたが、評価者たちからは「哲学がない」、「勉強不足だ」などの指摘がなされた。

3/18 日本企業の女性活用策(日経夕刊):日本企業の中にも女性の積極的登用を目指す、ポジティブ・アクションに取り組む企業が出てきた。目に見えるような成果はまだまだわずかであるが、ポジティブ・アクションによって変わりつつある職場の状況を伝えた鹿嶋敬編集委員の記事。

3/18 NEC、管理職の職務や報酬を社内で公開(日経):NECは4月から役割に応じた賃金制度に移行するのにあわせて、課長級以上の約1万2千人の管理職の業務内容や責任範囲などを社内ネットワークを通じて全社に公開する。

3/17 トヨタ、ゼロベアの重み(日経):ゼロベアなど賃金改革で従業員に痛みを強いた次は、経営者の力量が問われ、その責任がますます重くなるとした水野裕司編集委員によるコラム「経営の視点」。

3/16 ドイツNPO、家族に優しい企業を認定(日経夕刊):育児支援など従業員とその家族に対するその優しさをNPOがチェックし、認証するという試みがドイツで広まっていることを紹介している。

3/16 高校生の就職内定率、最悪の75.7%(朝日、日経):就職希望の今春の高校卒業予定者の内定率が1月末時点で75.7%と過去最悪になったことが厚生労働省の調べで明らかになった。前年同期を4.8ポイント下回り過去最悪となった。

3/16 連合会長、経営側を批判(朝日):連合の笹森会長は、大手電機各社が相次いで春闘の回答直後に定期昇給の凍結したことについて「春闘の否定と見られても仕方がない」と経営側の姿勢を否定した。

3/16 東芝も定昇凍結提案(朝日):東芝は従業員のうち定期昇給部分を4月から凍結する緊急対策案を組合に提出したと発表した。

3/16 賃金の構造改革、加速(朝日):ゼロベアに加えて、定期昇給の見直す流れが出てきたことを伝え、その背景にある経済状況を伝えている。

3/15 NECや松下など電機大手、定昇凍結へ(日経、朝日夕刊):今3月期決算で大幅な赤字を計上する見込みの松下電器やNECなど電機大手各社は、全社員の賃金について、定期昇給部分の支出の凍結やカットする方向で協議に入った。定昇維持の決着がついた直後の再交渉となり、春闘の形骸化を象徴する出来事となりそうだ。

3/15 NTTドコモ、300円の賃上げ(朝日、日経):民間最大の単一労組であるNTT労組は経営側と賃上げ・一時交渉で妥結。主要8社はベースアップゼロであったが、NTTドコモは成果手当部分で2000円要求に対して300円、NTTデータは1000円要求に対し500円の賃上げが認められた。

3/15 大手私鉄4社、4000円賃上げ回答(日経):京浜急行、京王、小田急、京成の大手私鉄4社は、30歳勤続12年の標準労働者で4000円の賃上げを組合に回答。西日本鉄道は3000円で、いずれも全年実績を800円下回った。

3/15 2010年日本は?・堅実なモノづくり社会(朝日):中沢孝夫姫路工業大学教授へのインタビュー。現在の日本の製造業を取り巻く問題を解決するための処方箋を若干過激な形で論じている。

3/14 日立、賃金5%下げ提示(朝日夕刊):日立製作所は従業員の賃金について早ければ4月からの1年間、5%引き下げる方向で組合側と交渉に入った。「業績回復のための緊急対策」として異例の春闘回答直後の再度の交渉入りとなった。

3/14 日本の男性、家事時間最低(朝日夕刊):米ミシガン大学が発表した日米欧7カ国の1日の時間の使い方調査の集計によると、日本は男性の家事労働にあてる時間が週4時間で最下位となった。

3/14 ゼロベア春闘をどう見るか(朝日、日経):ゼロベア回答が続出した今回の春闘をどう見るか、各紙とも解説記事を載せている。また今回の春闘について日経連会長は「90点」と高い評価を与えたが、連合会長は闘い方に対する「反省」の弁を述べている。

3/14 ヨーカ堂、全管理職を社内公募(日経):イトーヨーカ堂は役員を除く全管理職、約3800のポストを対象にした社内公募制を導入。正社員だけでなく、パート社員も応募することができる。朝日3/15に同記事。

3/14 富士通労使、ワークシェアに合意(日経):富士通は3月22日から組合側と半導体部門の工場従業員4000人を対象にワークシェアリングを導入することで労使が合意。交替勤務を4班2交代から6班3交代に改め、一勤務の労働時間を12時間から8時間に短縮する。

3/14 住金、臨時休業拡大を提示(日経):住友金属は人件費抑制を目的に2002年度から臨時休業の拡大を組合側に提示した。これによって組合員の年収は約2%減ることになる。

3/14 金型技術流出、泣く町工場(朝日):高い技術力を誇る日本の金型業界だが、設計図面や加工データのアジアへの流出により空洞化の危機に瀕していることを伝えている。

3/14 EU、労働市場の統合狙う(朝日):欧州連合(EU)は、各国共通の社会保険カードの発行や社会人の語学教育の拡充など、労働市場の統合を目指す新雇用政策を打ち出した。

3/14 高校生の就職難(朝日):高校生の就職が厳しくなる中、積極的な取り組みを進める高校や、「1人1社制」の見直しについての教育界からの反応などを伝えた「わたしの視点・その後」。

3/13 製造業、ベアゼロ続出(朝日、朝日夕刊、日経、日経夕刊):春闘相場をつくる自動車、電機、造船重機、鉄鋼など主要製造業4業種で、経営側の集中回答があった。日産を除く自動車や造船重機でゼロベアとなり、要求からベアを降ろしていた鉄鋼や電機もあわせてのきなみ、ベアゼロ回答となった。

3/13 問われるパート労働・下(朝日):生活を維持するために複数の職場をかけもちで働くパートが増えていることを伝える一方で、パートを戦力として積極的に活用する企業が現れていることを伝えている。

3/13 不況業種、職種転換進まず(日経):建設業、金融・保険業など不況業種では雇用の吸収力が低下しているにもかかわらず、職種転換が進まず同業に再就職せざるをえないという実態が内閣府のまとめで明らかになった。

3/13 IT企業、転職者浸透(日経):経済産業省の調査によると、総合電機大手などIT関連の主要企業で、事務系社員の採用の4分の1が中途採用だったことが明らかになった。

3/12 厳しさ増す女性フリーター(日経夕刊):就職難の中でフリーターにならざるをえなかった女性たち。正社員としての就職を望んでいるものの、この不況化で正社員の道はますます難しくなっていることを伝えている。

3/12 金属大手4業種の春闘状況(朝日、日経):電機では定昇を確保したが、自動車のトヨタではベア分をめぐって暗礁に乗り上げている。また造船重機でもベア獲得が難しくなっている。

3/12 日立など、来春の新卒採用抑制(朝日、日経):電機・情報大手は2003年春の新卒採用を相次いで抑制する。日立と東芝はそれぞれ18%減の800人、32%減の500人に抑えると発表した。いずれも3年ぶりの低水準となる。

3/12 問われるパート労働・中(朝日):組合を作ったり、コミュニティーユニオンに加盟するして自らの労働条件の改善に取り組む非正規労働者の姿を紹介している。

3/12 ヒルトン東京に、未払い賃金支払い命令(朝日):不利な労働条件に同意しなかったために配膳係を解雇された4人が地位確認を求めていた裁判で、東京地裁は「社会通念上問題がある」として原告の地位を確認し、未払い賃金3300万円余りを支払うよう命じた。

3/12 就職人気企業、文系男子はトヨタ1位(日経):毎日コミュニケーションズが発表した2002年度就職人気企業ランキングで、文系男子の第1位にトヨタ自動車が初めて選ばれた。文系女子のトップはJTB、理系男子はソニー、理系女子は資生堂で、昨年と同じ。

3/12 IBM、ネットで福利・厚生情報(日経):日本IBMは社員とその家族を対象に、インターネットを活用した育児、高齢者介護、健康などの福利厚生関連の情報提供サービスを始めた。背景には優秀な社員を確保するためには家庭生活の支援体制が不可欠との判断がある。

3/11 2002春闘、ホワイトボード「文字」主役(日経夕刊):多くの組合がベア要求を見送ったことを受けて、春闘の集中回答日に交渉結果を伝えてきたIMF・JCのホワイトボードから数字が消え、「雇用協定締結」や「定昇確保」などの文字が主役になりそうだと伝えている。

3/11 雪印食品一般労組、解雇無効を申し立てへ(日経夕刊):雪印食品の社員と元パート職員らでつくる雪印食品一般労組は、会社解散に伴う解雇の無効を求めて、地位保全の仮処分を札幌地裁などに申請する方針を固めた。同労組は連合系の労組から脱退し、92年に設立された組合。

3/11 女性管理職、指導力磨く(日経夕刊):21世紀職業財団が先日開いた初の女性管理職研修の様子を伝えている。

3/11 都高教組スト、35校で自習に(朝日夕刊):東京都教委が公立学校の教頭と教員の間に新たな主幹職を設ける方針を決めたことについて、東京都高校教職員組合は反対の意思を示すストライキをした。

3/11 三菱地所、ネットで入社試験(朝日):不動産大手の三菱地所が昨年まで筆記で実施していた新卒者の入社1次試験を、インターネットで行うことを決めた。ネットに接続すれば、試験期間内に、いつでもどこでも受験できる。

3/11 外国人春闘のシンポ(朝日):春闘に合わせて、外国人労働者の待遇改善などを企業や国に申し入れる「生活と権利のための外国人労働者一日行動」が始まって10周年を記念するシンポジウムが開かれ、外国人労働者や支援者ら約100人が参加した。

3/11 企業、契約社員志向じわり(日経):厚生労働省の調べによると、正社員を減らし契約社員を増やす企業は全体の2割と、契約期間の規制緩和を見込み契約社員志向の企業が増えてきていることが明らかになった。

3/11 アルバイトやフリーター、就業意識は男女で対照的(日経):人材派遣会社「フルキャスト」が同社に登録している学生アルバイトやフリーターの意識を調査したところ、男性は「下積み」、女性は「自由」という対照的な意識を有していることが明らかになった。

3/11 トヨタ賃上げ、7000円軸に大詰め調整(日経):トヨタ自動車の賃上げ交渉は7000円を軸に大詰めの調整法に入った。

3/11 ローム、来春新卒社員に1年ごとに雇用契約(日経):電子部品大手のロームは来春採用する新卒社員の一部に、雇用契約を1年ごとに更新する新しい制度を導入する方針を明らかにした。主に大卒社員が対象で、正社員として扱い、福利厚生などの待遇は変えずに管理職にも起用する。