2002年7月上旬の労働関連の記事

7/10 サービス残業代請求、実質勝訴(日経夕刊):教育関連事業会社サンマークに勤めていた女性が未払いサービス残業代などの支払いを求めて起こしていた訴訟で、和解が成立。原告に対して謝罪と247万円の支払うなどの条件となっており、実質的に原告の全面的な勝訴となった。

7/10 来年の失業率、6%(日経):OECDがまとめた加盟30ヶ国の雇用見通しによると、日本の失業率は今年が昨年よりも0.8ポイント高い5.8%、来年は6.0%となるとの予測となっている。

7/10 失業率、米国定義だと低数値(日経):昨日発表された厚生労働省の『労働経済白書』では、米国の定義を用いた失業率を試算しており、それによると5.0%であった昨年8月の日本の失業率は4.2%とになるという。80年代に日本の失業率は低く出るという平恒二氏の見解に端を発した論争があったが、高く出るという見解は初めてではないか。

7/10 独、雇用情勢が悪化(日経):ドイツ連邦雇用庁が発表した6月の失業率によると失業率は9.5%、失業者は前月より7900人増加し、3ヶ月続いた減少傾向から増加に転じた。

7/9 02年版労働経済白書公表(朝日夕刊、日経夕刊):厚生労働省は2002年版の労働経済白書を公表。デフレの長期化の中で、賃金の下方硬直性のため企業は正社員の削減が進んでいると指摘し、それが失業率の増加につながっているとの見方を示している。

7/9 高卒支援、学校と連携(朝日):深刻な高卒新卒者の就職状況を踏まえて、ハローワークが学校と連係した支援に乗り出した。その現状と課題を伝えている。

7/9 「結果の不平等」、日本は是正を(朝日):来日中のILOの平等・雇用部の部長と課長に111号条約に批准していない日本の問題点を聞いている。参照、日経夕刊7/4

7/9 5年で1900万人、転職が必要(日経):厚生労働省の「雇用政策研究会」は、産業構造の変化により2006年までの5年間で約1900万人の正社員の転職が必要となる試算をまとめた。

7/9 海外の邦人社員、6割がアジアに(日経):厚生労働省がまとめた2001年産業労働事情調査によると、正社員30人以上の企業で海外勤務をしている日本人社員の約6割がアジアに集中していることが明らかになった。

7/8 強まる女性社員の専門職志向(日経夕刊):財団法人21世紀職業財団がまとめた意識調査では、企業内専門職を望む女性社員が高い割合となっていた。しかし企業の位置付けは曖昧で専門職をめぐる企業と女性の意識のギャップを伝えている。

7/8 厚労省研究会、外国人労働者受け入れ提案(朝日):外国人労働者の受け入れ策について厚生労働省の研究会が報告書をまとめ、高度な能力を持った外国人については手続きを軽減するとともに、労働力不足に対しては移民の受け入れの可能性も視野に入れたものとなっている。

7/8 大手製造業、国内正社員減らす「72.9%」(日経):大手製造業の経営者に対して日経が行った調査によると、国内の正社員に限ると全体72.9%が「減らす」と答えており、正社員を中心にして雇用調整が今後も続くことが明らかになった。

7/8 社内転職へ、キャリアアドバイザー(日経):NECは社内転職に向けて能力開発や職歴形成について助言するキャリアアドバイザーを設ける。背景には成果主義に対する社員のなかでの戸惑いがあるとしている。

7/8 派遣へて正社員(日経):紹介予定派遣を経て正社員になった転職者の事例を紹介した連載「転職の現場から」。

7/8 松下電工、出社は週に2回まで(日経):松下電工は販売子会社にSOHO型の勤務体系を取り入れ、営業担当者の「出社」を週二回に減らしあとは直行直帰の勤務方式とする。

7/7 伊雇用改革、妥結へ前進(日経):イタリアのベルルスコーニ首相は企業による解雇を制限している労働法18条の一部を修正することに関して、最大のナショナルセンターCGIL以外の2つのナショナルセンターと合意。4月には8時間ゼネストが行われた雇用改革問題が妥結に向けて動きだした。

7/6 人権などに配慮、投資の判断に(日経夕刊):環境や人権に配慮する企業を資金面から応援するSRI(社会責任投資)。女性の雇用差別解消への取り組みを積極的に評価対象にするなど職場での機会均等を進める一手段としての役割が期待されている。

7/6 米労働市場、なお明暗交錯(日経):米労働省が発表した6月の失業率は5.9%で前月より0.1ポイント上昇。他方で新規失業保険申請者数は5週連続で40万人以下を記録し、米国労働市場では明暗材料のまだら模様の状況がつづいている。

7/5 失業認定、年内に厳格化(朝日、日経):厚生労働省は、資金難に陥っている雇用保険財政を改善するために、不正受給を減らすのを目的として、失業手当てを給付する際の認定を厳しくする方針を決め、厚生労働省政策審議会雇用保険部会で了承を得た。

7/5 JT、たばこ8工場閉鎖(日経):日本タバコ産業は国内25の工場のうち8工場を閉鎖。閉鎖した工場の社員約820名は配置転換や希望退職で対応する予定。

7/5 職業紹介、都道府県に解禁(日経):今後2〜3年の雇用政策の基本指針となる「雇用政策研究会」の報告書案が明らかになり、現在、国が一括して行っている公的職業紹介業務を都道府県に解禁することを検討。また「解雇ルール」の法律での策定も提言する。

7/4 競争が機会均等推進(日経夕刊):ILO東京支局は「仕事における平等:グローバル時代の人権と日本の課題」と題したシンポジュームを開催。NTTドコモの相談役が競争によって男女差別なくなった強調。またILOの本部役員は日本に対してILO111号条約(雇用における差別禁止条約)の批准を求めた。

7/4 NTT、労組もリストラ(朝日):民間再大の単一労組、NTT労働組合は組合員から毎月徴集する組合費を10月から引き下げる方針を提案。多くの組合員が低賃金の子会社に転籍されたことに伴う措置。

7/3 多様な働きがい、どう実現(日経夕刊):一年に渡って生活欄で連載されてきた「働き方いろいろ」の最終回。ようやく緒についた多様な雇用形態で働く女性達の積極的登用について伝えている。

7/3 電機連合、職種別の賃上げ要求(日経夕刊):電機連合は定期大会で、春闘の賃上げ要求基準を職種別にする方式の導入を提案した。今後、傘下組合における職種別賃金の実態調査を行い2006年にも導入したい意向。7/4の朝日に同記事。

7/3 人員リストラ実施企業、半数が「士気低下」(日経):日本労働研究機構が発表した「事業再構築と雇用に関する研究」によると、人員リストラを実施した企業のうち、半数が従業員の士気低下を招き、3分の1は優秀な人材が流出したと感じているということが明らかになった。

7/3 職場の昼寝、仕事にプラス(日経):米ハーバード大のグループは30分から1時間の昼寝程度でも非常に作業能率があがるとの実験結果を発表した。

7/3 日本ケミファに配転撤回を命令(日経):製薬会社日本ケミファの社員が研究開発部門から工場に配置転換されたのは不当労働行為だとして「全労連全国一般日本ケミファ労働組合」が救済を訴えていた件で、埼玉地方労働委員会は不当労働行為を認定。原職復帰の救済命令を出した。

7/3 信金不正金融解明へ情報漏えい、解雇無効(朝日):不正融資解明のために内部資料を漏えいしたことを理由に宮崎信用金庫を懲戒解雇された元労組副委員長二人が解雇無効を訴えていた裁判の控訴審で、福岡高裁宮崎支部は解雇を無効とする逆転判決をくだした。

7/2 欧州パート最前線・下(日経夕刊):長時間労働の風土が根強いイギリスでもパートで働く人たちが増え、2000年にはパートの不利益取り扱いを禁止する法律も施行。そうしたイギリスのパート事情を伝えている。

7/2 IT投資、雇用150万人創出(日経夕刊):政府が発表した「情報通信白書」は情報通信関連の投資が2000年には民間設備投資の2割以上を占め、150万人の雇用創出となった分析している。朝日7/3に同記事。

7/2 あさひ銀行、一般職廃止(朝日、日経):あさひ銀行は一般職と総合職の区分けを廃止し、一般職として入行した女子職員にも支店長など幹部に登用する道を開いた。

7/2 無休避け、「在宅」「有給」(朝日):生活費を心配せずに介護と両立できる有給休暇、短時間勤務、在宅勤務について、ファミリーフレンドリー企業ではどのような制度を持ち、どのように使われているかを伝えている。

7/1 製造業残業、15ヶ月ぶり増(朝日夕刊、日経夕刊):厚生労働省が発表した5月の毎月勤労統計調査によると、製造業の所定労働時間は12.5時間と前年同月を0.4%上回り、15ヶ月ぶりに増加に転じた。しかし全産業では残業時間、給与とも減少が続いている。

7/1 欧州パート最前線・上(日経夕刊):パートの均等待遇をすすめてきたオランダの働き方を伝えている。

7/1 ストックオプション、社員でなくても(日経):正社員以外にストックオプションを与える企業が相次いでいるが、その背景には流動化する人材に少しでも帰属意識を強めてもらいたいという意図が働いているという。

7/1 自己啓発怠りぎみ(日経):厚生労働省がまとめた「能力開発基本調査」によると、2000年度に全国のサラリーマンの6割強は自己啓発に取り組んでいなかったということが明らかになった。

7/1 三菱商事、退職金にポイント制(日経):三菱商事は退職金の支給額に個人の成果を反映するポイント制を年内に導入する。