2003年2月下旬の労働関連の記事

2/28 1月の失業率、最悪に並ぶ5.5%(朝日夕刊、日経夕刊):総務省が発表した1月の完全失業率は5.5%(季節調整値)と前月より0.2ポイント悪化している。02年12月の完全失業率も5.5%と報道されていたが、総務省のホームページによれば昨年1年間の季節調整値は再計算され、一部数値が変更されたとのことで、12月は5.3%に変更されている。朝日、日経ともに深刻さを増す失業者たちの状況や各地の対応策などを紹介している。

2/28 高校生の就職ルール、「1人1社制」を見直し(日経夕刊):高校生の内定率が最悪を記録するなか、これまでの高校生の就職ルールであった「1人1社制」を見直す動きが広がっている。

2/28 トヨタ、一時金を満額回答(日経夕刊):トヨタ自動車は組合が要求している一時金(5ヶ月プラス55万円)について満額回答する方針を固めた。

2/28 日産、文系・理系を問わず職種別採用(朝日、日経):日産は2004年度の新規採用計画を発表した。大卒新卒については研究開発、生産技術、財務・経理などの職種ごとに募集し、どの職種においても文系・理系を問わずに応募できるようにした。従来は事務職は文系、技術職は理系とする原則があったが、それを大きく変えた。

2/27 日産、ベア・賞与を満額回答(朝日、日経):日産自動車は今年の賃金交渉においてベースアップ1000円・定昇6000円・年間一時金5.8ヶ月分と組合要求に対して満額回答した。朝日2/28に解説記事。

2/27 崩れる「日本型」(朝日):中盤戦に入った今春闘を中間総括し、ベアや定昇の廃止などで日本型賃金が崩れつつあるとし、富士通の経営側が組合の賃上げ要求前に異例の定昇の圧縮を提案したことなどを伝えている。

2/26 定昇・ベア、「存続」2割(日経):日本経済新聞社が行った「社長百人アンケート」によると定期昇給やベースアップの制度を現行のまま存続させるとする経営者は主要企業の二割弱にとどまることが明らかになった。

2/26 東芝、採用26%増(日経)東芝は04年春の新卒採用計画を発表し、03年度中の中途採用を含む採用計画数は今春予定よりも26%増の630人とする。

2/26 鉄鋼労連、一時金要求最大150万円(日経):鉄鋼労連は一時金の要求水準を最低限必要な「生活基礎部分」の120万円に各組合が設定する30万円までの「成果還元分」を加えた額とすることを正式に決めた。また金額要求ではなく業績連動型への移行を求めることも認める。

2/26 求人広告、4.3%増(日経):全国求人情報協会が発表した1月の求人広告掲載件数は27万2008件と前年同月に比べ4.3%増加し、二ヶ月連続のプラスとなった。

2/26 西武百貨店、希望退職1080人(朝日):西武百貨店が1月に募った希望退職で予定の800人を上回る1080人が退職したことが明らかになった。

2/25 厚生年金、パートにも適用(朝日、日経):厚労省の「雇用と年金に関する研究会」の報告書案がまとまり、パートタイマーなど短時間労働者に対しても厚生年金の適用を拡大するなどの提言をしている。

2/25 育休取得に2つの「壁」(朝日):育児休暇の取得率が上がらないのを、男性の取得と女性の復職という二つの壁が存在しているという観点から考察している。

2/25 連合「なんでもダイヤル」にサービス残業の相談など436件(朝日):連合は10〜16日に行った「なんでも労働相談ダイヤル」の中間集計を発表した。全国20の地方連合に寄せられた相談820件のうち436件がサービス残業に関する相談だった。

2/25 サービス残業、特養の理事長・法人に罰金50万円(朝日):東京都羽村市の特別養護老人ホームを運営する「亀鶴会」が職員にサービス残業をさせていた事件で、八王子区検は理事長と同会を労基法違反で略式起訴し、八王子簡裁は同日それぞれに罰金50万円の略式命令を出した。

2/25 日本コロンビア労組、3年連続で春闘離脱(朝日):日本コロムビア労組は03年の春闘交渉で賃金・一時金の交渉を3月末まで中断することを決め、電機連合の統一闘争から3年連続で離脱することとなった。

2/25 パート待遇改善テーマに(日経):パートの待遇改善として春闘に取り組むサービス・流通連合や「全国ユニオン」などの運動を紹介してる。

2/25 連合会長、「公務員、雇用保険加入を」(日経):連合の笹森会長は政府の進める公務員制度改革について、公務員も雇用保険に加入する求めることを明らかにした。「公務員の権利と義務を明確にすべきで、雇用保険は労働者の義務ということで官公労働者と相談して提起していきたい」と述べた。

2/25 電機連合、今年も雇用安定労使懇の設置要請(日経):電機連合は雇用安定対策を検討する「労使研究懇談会」を設置するよう経営側に要請したことを明らかにした。

2/25 松下労組、職種・部門別賃金前向き検討表明(日経):松下電器産業労働組合の長村委員長は、会社側が提案している職種別・部門別賃金制度を前向きに検討する考えを表明した。

2/24 昨年の労働訴訟、過去最多2321件(朝日):最高裁行政局のまとめによると、昨年の労働関係の民事訴訟は2321件と前年に比べ202件増えたことが明かになった。

2/24 千葉銀、管理職の定昇(日経):千葉銀行は管理職の定期昇給の全廃、非管理職にも昇給に上限を設けるなどを柱とした人事制度改革を実施する。

2/24 成果反映型賃金、中堅企業に広がる(日経):バブルメーカーのトウアバルブグループが成果反映給を導入し、チェーン最大手の椿本チエインが年齢給を廃止するなど、中堅企業に成果反映型賃金が広がっている。

2/24 WOWOWの新卒採用、インターン経験者に限定(日経):WOWOWは来年春入社の新卒採用から全員をインターンシップ制度を活用して採用する。インターンシップ体験者を公募し、実際に参加した者の中から内定者を決める。

2/24 障害者の働く場、広げる(日経):不況で障害者の雇用が厳しさを増すなか、厚労省は硬軟あわせた障害者雇用促進策を進めている。これに対応する形で障害者の積極雇用を試みる企業や障害者と企業を仲介する派遣事業などを紹介している。

2/24 インドネシア新労働法、犯罪行為関与なら退職金一部カット(日経):インドネシアで国会審議中の新労働法案では、労働側の瑕疵があった場合には退職金の一部を支払いを不要とする。また。またストライキについても警察による取締りを強化したものとなる。

2/24 米ウォールマート、雇用拡大戦略(日経):200万人の雇用を目指して積極的な雇用拡大戦略を行う米ウォールマートを紹介している。

2/23 少子化を克服する・下(日経):子どもは社会の公共財であるとして子育てに対する財政的支援の必要性を訴える津谷典子慶応大学教授へのインタビュー。

2/23 全日空、退職金1割削減(日経):全日本空輸は2003年度から年金と合わせた退職金支給額を平均一割削減するとともに、業務成績に応じた退職金支給制度にすることを決めた。

2/23 戦略分かれる賃金改革(日経):事業部門ごとで異った賃金を導入する日立、東芝、松下などと、全社共通の制度で一体感を維持しようとする三菱電機やシャープなど、電機各社の賃金改革の流れが二つに分かれてきたことを指摘したコラム「経営の視点」。

2/23 春闘のしくみ(日経):春闘とは何かについて解説した連載「そもそQ」。

2/22 匠の技・へら絞り(日経夕刊):大田区の北嶋絞製作所を通してへら絞りという熟練技能を紹介した記事。

2/22 派遣労働、上限3年に(朝日、日経):厚生労働省の労働政策審議会は人材紹介と人材派遣の規制を緩和する職業安定法と労働者派遣法の改正案を「おおむね妥当」と答申した。これにより厚労省は今国会中にも国会に改正案を提出することとなった。派遣法の改正の骨子は派遣期間の上限を3年に延長、製造業への派遣を解禁、専門性の高いなどの26業務での派遣期間の撤廃、紹介予定派遣における事前面接の解禁など、大幅な緩和策となっている。この改正によって得をするのは誰だろうか。今後は、派遣期間の上限の撤廃の課題となり、労働者が使い捨てられる時代の本格的到来と言えよう。

2/22 自動車総連傘下、4割がベア要求(朝日、日経):自動車総連は傘下組合のうち、4割に当たる企業が今春闘でベースアップを要求していることを明らかにした。このうち約8割は日産労連傘下だった。

2/22 東和銀行、年収8%カット(朝日):群馬県の第二地銀・東和銀行は4月以降、役員を含む全行員の年収を少くとも8%削減する方針を固めた。

2/22 宿・日直勤務、労基署の許可「違法」判決(朝日):東京都大島町立診療所の看護師が、大島町の出した宿直や日直の業務を中央労基署が許可したのは違法だとして国を訴えていた件で、東京地裁は原告の主張を認め国に110万円の慰謝料を支払う判決を下した。労基法施行規則によると宿直や日直が許されているのは「ほとんど労働する必要がない勤務」と限られている。

2/21 武富士、サービス残業訴訟和解(日経):武富士が組織的サービス残業を行っているとして元社員二人が未払い賃金の支払いを求めていた訴訟で、同社が二人に対して未払い賃金のほぼ全額にあたる総額590万円を支払うことで和解した。和解条項には未払いに対する遺憾の意の表明や今後の残業代の支給などが盛り込まれている。