2003年7月上旬の労働関連の記事

7/10 大東紡織、子会社の全員解雇(日経):大東紡織は8月に衣料品製造の連結子会社、高田三東スーツの全従業員約230人に特別退職金を支払って解雇し、約6割の145人を嘱託や日給扱いで再雇用する。

7/10 不良債権処理で失業5〜7万人(日経):内閣府は9日、2002年度中に主要銀行が破たん懸念先以下の不良債権を11兆7千億円処理したことによる雇用への影響を試算した研究リポートを発表した。離職者は約10万〜15万人で、最終的に失業者の増加は5万〜7万になったという。

7/10 転職正社員の35%、パート・アルバイトに(日経):総務省がまとめた2002年の就業構造基本調査によると、過去5年間に正社員から転職した596万9千人のうち、35.5%がパートやアルバイトなど正社員以外の職種で働いていることが分かった。同省は「企業が人件費抑制のため正社員を減らす一方、パートや派遣社員で雇用を代替している現状が鮮明になっている」と分析。

7/9 女性社会進出、日本下落44位(朝日):国連開発計画(UNDP)が8日発表した今年の「人間開発報告」によると、平均寿命、教育普及率、所得水準などを指数化した「人間開発指数」ではノルウェーが3年連続首位。日本は昨年と同じ9位。政治・経済分野における女性の進出度では、44位となり、昨年の32位よりさらにランクを落とした。

7/9 北京・上海市民の8割が失業不安(朝日):北京と上海では、失業の不安を抱く人が8割にのぼり、階層の格差も日本以上に感じていることが、中国人民大学などと文部科学省・統計数理研究所の共同調査で明らかになった。国有企業の民営化などで失業が増え、所得格差が広がっている中国の現状や、両市の性格の違いがよく表れてるという。

7/9 トヨタ過労自殺訴訟、二審も「労災」認定(日経、朝日):うつ病で88年に自殺したトヨタ自動車の係長の遺族が、豊田労働基準監督署長を相手に、労働災害と認めずに遺族補償年金などを不支給とした処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で名古屋高裁は、業務とうつ病との因果関係を認めて、不支給処分の取り消しを命じた一審判決を支持し、労基署長側の控訴を棄却した。

7/9 ハローワーク未登録の求人、全国に120万人(日経):企業がハローワークに登録していない求人の数が、全国で約120万人にのぼることが経済産業省の調べて明らかになった。経産省はこうした求人を「埋もれた求人」とみており、「官民が一段と連携して企業と求職者を引き合わせれば、5%台前半の失業率はもっと下がる」と分析している。

7/9 若者層の就業支援、訓練・実習平行で(日経):厚生労働省は失業が深刻な若年層の就業支援策として専修学校などでの職業訓練と企業内での実習を平行して実施する新制度を固めた。若者を実習生として受け入れる企業に専修学校などと連携して実習計画を作ることなどを条件に、実習費を現行の「キャリア形成促進助成金」に上乗せ支給する。2004年度から実施。

7/9 6月ドイツ失業者数、30万人増425万人(日経):ドイツ連邦雇用庁が8日発表した6月の失業者数は425万7400人と前年同月に比べ30万3000人増え、6月としては東西ドイツ統一後で最悪の水準を更新した。失業率は前月に比べ0.2ポイント低い10.2%に改善したが、依然として2ケタ。

7/8 独、仕事と家庭の両立探る・下(日経夕刊):ドイツでは育児休暇である「親時間」が終わった後も、家庭との両立を支援する制度が充実している。その代表が労働時間は短くても正社員の身分が保証されるいわば「短時間正社員」。ライフステージに合わせた柔軟な働き方が可能なドイツの現状を伝えている。

7/8 サービス残業是正指導、30年で最多(日経):サービス残業があったとして労働基準監督署が事業所に是正指導した件数が、昨年は約1万7000件に上ったことが7日、厚生労働省のまとめで分かった。過去30年で最多で、監督対象の事業所8カ所に1カ所の割合で是正指導を受けていたことになる。同省は景気低迷の影響も大きいと分析。

7/8 個の力を解き放て(日経):長引く賃金抑制は社員から活力を奪い、消費不振とともに日本のデフレを深刻にした。競争を勝ち抜くためには、大組織の中で眠る「個」の力をいかに引き出すかが重要だとしている。

7/8 ハローワーク、失業者に情報一括提供(日経):厚生労働省は失業者の生活を総合的に支援するため、公共職業安定所(ハローワーク)の情報提供機能を拡充する。来年度から東京、大阪など大都市圏の十数カ所のハローワークに専門相談員を配置。年金や税務、住宅ローンなどに関する情報をまとめて提供する。

7/8 高校生に鳥取県教委、アルバイト紹介(朝日):鳥取県教委が今年の夏休みから、県立高校の生徒にアルバイトのあっせんを始める。就職した高校生の半数が3年で離職している現状に、職場を知ることで歯止めをかけたい考え。

7/7 独、仕事と家庭の両立探る・上(日経夕刊):ドイツでは、育児休暇関連法が整備されたほか、短時間勤務などが定着してきたため、夫婦が協力して仕事と家庭の両立を図ろうとする動きが広がっている。現地で起きている変化のうねりを追っている。

7/7 パワハラー上司も悩む(日経):パワーハラスメント(パワハラ)の相談を受けるクオレ・シー・キューブに寄せられる訴えには、深刻な人権侵害とみられるケースが増える一方、若手の一方的な思い込みも目立つという。精神的にもろくなったといわれる若い部下の指導方法に悩む上司の姿を追っている。

7/7 雇用対策、自治体手探り(日経):地方自治体が雇用対策に試行錯誤している状況を伝えている。最近は若者の失業者が急増し、従来の中高年向けと合わせた「二面作戦」が求められている。ただ、求人と求職内容が合わない雇用のミスマッチも目立つという。

7/7 曙ブレーキ・工場勤務社員の賃金、部署の生産性を反映(日経):曙ブレーキ工業は工場勤務の一般社員の業績評価に担当部署(係)ごとの生産性などを反映させる新制度を導入した。昇給や賞与に反映する。

7/7 クボタ、事業戦略立案で課長級に研修制(日経):クボタは40代前半の課長級社員を対象に、事業戦略を立案する能力を養成する選抜研修制度を始めた。営業、開発などの最前線にいる課長級社員を経営幹部候補として育てる。

7/7 派遣各社、新卒活用を拡大(日経):人材派遣会社が新卒の学生を採用、そのまま派遣社員にする「新卒派遣」が広がっていることを伝えている。

7/7 月曜経済観測、派遣需要回復に遅れ(日経):雇用改革を促す労働者派遣法などの改正が今国会で成立。また、政府の経済財政諮問会議は2007年までに600万人規模の新規雇用を創出する計画を打ち出した。これからの雇用情勢と見通しを、人材派遣の最大手、スタッフサービス・ホールディングズの岡野保次郎社長が放言している。

7/7 公務員改革、人事院の壁(朝日):政府・自民党が進めている公務員制度改革が難航している。3法案の内容に反発する労働組合に加えて、改革によって存在意義が揺らぎかねない人事院が反対の姿勢を崩していないためだ。

7/6 学生援護会、高卒予定者向け就職ガイダンス(日経):求人情報誌の発行などを手がける学生援護会は厚生労働省の委託事業として、来春の高校卒業予定者を対象にした就職ガイダンスを開く。期間は今月下旬から8月末までで、全国約430カ所で約1万2000人を対象に実施する。模擬面接などの体験形式で就職活動に活用できるノウハウを教える。

7/6 労働裁判所制度、現状聞くシンポ(日経):日弁連は5日、政府で労働裁判制度の見直しに向けた議論が進められているのを受け、労働紛争を専門に扱う裁判所を持つ英独から現役裁判官を招き、現状を聞くシンポジウムを東京・千代田区の弁護士会館で開いた。

7/5 後遺症も労災対象に(日経、朝日夕刊):過重労働でうつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)になり、労災認定されたケースについて、厚生労働省の専門検討会は4日、完治しない場合も後遺症として労災対象とし、障害等級を決めるための認定基準を新たに策定すべきだとの報告書をまとめた。厚労省は認定基準を28年ぶりに見直し、今月中にも全国の都道府県労働局に通達する。

7/5 東芝エレベーター、社員の10%削減(日経):東芝の昇降機子会社、東芝エレベーターは2006年3月末までに全社員の約10%に当たる500人を減らす人員削減計画を決めた。このほど導入した退職支援制度「自立自営制度」を活用。まず9月末までに課長級以上で40歳以上の国内社員を削減する。

7/4 キャッシュバランス型、企業の半数が年金に希望(日経):厚生労働省所管の財団法人、年金総合研究センターが昨年度実施したアンケート調査で、企業の5割弱が、自社の年金には確定給付型と確定拠出型を折衷したキャッシュバランス型の企業年金を採用したいと考えていることが分かった。

7/4 長崎屋が来年度新卒採用を再開(日経):会社更生手続き中の長崎屋は2004年度に新卒の定期採用を5年ぶりに再開する。同年春に卒業予定の大学生40人程度を採用する。

7/4 NEC退職金ポイント制に(日経):NECは3日、退職金、年金の両制度を見直すと発表した。退職金は勤続年数に応じて算出する仕組みから、従業員の業績をもとにしたポイントを在職中に積み立て、退職時に金額換算して支給する方式に変える。年金制度も市場金利に合わせて給付額が変動する方式を導入する。

7/4 みずほ銀ATMトラブル担当エンジニアの自殺を労災認定(日経):昨年4月に発生したみずほ銀行の現金自動預け払い機(ATM)のシステムトラブルをめぐり、復旧作業にあたっていたシステムエンジニアの男性(当時37)が自殺したのは、過密労働による強いストレスが原因だとして、労働基準監督署は3日、過労による自殺と認定した。この男性は、大手電機メーカーの子会社に勤務、同行のATMのソフト開発を担当していた。

7/4 経産省、若年層の起業・就業後押し養成講座に補助(日経):経済産業省は2004年度から、民間企業や専門学校の人材育成講座を支援する新たな制度(チャレンジ・アントレプレナー講座支援制度)を設ける方針。講座を開設する企業30社に事業費の一部として1件当たり2000万円(年間)を補助する。3年間で1万人の起業・就業を実現することを目指す。

7/4 他社の社員研修、組合通じて参加(朝日、日経):電機メーカーの労組でつくる電機連合(329組合、約66万人)が今秋、組合員の能力開発などを支援する「電機産業職業アカデミー」を設立し、提携した大手各社の社員向け技能研修などを、他社の組合員に開放していくことになった。組合員が配置転換やリストラを乗り切るため、新たな技術や適性を身に付ける手助けをするのが狙い。

7/4 職と保育の場一緒に提供(朝日):仕事に就きたい母親のため、一時保育などの子育てサービスと働く場をともに提供する試みが広がってきている。一方で、働く女性たちに向け、育休復帰支援の取り組みも始まっている中、「自立」支援のいまを紹介している。

7/4 米失業率、6.4%に上昇(朝日、日経):米労働省が3日発表した6月の失業率は6.4%となり、前月に比べ0.3ポイント上がった。失業率の上昇は3カ月連続で、9年2カ月ぶりの高水準となった。

7/3 電機連合、裁量労働制の規制緩和を提言(日経夕刊):電機連合は3日、労働時間の配分などを労働者本人に委ねる「裁量労働制」について、導入の規制を緩和するよう提言する報告をまとめた。裁量労働制は長時間労働の原因になるとして連合などは規制緩和に慎重で、労組としては異例。

7/3 AT&Tワイヤレス1000人削減(日経夕刊):米携帯電話大手AT&Tワイヤレスは2日、全従業員の約3%にあたる1000人を追加削減することを明らかにした。同社は昨年既に2000人を削減している。

7/3 窮地に弱く頼りない?(日経夕刊):パートの働きぶりが社長の目に留まり、事業拡大に貢献、会社役員にもなった元専業主婦など、窮地に弱く頼りないという定説を覆し活躍する女性たちを紹介している。

7/3 改正労基法スタート(日経):改正労働基準法が6月27日成立し、労使間のトラブル防止や雇用流動化の促進に向けて一歩を踏み出した。ただ「解雇」に関する金銭解決を容認するかなど労働契約を巡る法的な枠組みを巡る論争は続くであろう。

7/3 IT専門家育成を支援(日経):経済産業省は情報技術(IT)に精通した専門家の育成支援団体を産業界と共同で創設した。名称は「ITスキル標準センター」で、自治体や企業の育成事業を支援するとともに、同省が開発した能力評価制度である「ITスキル標準」の普及と改良を進める。

7/3 国労組合員ら8人、人権救済申し立て(朝日):暴力行為等処罰法違反の疑いで昨年10月に逮捕された国労組合員や中核派活動家ら8人が2日、「証拠隠滅の恐れもないのに、9カ月も未決勾留するのは人権侵害だ」として日本弁護士連合会に人権救済を申し立てた。8人は昨年5月、国労組合員のJR不採用問題をめぐって国労執行部に圧力をかける狙いで、東京都千代田区内の路上で組合員らに暴行したとされる。

7/2 希望退職募集、大企業の4社に1社(日経夕刊):大企業の4社に1社が2002年までの3年間に希望退職を募集していたことが2日までの厚生労働省の雇用管理調査で分かった。希望退職実施により8割で人件費の圧縮などの効果があったとする一方、残った労働者の仕事が増えた企業も2割以上。リストラの負の側面も浮き彫りになった。

7/2 過労自殺でコマツ提訴(日経、朝日):建設機械メーカー大手「コマツ」の研究所で研究員として勤務していた34歳の男性が自殺したのは、会社が裁量労働制によって長時間労働を強いたのが原因だとして、遺族らは同社に約1億8000万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

7/2 松下電工、福利厚生も業績連動に(朝日):松下電工は、従業員の福利厚生制度を来春から業績連動型にする方針を明らかにした。同社は持ち点の範囲内で個人ごとに好みの福利厚生メニューを選ぶ「カフェテリアプラン」を導入しているが、業績に応じて毎年の持ち点を変える方式をとる。人事制度などに関する調査機関、労務行政研究所によると、福利厚生費を業績連動型にする企業は珍しいという。

7/2 KDDI、合併完了記念ボーナス(日経):KDDIは1日、約9000人の会社員を対象に、合併完了記念ボーナス(特別一時金)を支給した。総額は12億円で、一人あたり平均支給額は約13万円。

7/2 北京のデパート、社員が座り込み(日経):北京市の中心部にある老舗デパート「友誼(ゆうぎ)商店」で1日、経営陣のリストラ策を不服とする社員約200人が、店の前で抗議の座り込みをした。胡錦濤国家主席の新指導部が発足して以来、北京で労働者の大掛かりな抗議行動が起きたのは初めてとみられる。

7/2 韓国の鉄道ストが収束(日経):6月28日から全国ストを続けていた韓国の国鉄労組、全国鉄道労働組合は1日、組合員の投票によりスト打ち切りを決めた。鉄道ダイヤは2日中に完全に正常化する見込み。

7/1 働く女性、将来どう描く(日経夕刊):損害保険ジャパン社長の平野浩志氏、マザーネット社長の上田理恵子氏、東京大学助教授の玄田有史氏が、働く女性たちを取り巻く様々な問題について話し合っている。

7/1 03年通商白書、外国人受け入れを提言(朝日夕刊):03年版、通商白書によると、日本経済の活性化のため、専門的な技術を持つ外国人労働者を積極的に受け入れるよう、政府の白書として初めて提言。また、中国の通貨人民元の切り上げの必要性があることも初めて指摘した。

7/1 ゼミナール・若者たちと雇用20(日経):高い若年失業率を改善しようと、官民学、地方自治体など次々に支援策をうち出してきている。これまでの流れを振り返り、今後、具体的な取り組みを積み重ねて行くことの重要性を説いている。

7/1 都、職業紹介所創設へ(朝日):東京都は、独自の職業紹介施設「しごとセンター」を来年度、全国の自治体で初めて創設する方針を固めた。自治体による無料職業紹介は従来認められなかったが、解禁する改正職業安定法が6月6日に成立。国のハローワークよりもきめ細かい対応を目指す。

7/1 ホームレス支援法」、政府が「基本方針」案(朝日):昨年成立したホームレス自立支援法に基づく政府の「基本方針」案が30日明らかになった。就業の機会確保を最も重要な支援策と位置づけた。具体的には、民間団体と協力した求人情報提供、技能講習・清掃や雑誌回収など常用雇用が難しい人向けの職種開拓、などの施策を掲げた。

7/1 新入社員もダウン寸前(朝日):厳しい就職戦線をくぐり抜けて無事入社した新入社員たちが、いきなり即戦力として深夜や休日も働くことを求められているという。耐えられずに短期間で辞めざるを得なかったる若者たちの実態を追っている。