2016年1月上旬の労働関連の記事

1/10 人材探せ 派遣業が走る(日経):派遣社員が足りないという。高まる企業ニーズに応えるため、未経験者や退職者をも掘り起こし、人材獲得競争となっている現場の様子を伝えている。

1/10 危うい賃上げ継続(日経):環境変化に対応できていない労働組合として、持続的な賃上げを可能にする環境を企業に協力して作り出すべきだとした水野裕司論説副委員長による「日曜に考える」。聞き飽きた春闘限界論に、40歳定年など雇用の流動化を進めるような政策を御宣託。読む価値なし。

1/9 若手研究者と企業仲介(日経):文部科学省は2016年度からトヨタ自動車や日立製作所、第一三共など約30社と優秀な若手研究者を仲介する事業を始める。2月にも企業側が研究内容や雇用条件を示し、9月以降に採用される見通し。

1/9 建設労働者の待遇改善(日経):大手ゼネコン(総合建設会社)が工事現場で働く建設労働者の待遇改善に動き出したとして、清水建設や竹中工務店などの取り組みを伝えている。

1/9 米就業者数29.2万人増(朝日、日経):米労働省が8日発表した昨年12月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数(季節調整済み)が前月より29万2000人増えた。12月の失業率は前月と同じ5.0%だった。

1/8 パワハラ自殺、和解(日経夕刊):2013年に岐阜県職員の30代男性が自殺したのは上司のパワーハラスメントなどが原因として、男性の遺族が県に損害賠償を求めた訴訟は8日、岐阜地裁で和解した。原告側の弁護士によると、和解金と未払いの残業代の計9600万円を遺族に支払う。

1/8 実質賃金0.4%減(朝日夕刊、日経夕刊、9日朝日):厚生労働省が8日発表した昨年11月の毎月勤労統計調査(速報)で、実質賃金指数が前年同月比0.4%減となり、5カ月ぶりにマイナスに転じた。

1/8 有休に世界一無関心(日経):有給休暇が年に何日あるかを知らない人の割合が日本では53%に達し、欧米など26の国・地域の中で最も高かったとの調査結果を旅行予約サイトの運営会社エクスぺディアがまとめた。

1/8 style私の選択「パラレルワーカー」(朝日):複数の仕事を掛け持ちする「パラレルワーカー」という新しいワークスタイルを選んだ男性(51)を取り上げている。

1/6 この介護職場なら「続く」(日経):きつい仕事なのに給料の低い介護職では離職率も年間16.5%と高い。こうした中で、技能認定で給料アップの仕組みを作るなどして処遇制度の改善を進めている介護事業者を紹介。

1/6 フルラJ、全契約社員を正社員に(日経):伊かばんブランドの日本法人であるフルラジャパンは3月1日付で全ての契約社員を正社員に登用する。小売り現場で人手不足感が高まるなか待遇改善で人材を囲い込む。

1/6 伊藤忠、商社トップなら臨時賞与(日経):伊藤忠商事の岡藤正広社長は16年3月期決算で純利益が総合商社で首位となった場合、全社員に臨時の賞与を支給する方針を明らかにした。

1/6 リクルート、IT人材養成し就職仲介(日経):リクルートキャリアはデジタルハリウッドと共同してIT人材を養成する講座を開設し、一定の水準に達した人には就職先を紹介する事業を開始する。

1/6 高齢者雇用で起業家助成(日経):政府は60歳以上で起業した事業主を対象に、60歳以上の高齢者を複数雇えば雇用助成金を支給する助成制度をつくる。

1/6 日銀総裁、成長に賃上げ不可欠(日経):日銀の黒田東彦総裁は連合の新年交歓会にで挨拶し、賃上げが日本の成長にために不可欠であるとして今春闘での賃上げ実現に期待感を示した。

1/6 途上国での縫製工場、労働改善へ(日経):バングラディシュなどの縫製工場を活用しているアパレル大手は、NPOや労働団体などの批判を受けて製造委託先の工場の労働条件や安全衛生などを改善させる動きが出てきていることを報告した特集記事。H&Mやユニクロなどの動向を伝えている。

1/6 正社員不足、過去最高に(日経):厚生労働省が実施した2015年11月の労働経済動向調査によると正社員が「不足している」と回答した企業の割合から「過剰」と答えた回答の割合を引いた指数は33となり、比較可能な1999年2月以降で最も高くなった。

1/6 大手、賃上げに前向き(朝日):大手企業の経営者が賃上げに前向きな発言をしていることを伝えている。大和ハウス、日本電産などの社長の声を紹介している。

1/5 第一生命、営業職初任給2万円増(日経夕刊):第一生命は今年4月以降に採用する営業職員の初任給を一律2万円上げる方向で労組と交渉を開始した。15年ぶりとなる初任給の引上げの理由は、金融業界で営業職の求人倍率が3倍を超えている中で人材確保が急務となっているため。

1/5 アイシンAW、現場人材育成で新組織(日経):自動変速機世界最大手のアイシンAWは「グローバル生産教育センター」を始動させ、製造ラインを模した施設での集中研修を実施し、体系立てた教育で人材の質向上を目指す。

1/5 重工・非鉄労組、賃金交渉を毎春に(日経):重工や鉄鋼などの産業別組合である基幹労連傘下の組合は、2006年以降隔年としていた賃上げ交渉を今春から毎年に変更する執行部案をまとめた。重工や非鉄は毎年交渉へと変えるが、鉄鋼大手労組は隔年交渉を続ける見通し。

1/5 大和証券社長、賃上げ検討(日経):大和証券グループ本社の日比野隆司社長は新年の祝賀会で賃上げを前向きに検討すると発言した。実際に賃上げとなると、大和証券では4年連続となる。

1/4 職場の妊娠報告周到に(日経夕刊):働く女性が妊娠した場合、いつごろ誰から報告すべきかなどの注意点についてコンサルタントの見解を紹介した「常識ナビ」。

1/4 ITあればどこでも職場(朝日):IT環境が整えば、働く場所を選ばない仕事ができるとして、地方で地元志向の人材を集めている宮崎のIT企業アラタナや、徳島の神山町をはじめ全国各地にサテライトオフィスを設けているSansanなどの試みを紹介している。

1/4 三越伊勢丹、3日開始店も初売り好調(朝日):三越伊勢丹ホールディングスでは首都圏の直営8店舗で初売りをこれまでより1日遅い3日にしたが、前年の7%増で好調な数字を記録した。1日送らせたのは従業員や関係業者の負担に配慮したため。

1/4 格差拡大、価値想像力奪う(日経):度を越した格差は社会にとっての極めて危険な毒薬という観点にたち、現代日本の格差拡大を高齢化と非正規化に起因するものとし、その解決のために新しいシステムの必要と経済成長が必要とした吉川洋東京大学教授の「経済教室」。

1/4 政治新潮流2016、賃上げ・投資要請(日経):安倍政権がGDP600兆円を実現するために賃上げと投資を財界に要請しているが、財界には違和感が出ていることを伝えている。

1/4 社員の発明「会社のモノ」に(日経):4月から施行される改正特許法では、予め職務発明は会社のものと定めておけば、特許が会社のものとなる。発明者に与えられる「相当の利益」については、金銭以外の経済上の利益などを特許庁が策定し、それに則って各企業で定められることになる。

1/4 女性の育成・登用を着実に(日経):「多様な人材が力を発揮できる職場は企業の成長力の源」という観点から女性育成と登用を説いた社説。

1/4 「働き方」テーマの公開討論会(日経):政府の規制改革会議は来月「多様な働き方」をテーマに公開の討論会を開く。

1/4 17年卒採用、はや号砲(日経):経団連に加盟していないITやベンチャー企業などでは17年度春卒業予定者を対象とした採用活動をスタートさせている。DeNAやLINEなどの動きを紹介している。

1/3 物価を巡る「様々な意匠」(日経):日銀が掲げた消費者物価指数は安定的に2%上昇。しかし、物価の定義には様々な種類があり、日銀の新指標である生鮮食料品とエネルギーを除く消費者物価は、労働組合や経営者に浸透しているわけではなく、賃上げに弾みをつけるものとはなっていない。物価の物差しは分りやすいものにすべきだという「けいざい解読」。

1/3 米大統領選と男女の格差(日経):米民主党の大統領候補の一人であるヒラリー・クリントンの政策の主要なものに男女賃金格差の解消があり、その背景となっているアメリカの男女賃金格差の実情を伝えている。

1/1 今年の展望、経団連会長に聞く(日経):榊原定征経団連会長への新春インタビュー記事。安倍政権との密接な関係や、今年のベースアップに関しては一歩引いた方針であることを語っている。

1/1 何のために働くのか(日経):「すれ違う会社と社員」というサブタイトルで、長期雇用保障が崩れてくるなかで会社に対する社員の距離のとり方も変っているとする「解を探しに」の第3回目。ただ企業社会の戦士たるこの記事の記者にとっては、あまりにも会社人間的な姿勢が無自覚的に身についてしまっているのか、「ブラック企業」や「社畜」という言葉が「働くことへの否定的言葉」だそうで、反会社人間的な振舞いを逸脱としてしか捉えられていない。ブラック企業や社畜という概念が示しているのは、従来の日本の企業社会的な働き方(働かせ方)に対する批判であって、「働くこと」そのものへの批判ではないことが分かっていないのではないか。