97年11月下旬の労働関連の記事

11/30 「協調」労組に無力感(朝日):これまで協調的できた労働組合が企業の倒産に直面し、なにも有効な対応ができていない現状の紹介。上部団体への加盟が非常に重要となっている点にも触れている。

11/30 神戸雇用サミット閉幕(日経):神戸で行われていた神戸雇用会議は「各国が経済構造改革への取り組みを通じて活力のある雇用社会の実現を目指す」ことを盛り込んだ議長総括を発表して、2日にわたる討議を終えた。

11/29 労働者派遣事業苦情・相談408件(日経):労働省は労働者派遣事業適正運営推進月間の今年7月に世世羅得た苦情・相談をまとめた。圧倒的に多かったのは人材派遣業に関するもので289件。人材派遣では適用対象以外の仕事をさせられたというものが最も多く39件。

11/29 来年度も就職協定なしで合意(日経):大学と企業の関係者でもたれた「就職採用情報交換連絡会議」が開かれ、来年度も就職協定は結ばず、自主的な倫理憲章を双方が尊重しあうという方式をとることで合意した。

11/29 最悪の失業率、再雇用への道細る(日経):10月の完全失業率が過去最悪と同じになったのを受けて、各産業の雇用の状況を分析している。

11/28 失業率、最悪の3.5%(朝日夕刊、日経夕刊):総務庁が発表した10月の完全失業率は0.1ポイント上昇し、最悪に並ぶ3.5%となった。非自発的な失業者が4ヶ月ぶりに増加するとともに、自発的失業者も増え続けている。

11/28 伊で人材派遣解禁(日経夕刊):イタリアは、88年から議論を続けてきた「人材派遣事業」の解禁を98年から実施することになった。

11/28 神戸雇用サミット開幕(日経夕刊):日米欧ロシアの主要8カ国の閣僚が雇用問題を話し合う神戸雇用会議が28日に2日間の日程で開幕。若年層や高齢者の雇用失業対策について話し合う。

11/28 ILO事務局長が会見(日経夕刊):アンセンヌILO事務局長は、ILOが進めている国際労働基準の制定に関連して、基準の実効性を高めるために監視案を来年3月をめどに素案をまとめる方針を明らかにした。

11/28 転職探る金融・証券マン(朝日夕刊):拓銀、山一の破綻のなかで転職を希望する金融マンが増えている状況を描いている。

11/27 狭き門の中高年の職探し(朝日):中高年の職探しのルポ。職は少なく、給料は半減と、東京人材銀行に来る人たちの悲哀を追っている。

11/27 北海道開発局の人勧スト、処分取り消し請求棄却(日経夕刊):82年に凍結された人事院勧告の実施を求めて全北海道開発局労働組合がおこなったストに対して定職などの処分がなされたことに対して、その取り消しを求めた裁判で札幌地裁は「正当な目的の争議行為とは言えない」として請求を棄却。ただし、公務員にも限定的なスト権があるとの解釈も打ち出している。

11/27 自治体管理職、外国籍の受験拒否は違憲(朝日、日経):日本国籍がない職員に対して自治体の管理職昇任試験の受験を拒んだ東京都の措置についてその当否が争われた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は違憲の判決を下した。管理職の中にも事案の決定権限を持たないものがあるため、一律に管理職への昇任を認めないのは許されないとした。

11/27 ボーナス、冬妥結分2.32%増で低迷(日経):日経の調べによると、民間企業のボーナス調査の2次集計では、企業の回答・妥結額の昨冬比の伸び率は2.32%増であることがわかった。

11/27 労働者不足感弱まる(日経):労働省の11月の労働経済動向調査によると、従業員が不足の企業割合から過剰の企業割合を引いた常用労働者過不足判断指数はプラス10となり、8月よりも1ポイント悪化した。

11/27 大型倒産事業主、指定基準引き下げへ(日経):労働省は雇用調整助成金の支給対象となる大型倒産等事業主の指定基準を引き下げる方針を固めた。これまでは企業の負債総額が50億円以上で取り引きしている関連会社などが50社以上あることを基準にしていた。

11/26 欧州女性労働事情(2)(日経夕刊):85年にパート労働者に対する差別待遇を禁止したドイツの事情を紹介。キャリアと家庭をパートで両立しようとする女性が多いこと、他方でパートは女性という図式がでてきており、これを克服しようとしている状況を描いています。おすすめ記事(どうして日経夕刊の生活家庭欄は優れた記事が多いのだろう。経済系の雇用関連の連載がボロボロの内容であることが多いのに比べると、ほんと不思議である。日経は優秀な記者を生活家庭欄に回しているのでしょう)

11/25 欧州女性労働事情(1)(日経夕刊):91年に女子労働の深夜労働の解禁を行ったフランスでは、健康面からの不安があるにもかかわらず女性の深夜労働へのシフトが進んでいるが、その鍵は失業率の高さにあるとみている記事。おすすめ記事

11/25 米の雇用意欲旺盛(日経夕刊):米人材派遣会社マンパワー社の調査によると、98年1〜3月期の雇用意欲は、同社が調査を始めた76年以来としては最高の水準にあることがわかった。

11/25 国労脱退干渉は不当労働行為(朝日夕刊、日経夕刊):JR東日本の区長が国労組合員に国労脱退を干渉したことは不当労働行為であると、中労審は認定した。

11/23 リストラ110番、整理解雇の悩み目立つ(日経):日本労働弁護団が22日に行ったリストラ110番ではいじめによる退職勧奨・強要など425件の相談が寄せられた。出向先が倒産して、実は自分が転籍出向であったと判明したなど、実に深刻な相談が寄せられている。

11/23 共働き世帯、妻の労働夫よりも長く(日経):総務庁の発表した生活基本調査の結果によると、仕事と家事とを合計した1日平均総労働時間は妻が夫に比べ1時間から1時間40分多いことが判明した。

11/23 本田が増産体制強化(日経):本田技研工業は12月から生産体制を大幅に増強し、休日稼働や期間工の増員を行う。

11/22 私鉄総連、個別賃上げ容認へ(日経):私鉄総連は、来春闘では組合員平均1万8千円(約6%増)の賃上げを要求するとともに、高卒30歳、勤続12年の標準労働者をモデルとする「個別賃上げ方式」によって要求する労組がでても容認する方針を決めた。

11/22 外国人労働者20%増加(日経):労働省は「外国人雇用状況報告」をまとめたが、外国人労働者を雇っている事業数は1万7859カ所、労働者数は18万5214人であることがわかった。これとは別に不法就労する外国人も後を絶たない。

11/22 EU、雇用で共通指針(日経):ルクセンブルグで臨時に開かれた欧州連合の首脳会議で、域内で1800万人にのブル失業者の削減のためEU共通の指針を策定するほか、各加盟国が独自に作成した行動計画案の実行状況を相互監視する制度を盛り込んだ議長総括案を採択することとなった。日経の記者は解説で「抵抗が強まるほど改革は進まず、失業は減らない」などと物知り顔のことを書いています。

11/22 中労委、審査時の腕章禁止を決める(朝日):中労委は「腕章を着用しないという確約がなければ審問に入らず、書類だけで審査、決定する」という方針を決めた。なぜ、腕章をつけるのがだめなのか、その理由が知りたいところです。あまりにも間抜けな決定をしたものです。例えば、腕章風の絵を服に描けばそれは認められるのかな?

11/22 中労審、労基法改正の最終報告案(日経):裁量労働制や有期雇用の契約期間の拡大などの、労働基準法改悪の最終案がでた模様です。

11/21 港湾2労組スト突入(日経夕刊):日米政府が合意した港湾荷役をめぐる事前協議制改善案の白紙撤回を求めて、全国港湾労働組合協議会と全日本港湾運輸労働組合同盟は21日午前8時より24時間ストに突入。

11/21 対立から協調、英国労組変身(日経):TUCが「ニュー・ユニオニズム」を謳い始めている現状のレポート。契機となったのは84年の鉱山ストの敗北であるとしている。

11/21 北陸先端科技大、全教員を任期制に(日経):北陸先端科技大は来年4月から全研究科の教授、助教授、助手に任期制を導入すると発表。任期は教授、助教授が10年、助手は5〜7年。再任はあるが、助教授、助手は1回限りで任期も3年に短縮される。

11/21 来年春闘の方針(朝日、日経):日経連の報告によると6年連続のゼロベア宣言。連合は平均1万5000円(ベア8900円定昇6100円)の賃上げを要求目標としている。