98年3月下旬の労働関連の記事

3/31 山一課長は過労死(朝日夕刊):昨年11月、山一証券の破綻処理中に急性心不全で死亡した同社課長の労災申請について、30日に中央労基署は労災として認定していることがわかった。38日間のスピード認定となった。

3/31 会社が従業員にかけた保険、遺族に全額支払い命令(朝日):企業が従業員を被保険者として個人保険をかけた場合の保険金の帰属先をめぐる裁判で、東京地裁は、遺族への全額支払いを命じた。

3/31 派遣社員情報に守秘義務(朝日):中央職業安定審議会の小委員会で、派遣社員の個人情報の守秘義務を派遣業者に義務づけるべきだという見解が出され、4月中にもまとめられる労働者派遣事業法改定の最終報告案に盛り込まれる見通しとなった。

3/31 毛織物業など7業種に助成金(日経):労働省は、毛織物業、下着類製造業など7業種を雇用調整助成金の対象業種として指定した。

3/30 セクハラ防止、待ったなし(日経夕刊):来年4月に施行される改正男女雇用機会均等をにらんで、行政機関が開く企業向けのセクハラ対策セミナーは盛況。研修や行動規範作りなど、各社の対応の様子を描いている。

3/30 米、技術者増へ産労教連携(日経夕刊):米産業界、労働組合、教育界が協力して技術者の育成と地位向上に乗り出すことになった。ハイテク技術者から伝統的な技術者までを対象に、標準レベル定め、習得者に認定証を出す新組織「製造業技術標準協議会」が発足した。

3/30 破産引っ越し業者、賃金未払いで書類送検(朝日夕刊):引っ越しサービスの派遣業務をしていた株式会社エプロンレディが昨年経営破綻し、賃金未払い者が大量に出た問題で、東京労働基準局は労働基準法違反の疑いで東京地検に書類送検した。

3/30 ロシア、地底に80日給料払え(朝日):賃金の未払い問題が続発しているロシアで、賃金の支払いを求めて金鉱に80日立てこもっている労働者達のルポ。

3/30 アルバイト、「生活のため」(日経):学生援護会が実施した「アルバイト実態調査」によると、過去一年間にアルバイトを経験した大学・高校生の比率が1年前よりも増加し、その目的も「生活費補填のため」が増えている。

3/30 「働くルール」知っておこう(朝日):高校で労働法のガイダンスを行ったり、大学生が地域労組の団体交渉の席に出てゆき、法と現実のズレを学ぶなど、新しい試みが出てきている。

3/27 松下、退職金前払い一般社員を対象に(日経):松下電器産業は退職金前払い制度の対象者を8万4千人の一般社員すべてに広げることを決めた。前払い制度は、退職金や福利厚生を受けられないかわりにその分を年収に上乗せするAコースと、退職金分だけを上乗せするBコースからなる。

3/27 障害者雇用支援のために全都道府県に拠点(日経):労働省は身体・知的障害者の就職を促進するために「障害者雇用対策基本方針」を策定した。現在8カ所にある障害者雇用支援センターを各都道府県に設置するほか、重度障害者の雇用場所を確保するのが重点。

3/27 電炉、雇用調整助成金を申請(日経):鉄鋼・非鉄業界で雇用調整助成金を申請する動きが広がっている。普通鋼電炉工業会は雇用調整助成金の給付対象業種に指定するよう労働省に申請した。

3/27 全国主要港で明日からスト(日経):日本港運協会との春闘交渉が決裂した全国港湾労働組合協議会は29日から日曜操業を拒否。30日からは夜間就労を拒否する無期限ストに突入する。

3/27 今年の新入社員は?(日経):優秀で「やる気」を見せる者が多いが、入社前から転職を口にするなど専門職志向が強い。現代コミュニケーションセンターでは「過保護で育ち、過去の生活習慣を取り除くのが難しく、なかなか真っ白な紙になれない」という意味で「再生紙型」と命名。

3/27 完全雇用神話崩壊中高年・若年男性足かせ(朝日、日経):昨日総務庁発表した完全失業率が最悪を更新したのをうけての記事。朝日の「時々刻々」は終身雇用自体が崩壊しつつあると少々センセーショナルに、日経は冷静に55〜64歳の男性と15〜24歳の男性の二つの層の失業率の高止まりが目立っている点を指摘している。

3/27 失業率最悪3.6%に上昇(朝日夕刊、日経夕刊):総務庁の発表によると2月の完全失業率が3.6%に上昇し、完全失業者数も246万人と調査開始以来、最悪を記録していることがわかった。自発的離職が減り、リストラ失業の色彩が鮮明になってきた。各紙ともハローワークや人材銀行の状況など関連を記事を載せている。

3/27 即戦力の新卒派遣(日経夕刊):今春卒業したばかりの女子大生が、派遣社員として研修を受けている記事。

3/27 山一元社員の再就職率、70%(日経夕刊):伊吹労相は山一証券の元社員の再就職率が3/20現在で70%となったことを明らかにした。

3/26 私鉄バス、スト(朝日夕刊):春闘が続くなか、26日始発から全国の中小私鉄バスなどが相次いでストライキに突入した。

3/26 「工事代払え」下請け結束(朝日夕刊):労組(全日本建設運輸連帯労組)が設置した「下請けいじめホットライン」が縁となり、大手企業と交渉するための下請け建設業者達の組織作りが進んでいる。

3/26 業務委託、企業の5割実施(日経):労働省のまとめた97年の産業労働調査によると、業務委託を行っている企業が5割に上った。委託によって企業の3割が人件費を減らせたと回答し、さらに従業員を減らす効果があると回答した企業も2割あった。労働省によると「委託の増加は、受託企業から見れば新たな雇用機会の創出」だそうだ。

3/26 人事、アメもムチも強化(朝日):年収の切り下げと社内公募制を行う安田信託銀行と、年功制を廃止した富士通。

3/26 産休で賞与不支給は違法(朝日、日経):産休を欠勤扱いとしたうえ、出勤率が足りないとしてボーナスを全く支給しなかったのは不当だとして代々木ゼミナールの女性職員が同学校法人に2回分の賞与支払いを求めた訴訟で、東京地裁は支払いを命じる判決を下した。裁判長曰く、「こういう取り扱いをすれば、女性職員が出産を断念せざるを得ない事態も考えられ、労働基準法や育児休業法の趣旨を無視している。公序良俗に反し、無効だ」。

3/26 春闘は生き残れるか・下(日経):労組の横並び決着を批判するルポ。同一労働同一賃金という考え方は日経の記者にはないらしい。

3/26 来春の採用、回復足踏み(日経):日本経済新聞社が実施した99年度採用計画調査の一次集計では、来春の新卒採用は3年ぶりにマイナス(1.5%減)に転じる可能性が強くなってきた。

3/26 「春闘は護送船団方式」発言めぐり労相が釈明(朝日):連合の鷲尾会長は伊吹労相と会い、先の「春闘は護送船団方式」などとした労相の発言を撤回するよう求めた。これに対して、労相は「護送船団方式は金融システムの問題を指す言葉として使われており、別の表現にすべきだった」と釈明。

3/26 中小私鉄スト準備(朝日):私鉄総連の賃上げ交渉は、99組合が妥結、139組合が交渉を続けている。関東地域では中小10社がストライキを準備。

3/25 国労組合員の救済命令(朝日夕刊):中労委は国鉄が分割・民営化された際の職員の配属差別をめぐり、JR東日本と国労東京地本が争っている事件で、不当労働行為があったと認定。JR東日本に救済命令を出した。

3/25 春闘は生き残るか・中(日経):「賃上げ偏重」から脱却した鉄鋼労連の事例。隔年春闘に移行し、他に先駆けて制度改革に着手したことを評価したルポ。

3/25 富士通、年功賃金を全廃(日経):富士通は今年10月から全社員の昇給・昇格を職務と目標達成度だけで決める成果主義型の賃金制度に移行する。新制度では年齢給の要素が残っていた主事・主事補などの職能資格を廃止。また本給と成果給ともに査定対象にしている。

3/25 松下、株価上昇に連動して報酬(朝日):松下電器産業は98年度に課長職以上の年俸制の社員1万千人を対象に株価の上昇に連動した新たな報酬制度や、役員を対象にストックオプションを導入すると発表した。

3/25 東芝の来春の採用計画、650人(朝日):東芝は99年春の新卒採用者を今年より500人減らした650人までに絞り込む。

3/25 年俸制、企業の18%が導入(日経):中央労働委員会がまとめた97年の賃金総合調査の結果。その他、男性を100とした場合の女性の所定内賃金は63.7など。

3/24 エイズ差別で、米国日通を提訴(日経夕刊):米雇用機会均等委員会はエイズに感染した元従業員を差別としたとして、米国日本通運を米連邦地裁北イリノイ支部に提訴した。

3/24 インターネットで求人情報(日経):地方に拠点を置くベンチャー企業2社が相次いでインターネットを使った求人・求職情報サービスに乗り出した。

3/24 労相発言に連合側反発(朝日):3/20の日経とほぼ同内容の記事。

3/24 春闘は生き残るか・上(日経):処遇の個人化が進むなかで、「横並び」的春闘を批判。電機連合が俎上に挙げられているが、やっぱり日経だねという内容。

3/23 裁量労働制で働いてみれば・・・(日経夕刊):関西大学助教授森田雅也氏の調査の中間報告。裁量労働制を導入して、労働時間が減ったとする人は2割未満。導入にあたって肝要となる点について論じている。

3/22 風貌98・鷲尾悦也(日経夕刊):今春闘では「きつい」洗礼をうけた連合会長の横顔。

3/23 「ヤマの男」に鎮魂碑を(朝日夕刊):福島県常磐炭田で働き、命を落とした「ヤマの男」たちを鎮魂する記念碑作りがいわき市で進められている。1昨年3月「常磐じん肺訴訟」が解決し、その原告関係者達が企画した。記念碑のアイデアスケッチを30日から公募する。問い合わせ先はTel0246-24-2340まで。

3/23 就職活動、ゼミで記録(朝日):恵泉女学園大学の4年生達が就職活動の記録をゼミでまとめた。

3/23 おやじの背中・川人博氏(朝日):過労死弁護団で知られる川人氏の父親像。

3/23 米コダック、全世界の社員にストックオプション(日経):米イーストマン・コダック社は全世界の従業員9万人にストックオプションを供与する。リストラで広がっている不安を解消し、会社への忠誠心を高める狙いがあると見られる。

3/22 日産、系列優先を廃止(日経):日産自動車は系列優先の部品取り引きを廃止する。部品メーカの協力組織を系列色を排した組織として抜本的に改編し、品質と価格だけで取引先を決める購買政策に転換する。