98年4月下旬の労働関連の記事

4/30 若手の転職、重視するのは?(日経夕刊):転職情報誌出版のキャリアデザインセンターの調査によると、若手(25〜35歳)の転職の際に最も重視する項目として「給与待遇」をあげた人の比率が前年に比べ1.8ポイント増の17.5%。「仕事のやりがい」は6%(同5.1ポイント減)。他に、「会社の業績」が8.3%(同5.5ポイント増)、「会社の今後の方向性・事業ビジョン」1.9%(4.4ポイント減)となっている。

4/30 欧州労連書記長と会見(日経):欧州各国の労働組合団体を統括する欧州労連の書記長に日経の記者がインタビュー。欧州内の金属・機械労組の連携の枠組みが今年からスタートさせたが、同様の枠組みを他産業にも広げる考え。

4/30 期間工、トヨタ・日産半減(日経):自動車各社で期間工の削減が動き出した。トヨタでは3000人働いていた期間工を3月に2000人まで削減。現在は、1500人まで減っている。日産でも、全社で500人。

4/30 高齢者でも働きたい(日経):日本労働研究機構の「働き方と生活設計調査」(首都圏の40〜59歳の男性を対象)によると、年をとっても働き続けたいと思っている男性が多いことがわかった。60〜64歳の生活設計では89.5%が「何らかの形で働き続けたい」としている。

4/29 デンソー、採用半減(日経):デンソーの発表した99年度の採用計画によると、全体の採用人数は520人と今春の半減。大卒技術系は150人で約6割減。

4/29 トーメン、事務系一般職採用見送り(日経):トーメンは99年度に限り事務系の一般職(短大卒以上)について採用を見送ると発表。組織スリム化の一環。

4/29 レナウン、希望退職者589人に(日経):経営再建中のレナウンは3月末に募集した希望退職者数が当初予定の500人を超え、589人になったと発表。

4/29 失業率最悪(朝日、日経):昨日の総務庁の発表した最悪の失業率を受けての解説記事。

4/28 3月の失業率、最悪更新(朝日夕刊、日経夕刊):総務庁が発表した3月の完全失業率は3.9%となり、これまで最も悪かった2月を3ポイント上回り、最悪を更新した。若年層と高年層の悪化が目立っている。朝日は製造業・建設業の悪化を、日経はリストラ解雇が露骨なやり方になってきたことを関連記事で扱っている。

4/28 高校新卒の就職内定率(日経):今春高等学校を卒業した高校生の内定率は3月末で96.2%。昨年同期の96.7%から0.5ポイント低下。

4/27 働く女性とビッグバン(日経夕刊):金融改革が進む中で一般職の処遇をめぐり選別や競争が進んでいる状況をルポ。

4/27 パート求人件数、5割増加(朝日夕刊):昨年のパートの求人件数は前年度よりも52%増えていたことが、折り込み求人広告の最大手アイデム社のまとめでわかった。

4/27 ホームヘルパー仕事が「きつい」(朝日):国民生活センターが行った首都圏のホームヘルパーを対象とした調査によると、1ヶ月26日以上働いても月収が16万円に満たない人が約7割を超え、労災保険の適用も受けられない人が少ないということがわかった。

4/27 今春の初任給(日経):民間調査機関、労務行政研究所がまとめた調査によると、3割の企業、特に非製造業では6割の企業が初任給を据えおいていたことがわかった。

4/27 女たちの静かな革命・年金の死角(日経):公的年金の財政悪化に対して女性の労働力率が増えていけば大きく変わるのではという視点からの記事。

4/26 東芝・日立、経営改革へ(日経):総合電機の東芝、日立が持ち株会社をにらみ経営改革に着手。その実現を左右するのが労使の意志統一であるとしている。記事では「持ち株会社化は同一の労働条件の獲得を目標としてきた組合の存在意義を問うことになる」としている。

4/26 鐘紡、本社の間接人員13%削減(日経):鐘紡は本社の間接辞任を3年間で13%削減する。現在530人の本社人員のうち約70人をグループ企業の営業部門への配転などで圧縮する。「大企業病を排除する」のが狙い。

4/25 住宅改修会社、破綻(朝日夕刊):東京・大阪を中心に住宅リフォームの営業を行ってきた東亜が事実上の倒産。賃金不払いが続けられてきた社員には手書きの詫び状が送られてきただけ。社員や現場作業員らの賃金確保を目指す労組(日本建設運輸連帯労組)が本社や、東京本店ビルを占有。大阪中央労基署は労基法違反による刑事処罰を視野に入れた調査に乗り出した。

4/25 福利厚生を一括代行(日経夕刊):リストラの一環で社内業務をアウトソーシングする企業が増える中で、社員向けの福利厚生を代行するビジネスが注目を集めている。日本信販、パソナグループなどの企業が事業に乗り出す。

4/25 パート従業員の契約更新、正当な事由なく拒絶違法(朝日):長期雇用化したパート社員の契約を公開しなかったことをめぐる裁判で、盛岡地裁で「期間の定めのある労働契約であっても、労働者が更新を相当程度期待し、雇用者も更新を拒絶する正当な理由がない場合、拒絶することは権利の乱用になる」との判断を下した。画期的な判決です。

4/25 文化シャッター、団体保険訴訟和解(朝日、日経):会社が従業員にかけた団体定期保険をめぐり死亡した社員3人の遺族が文化シャッターを相手に総額を引き渡すよう求めていた訴訟の控訴審で、遺族側と会社側の和解が成立。

4/25 トヨタ、大卒採用3年ぶり減(日経):トヨタは99年度の採用計画は、大卒採用を355人(123人減)、短大のなどの事務系を270人(76人増)。総合職と一般職の区別を撤廃し、一般職採用はゼロとする。来春以降は事務系と技術系の区分にとどめ、資格制度も一本化する。

4/24 労基法改訂を笑って知って(朝日夕刊):24日、横浜市内で開かれる憲法記念集会で労働法の見直しをテーマに寸劇が上演される。

4/24 30・40代の賃金、ばらつき拡大(日経):労働省の賃金基本調査の結果、30・40代で賃金のばらつきが大きくなっていることがわかった。「分散係数」は30〜34歳で0.3、40〜44歳で0.4といずれも5年前の92年よりかなり上昇。

4/24 女たちの静かな革命・育児休暇の穴(日経):優秀な女性社員に残ってもらうために育児休暇を充実させる企業のレポート。

4/24 アジアの日系企業の雇用調整へ40億円(日経):政府はASEAN内の日系企業に対し現地の雇用調整を支援する対策をまとめた。現地雇用した熟練工や技術者を一時的に域外に社内異動させ、コストの一部を政府が補助する。

4/24 JR東日本、女性列車運転士募集(朝日・日経):男女雇用機会均等法の改正に沿って、JR東日本は運転士候補生を高校・短大・専門学校卒業者から募集。最短で2002年から運転業務につく女性が誕生することになる。

4/24 野村証券、大和証券、総合職にコース制(朝日):大和証券は入社後に金融商品の開発部署に配属する「専門枠」を総合職の中に設け、他の総合職と区別して選考する「コース別採用」を始める。野村証券も、「オープン」(配属先の特定をしない)、「リサーチ」(投資アナリスト)、「エンジニア」(金融商品開発など)と3つのコースを分けた採用を行う。

4/24 新入社員、転職容認7割超える(朝日):社会経済生産性本部の行った今年の「新入社員意識調査」の結果、若者の組織離れが進んでいることが明らかになった。「それなりの理由があれば転職してもよい」という新入社員が74.1%、「条件のいい会社があれば、さっさと移る方が得だ」と考える社員も39.7%とどちらも過去最高を記録した。

4/23 人材派遣、原則自由化へ最終報告(朝日):中央職業安定審議会の小委員会は人材派遣の対象業務の原則自由化(ネガティブリスト方式)を柱とした最終報告案を提示することになった。それによれば、派遣の期間は、従来から派遣が行われていた業務に関しては実質3年、新しく派遣が可能になる業務に関しては1年を上限とするとしている。

4/23 NTT、採用3割削減(日経):日本電信電話は99年度の新卒採用計画を発表した。採用予定数は1700名(大卒1350人、高卒・短大卒350名)。分離分割を控えて、5年ぶりに2000人以下となった。

4/23 偏差値、人事管理に透明性導入(朝日):リクルートで偏差値をもちいて人事評価を行うシステムを開発し、現在その子会社「人事測定研究所」社長である釘崎氏の話。「能力主義のもとでは、今まで以上に人事管理のエネルギーが必要になるんです」とのこと。これからは、会社員も偏差値にびくびくする時代に?

4/22 新卒採用現場、女性面接官で変わる?(日経夕刊):最近の採用現場で目立つのが女性面接官。企業の側では男性面接官が気づかない学生の特性を見いだせ、学生の側では同性ゆえに本音を聞けるというメリットがある。他方で、セクハラ防止という意義を持つという。少しかもしれないが、確実にこれまでのあり方に風穴を明けているようだ。

4/22 労基法改正案、衆院審議入り(朝日):衆院は裁量労働制の拡大などを盛り込んだ労働基準法改正案の審議に入った。

4/22 労働団体、「労基法メーデー」に(朝日):連合などの各労働団体は、今年のメーデーを改悪反対を訴える「労基法メーデー」として位置づけ、廃案あるは修正を目指して国会内外での運動を強める構えである。

4/22 日本コダック、希望退職で250人削減(日経):日本コダックは、親会社の米イーストマン・コダックの99年までに全世界で1万9千人の削減を目指すリストラ策に沿って、日本法人でも250名の削減を行う。

4/22 学研、2年で250名削減(日経):業績不振に陥っている学習研究社は、希望退職を募り98年度から2年間で人員を250人削減し、全国46支社を5支社8支店に集約するなどのリストラ策を発表。

4/22 大手製薬会社、研究員に成果主義(日経):武田製薬などの大手製薬会社が研究部門の活性化に向けて、社内制度の改革に乗り出している。武田製薬は「裁量労働制」を研究職に導入。キッセイ薬品と協和発酵は研究成果に対する報酬制度を充実する。

4/22 雇用給付金を拡大(日経):政府の総合経済対策に盛り込む雇用分野の施策が明らかになった。中高年雇用企業への助成枠の拡大、一時帰休を実施した企業への補助率拡大、労働者の能率開発支援などからなる。

4/21 独、雇用改善の兆し(日経):ドイツ連邦銀行は4月の月報で、ドイツの失業者数が2月3月と2ヶ月連続したことで、雇用情勢が今後好転するとの可能性を示唆した。

4/21 全日空労組、ストを中断(朝日、日経):ゴールデンウィークを控えて、全日本空輸の乗員組合はストを暫時中断すると会社側に伝えた。日経の記者がヒステリックなほどにストを非難するはなぜ?権利を行使することがそんなに悪いことなの?

4/21 来春採用、大卒3年ぶり減(日経):日本経済新聞がまとめた採用計画調査の2次集計によると、民間企業の99年度の大学新卒採用者数は今年度実績に比べて2.6%減と、3年ぶりに減少する。