98年10月下旬の労働関連の記事

10/31 ダイエー、セクハラ防止へ協定(朝日夕刊):ダイエーの労使が「セクシャル・ハラスメントに関する協定」を締結することで合意。協定は前文と11の条文からなり、使用者責任を明記し、被害者は会社か組合に申し出る仕組み。被害者保護も行われる。ダイエーの組合、ダイエーユニオンの今年3月の調査では女性組合員の約6割が「何らかのセクハラを受けたことがある」と答えていた。

10/31 凍りつく雇用・下(日経):今回の雇用不安を中堅層直撃型ととらえ、政策が失業対策にこだわり続ける前例主義に陥っている点を挙げ、大胆な「失業予防策」を打ち出すことを求めている。

10/30 今夏ボーナス、2.1%減(日経夕刊):労働省の発表した毎月勤労統計速報によると、今年の夏のボーナスは一人あたり平均46万7902円で、前年比2.1%減少した。9月の一人あたり現金給与総額も0.7%減少し、6ヶ月続けてマイナスとなった。

10/30 連合、春闘論議スタート(朝日):連合は熱海市で中央討論集会が開き、春闘論議が始まった。連合会長は「交渉の難航は必至」としながらも、「賃上げを遠慮したからといって雇用が守られる保証はない」と挨拶。

10/30 大和証券、退職金前払い制度導入(朝日):大和証券は新しい退職金制度を発表。退職金の前払い制度の導入、年功的色彩の制度を改め、退職金への能力査定の反映するなどが主な柱。

10/30 冬の賞与、民間企業平均前年比3.2%減(朝日):あさひ銀行総合研究所が発表した冬のボーナス支給予測によると、民間企業の一人あたり平均支給額は約53万4千円で、前年比3.2%減になる見通し。

10/30 都銀の賞与、冬は厳しく(朝日):東京三菱銀行と三和銀行は、今冬支給の賞与を前年以上の削減するという回答を労組に提出。東京三菱は前年比12%減、三和は15%減。

10/30 凍りつく雇用・上(日経):減産拡大→本格的な社員の削減という状況が続く中で、政府の雇用への取り組みが遅れている状況をルポ。

10/30 インターンシップ、大学の1/4実施へ(日経):文部省の行った調査によると、インターンシップを授業科目として実施したり、また実施を予定している大学が26.3%に達していることがわかった。特に国立大学での実施率が高く、半数以上の大学が導入を予定していた。

10/29 連合、生活実態調査(日経、朝日夕刊):連合が組合員を対象にして行った「生活実態調査」で、生活に不満を感じている人が6割に達していることがわかった。職場生活の不満では、現在と将来の賃金についで、「定年まで働き続けられるか」、「会社の将来性」などが挙げられ、現在の雇用不安を反映した結果となっている。

10/29 総合電機、賞与に部門間格差(日経):東芝、三菱電機、日立などで賞与に部門間格差を付ける動きが出ていることを伝えている。東芝、日立が一般労働者まで含めているのに対して、三菱電機は部長級以上の管理職を対象。

10/29 三和、賞与を15%削減(日経):三和銀行は今年の冬と来年夏の賞与(ボーナス)の支給額を前年実績に比べて平均15%削減する方針を労組に伝えた。他の都銀も追随する可能性が高い。

10/28 長野の自殺、過労死認めず(朝日夕刊):プレス工が自殺したのは過労が原因だとして妻が再審査請求を行っていた件で、労働保健審査会は請求を棄却。最近の流れに反する決定がなされた。

10/28 東芝、ボーナスに部門業績反映を検討(朝日):日立製作所に続いて、東芝も社員が所属する部門ごとの業績を反映した新しいボーナスの算定方法を労組に提案した。

10/28 大企業の雇用力もう限界(朝日):企業内失業を抱え込む企業への市場評価が冷たくなっている状況をルポ。社会全体で失業をどう受け止めるか真剣に議論すべき時に来ているとしている。

10/28 労働省、中小企業の雇用支援(朝日):労働省は緊急雇用対策をまとめた。中小企業の一般労働者の賃金を助成して新規事業創出を促すことや、中高年の失業者の再就職支援策などが柱となっている。

10/28 店長は働き過ぎ(日経):労働研究機構がまとめた「小規模小売店・飲食店の就労実態調査」によるとチェーン加盟のオーナー店長の1週間の労働時間は61.8時間で、従業員の労働時間も49.3時間の長時間労働であることがわかった。

10/27 9月の失業率4.3%、最悪続く(朝日夕刊、日経夕刊):総務庁が発表した9月の完全失業率は4.3%で前月同様最悪の状態が続いている。求人倍率は、0.49倍と過去最悪を記録した。

10/27 激しさ増す中高年の職探し(日経夕刊):高い失業率が続く中、中高年対象に開かれた就職面接会の風景をルポ。求人数が圧倒的に少ないなか、給与を下げても仕事が欲しいという人たちが増えてきている状況を伝えている。

10/27 休業急増に無力感(朝日夕刊):生産調整のために臨時休業や社員の自宅待機を行うために、国に雇用調整助成金の支給を求める企業が急増している。臨時休業を経験した企業に働く従業員の声を取り上げている。

10/27 サラリーマン襲う「心の病」(日経夕刊):リストラが続き、雇用不安が高まる中でノイローゼや鬱病になるサラリーマンが目立ってきている現状のルポ。

10/27 日産・三菱、自動車製造ラインを連続2交代制に(日経):日産自動車の4工場と三菱自動車の一部工場で、コスト削減のために、連続二組二交代制を導入して深夜勤務を減らす試みがなされ始めた。

10/27 都銀各行、年収引き下げ(日経):大手銀行各行は、来月初めにも今冬と来夏の賞与の支給額を前年実績で1〜3割削減する案を提示するなど、リストラを強化する。大和銀行、富士銀行、さくら銀行などの例が挙げられている。

10/26 なぜ今、相次ぐ女性だけの会社(日経夕刊):タクシーやホテルなどで、女性社員だけの会社が出てきている。コスト削減を背景として出てきているこうした現象を、女性の職域拡大と見て歓迎すべきなのか、形を変えた差別(男女格差が見えなくなるなど)であるのか見解が分かれている状況を取材。

10/26 米航空業界、労働争議再燃も(日経夕刊):景気の減速に備え賃金上昇を抑制したい経営側と、現在の好景気を材料に強硬姿勢を続ける労組側という構図の中で、フェデラルエクスプレスのパイロット組合がスト権を確立、ユナイテッド航空では社長の退任に追い込むなど、労組側の攻勢が続いている。

10/24 元OL、週末はストリートミュージシャン(朝日夕刊):突然解雇されたOLが心を癒すために週末に街角で歌い始めた。職を探し始めるが、相変わらず厳しい状況をルポ。

10/24 日立、部門事にボーナス格差(朝日):日立製作所は、この冬のボーナスから事業部門の業績を反映した格差をつけることを組合に提案した。部門事の格差は既に課長以上の管理職に導入されており、最大で2割程度の格差がついている。

10/24 週労働時間40時間切る(朝日、日経):労働省が発表した97年の賃金労働時間制度総合調査によると、1企業平均の1週間の所定労働時間が調査開始以来初めて、40時間を割り、39時間31分となった。他方、変形労働時間制を取り入れている企業が54.4%となり、これも初めて5割を超えた。

10/24 全労連は「不況打倒春闘」(朝日):全国労働組合連合(全労連)は評議委員会を開き、来春闘の方針案をきめ、雇用危機を打開するための「不況打開春闘」と位置づけるとした。

10/23 松下、退職金前払い選択社員1.8%(日経):松下電器産業は退職金前払い制度を、今春の新卒者だけでなく、一般社員にも広げたが、新卒採用者の44%が選択したのに対して、一般社員では選択率が1.8%にとどまっていることを明らかにした。

10/23 日本IBM、62歳に定年延長(日経):日本IBMは100%子会社に転籍を希望する50歳以上の社員の定年年齢を現行の60歳から62歳に引き上げた。同時に55歳以上の専門職を対象とした契約社員制度を創設し、週4日の勤務で原則的に62歳までの勤務を認める。

10/22 リストラ企業いじめが多発(日経夕刊):日本精神保健社会学会のまとめた「職場のいじめ調査」によると、「いじめあり」の半数はリストラ中の企業であり、「なし」の20%を大きく上回った。またリストラによって自信を失う人と自分だけは力があると思う人の二極分解が起こっているともしている。

10/22 前労働事務次官に聞く(日経夕刊):先日退職した初の女性事務次官、松原氏へのインタビュー。<改悪>された諸労働立法に対する記者のつっこみに、何ら現実的かつ説得的な反論がなんらなされていないところがおもしろい。個々の企業に設置される「労使委員会」にその規制力を求めているが、これでは「リストラされてよい省」だと自分で言っているようなものだ。

10/22 中小企業の6割、新卒採用予定なし(朝日):全国中小企業団体中央会がまとめた労働事情実態調査結果によると、常用労働者、パートタイマーとも昨年より減っている企業が多く、来春の新卒者の採用計画がある企業も昨年より10ポイント減の21%。計画のない企業が約6割を占める。

10/21 外資系だって社員旅行(日経夕刊):社員旅行を実施している日本企業が76%と過去最低を記録する中、「意外にも」外資系で実施されている例を取り上げ、その機能を社員の相互協力やコミュニケーションの円滑化にあるとしている。

10/21 大卒内定12.7%減(日経):日本経済新聞社の調べによると、99年春の大学新卒採用者数は3年ぶりに減少することが確実となった。「当初計画に対し内定数が減った」とする企業が全体の24%を締め、景気の悪化とともに採用を手控えているのが原因。