98年11月下旬の労働関連の記事

11/30 マンデー日経・揺れるアファーマティブ・アクション(日経):女性や黒人などのマイノリティを優先的に採用・入学させる米国のアファーマティブ・アクション(差別是正措置)が、最近、2州で廃止された。アファーマティブ・アクションを巡って賛否が割れるアメリカの現状をルポ。

11/30 シンガポール政府、賃金削減促す(日経):シンガポール政府は、競争力を回復するため、民間企業の賃金を97年の水準から5〜8%下げることなどをもとめた新たな指針を決定した。

11/29 失業、数字以上に深刻(朝日):過去最悪の失業率が続く中、求職活動に追われる中高年・女性の厳しい現状をルポ。エコノミストの間では、7%まで失業率は悪化するとの予測もでている。

11/29 エイズ、職場の意識改革進まず(朝日):働き盛りの年代の人たちにエイズ感染者が増えるなか、就労対策を後退させる企業が増えている。その現状と、問題を考えさせる記事。

11/29 強い会社は、終身雇用(日経):日本では終身雇用が問い直される中、アメリカでは長期雇用のメリットに着目し、成果を上げている企業がでてきている。日本的慣行が本当に駄目か?を問うた記事。

11/29 成果主義、下り坂の実験(日経):ホッチキスなどのメーカー、マックスが今冬のボーナスを前年比で約40%減額した。その背景には業績連動の成果配分方式(事業税プラスボーナス配分前の営業利益の28%)をそのまま適用したことにある。はたして業績が下り坂にある時に、成果配分方式は悪循環に陥らないのか。その経営者の成果が厳しく問われると森一夫編集委員はしている。

11/28 大企業、内部留保は1人3000万円(朝日):全国労働組合総連合(全労連)がまとめた「検証・大企業の内部留保」によると、主要企業434社の内部留保総額は約94兆2500億円。従業員一人あたりでは約3000万円となった。内部留保を2.1%取り崩すだけで、平均3万5000円の賃上げが可能であると全労連はしている。

11/28 雇用不安、消費に重圧(日経):企業のリストラ増により、一人あたりの賃金、雇用者数が急減し、98年の雇用者所得は前年に比べ総額で4兆円程度減る公算が大きくなっている。

11/28 伊でスト大幅減(日経):イタリアでストライキが大幅に減少し、1〜10月の全国総ストライキ時間は、前年同期比60.5%減の300万時間出会った。労組が左翼民主党のダレーマ首相への「連帯」を表明しており、今後も低水準で推移しそうである。

11/28 英ローバー、3000人削減(日経):BMW傘下の自動車メーカ英ローバーの組合執行部は3000人の雇用削減を含む経営合理化で会社側と基本合意。組合側は来週中にも全国の組合員に諾否を問う予定。

11/27 失業率4.3%、3ヶ月連続(朝日夕刊、日経夕刊):総務庁が発表した10月の完全失業率は前月と同じ4.3%で過去最悪が続いており、非自発的失業者数は94万人で過去最悪を記録。また、労働省が発表した有効求人倍率では前月を0.01ポイント下回る0.48倍となり、63年以降の最低を記録。

11/27 現金給与、0.1%減少(日経夕刊):毎月勤労統計速報によると10月の一人あたりの現金給与総額は29万3514円で前年同月に比べ0.1%減少した。給与の減少は今年4月以降、7ヶ月間続いている。

11/27 再就職、厳しさ増す(日経夕刊):アウトプレースメント(再就職支援)会社の利用者が増えているが、再就職先が決まるまでの期間が長期化し、条件面でも妥協を強いられている状況のルポ。

11/27 視界ゼロ・瀬戸際ニッポンの悲鳴(朝日夕刊):現下の不況が仕事や生活に与えてきた影響をルポしてきた視界ゼロに寄せられた投稿の紹介。

11/27 銀行リストラ、コスト削減力不足(日経):都銀の賞与が大幅に削減されるなか、まだまだ銀行の賃金は高すぎるという意見を引き合いに出しながら、能力主義の徹底を求めている記事。

11/27 日立、3300人を子会社に(日経):日立製作所は業績低迷が続く家電産業のリストラ策として、99年4月末までに製造部門の従業員約3300人を製造子会社に出向・転籍させると発表した。

11/27 IMF・JC、来春闘要求案3%(日経):金属労協(IMF・JC)は三役会、常任幹事会を開き標準労働者(35歳、高卒、勤続17年)の場合ベースアップ1%、額で3000円(平均賃上げ方式ではベア1%プラス定昇2%の9000円)とする99年春闘の要求方針案をまとめた。

11/27 就職戦線、外資系セミナー中止(朝日):12月に東京都内で予定されていた「外資系企業合同セミナー」が、「就職戦線の早期化をあおる」とする日本私立大学連盟の申し入れで中止されることになった。 

11/26 少子化が増やす「無業者」(日経夕刊):最悪の大卒の就職内定状況の中、卒業しても就職の意志がなく、無業者やネオ・フリーターとなる学生が増えていることを扱ったコラム。

11/26 中高年受け入れに補助(朝日、日経):中央職業安定審議会は、雇用保険法の省令改正案を労相に答申し、「中高年労働移動支援特別助成金」という名目でリストラを迫られている企業から中高年を受け入れた事業主には補助を受け入れられるようにする。

11/26 三菱自動車、一時帰休(朝日、日経):三菱自動車はトラック生産の3工場で一時帰休を始め、雇用調整助成金の給付を申請する方針であることを明らかにした。

11/26 新規格の軽自動車、増産体制(日経):新企画の軽自動車の好調な販売を受けて、ダイハツや三菱自動車ではライン運用の効率化で、スズキ自動車では休日出勤による稼働率アップを行う。

11/26 初任給の伸び率1%切る(日経):労働省が発表した98年の賃金統計速報によると、今春の大卒男子新入社員の初任給は19万5500円で、前年比0.8%の伸びにとどまった。

11/26 野村証券、何回面接したら内定?(朝日):野村証券は今春の採用活動を情報開示する冊子をまとめ、全国約700の大学の就職部宛に圧そう下。この冊子には「何回面接したら内定がもらえるのか」など選考過程や受験者数、内定者数などについて書かれている。

11/26 ひと・「大人の相談室」を再生させた、深沢純子さん(朝日):大手生保の社会事業として始まったが、昨年リストラにあって閉鎖された「ヒューマンサービスセンター」。都の地労委に救済命令を申し立て、会社から1000万円の解決金を出させ、センターを再出発させた深沢純子さんを紹介。

11/25 失業後支える、新たな試み(朝日夕刊):民間では「リストラ保険」付きの住宅ローン、消費者金融などが出てきた。また北海道では離職者雇用先に奨励金を出すことが決まった。はたして新しいセーフネットとなるかどうか。

11/25 派遣労働巡りシンポ(朝日夕刊):派遣労働ネットワークは28日に「派遣労働者の権利確立を求めるシンポジウム」を開催する。場所は総評会館、午後2時から。

11/25 コマツ、退職金前払い制度導入(朝日、日経):コマツは99年4月から退職金前払い制度を導入すると発表。来春の新入社員117人から適用し、入社時に一括受け取りか前払いかを選択する。

11/25 中高年、職業訓練校へ応募急増(日経):リストラなどで失業した中高年のホワイトカラー経験者で、専門技術を身につけるために職業訓練校を受講希望する人が増えている。そうした背景にはゼロからの再出発を目指す仲間との出会いの場になっているということもある。

11/25 労相、経済団体に新卒採用拡大を(日経):労働省は日経連、日本商工会議所などのトップと会談し、来春卒業する大学・短大生、高校生の採用枠を拡大するよう要請した。

11/25 ヤマトインターナショナル、希望退職に71人応募(日経):ヤマトインターナショナルは、40歳から58歳の社員を対象に10月初旬から募集していた希望退職に71人が応募したと発表した。

11/25 雇用不安、5割超す(日経):電通の消費者実感調査によると、雇用に不安を感じている人の割合が52.7%と、93年の調査開始以来初めて5割を超えた。

11/24 「女性のみ募集」禁止、企業の半数「知らない」(日経):来年4月に施行される改正男女雇用均等法では「女性のみの募集」が禁止されるにもかかわらず、企業で知っているのは約半数にとどまっていることが求人誌協会の調べでわかった。このため求人誌協会では改正内容の周知徹底を求める要望書を労働省に提出することになった。

11/24 トーメン、社内ベンチャー制導入(日経):トーメンは社内ベンチャー制度を導入するが、新規事業の開拓を狙う若手を対象としたプログラムと、独立して第二の人生を歩もうとする中高年向けのプログラムの二つを用意しているのが特徴。後者ではトーメンは出資せず、同社がアウトソーシングを予定している業務を請け負う形での起業などを想定。

11/24 米、企業雇用意欲依然旺盛(朝日):マンパワー社の調べによると、1999年第1四半期に23%の企業が新たな雇用を計画している一方、人員削減を予定するのは10%にとどまっている。

11/23 未払い分返せ、怒る実習生(朝日):銚子の外国人実習生からのピンハネ事件で、技能実習制度を運用する「国際研修協力機構」が相談窓口を設けたところ、被害にあった70人が訪れ次々と不安を訴えた。同機関の理事は「うちには組合への指導や監督権限はなく、出来ることは限られている」とコメントしている。国際研修協力機構のHPには「外国人研修生・技能実習生の受け入れについてのあらゆる相談に応じ受け入れ事業を進める団体・企業等への種々の支援業務」を行っているとなっており、このままじゃピンハネに荷担していたことになるぞ!

11/23 リストラ、支える家族に心の揺れ(朝日):先月連載の「職場がなくなる」の反響。家族に支えられて立ち直ったという声がある一方で、つい冷たい態度をとってしまうという当初も。リストラを乗り越えるための対処法を東京ユニオンの関根秀一郎・書記次長に聞いている。

11/23 東レ、現地社員を国際間移動(日経):東レは海外グループ会社の現地採用社員を国際間で異動・登用する制度を導入。幹部300人を選定し、事業戦略に基づき転勤・配転させ、本体の経営層への登用もねらっている。

11/22 三一書房、経営悪化で労使対立(朝日):書評欄での取り扱い。組合員の退職金支払いを巡って経営悪化が表面化したなど、三一書房が陥っている状況を説明。どうやら使用者側の弁護士が糸を引いている感じである。

11/22 山一後、大樹なき道(朝日):山一証券の破綻表面化から1年。その後の元山一社員を追いかけたルポ。

11/22 労働省、不法就労防止の海外セミナー(日経):外国人労働者が増加していることを受け、労働省は今月24日と26日、タイで「適正就労セミナー」を開き不法就労を防止策や技能・知識を持っている人に対する受け入れ制度などの情報を説明する。

11/22 来春高卒予定者、内定率最低の66%(日経):日本高等学校教職員組合がまとめた10月末の就職希望者の内定率は66%で、調査を始めた93年度以来、最低を記録録した。

11/21 労働基準、アジアに押しつけないで(朝日夕刊):甘利労相は時期ILO事務局長を訪れ、ILOは完全雇用の創出に力を入れ、労働基準の適用は各国の発展段階を考慮すべきだという意見書を提出。アジア36カ国の総意となっているが、シンガポール、マレーシアなど独裁強権国家を後押しするとは、日本政府の人権意識がいかに低いかを物語っている記事。まあ、「先進国」日本が労働基準でお手本を示せないのだからしょうがないとも言えるが。

11/21 外国人雇用事業所、7.5%増(日経):労働省の「外国人雇用状況報告」によると、今年6月1日現在、外国人労働者を直接雇用している事業所は1万9204カ所で、労働者は18万5214人に上ることが明らかになった。昨年の調査に比べ、それぞれ7.5%、2.5%増。「不況で外国人労働者の依存度が高まっている」と労働省は見ている。

11/21 長銀内定者、入行か辞退か(日経):国有銀行となった日本長期信用銀行の内定者たちの動揺をルポ。約40人いた内定者のうち、半数程度が内定を辞退している。

11/21 人員削減関係(日経):殖産住宅は400人の希望退職者の募集、日本電池は今後3年間で400人(全従業員の15%相当)削減、中堅ゼネコンの鉄建も同じく3年間で社員300人削減するリストラ策を発表。

11/21 日興、従業員2000人削減(朝日):日興証券は、来年3月までに約2000人減らして9000人大成にするリストラ策を発表。海外では現地採用従業員の解雇、国内では選択定年制を導入。

11/21 GEエジソン、250人出向解除(朝日):東邦生命保険の営業網の全面的移管を受けていたGEキャピタルエジソン生命保険は東邦生命から出向していた内勤職員の1割にあたる250人の出向を解除。他方で、東邦生命側では出向を解除された職員は全員が東邦生命を退職したとしている。