99年1月下旬の労働関連の記事

1/31 従業員の「過剰感」6割超す(朝日):朝日新聞社が行った200社に対するアンケートでは、6割を超す企業が従業員数に過剰感をもち、99年度中に131社が減らすと回答。削減方法では新規採用を減らす、出向、転籍の拡大が上位をしめた。

1/31 日本郵船子会社、元社員がセクハラ提訴(日経):日本郵船の米国子会社が運営する豪華客船に勤務していた元女性社員が同船の船長と子会社を相手取りセクシャルハラスメントの訴訟を起こした。

1/30 JAS、新賃金制度実質見送り(日経):国内線でのストライキを構えたJAS乗員組合が、ストを中止した背景をめぐる解説記事。新賃金制度の白紙撤回はないが、内容を協議し直すとしており、記事では会社側の「敗北」としている。

1/29 現金給与、初の減少(日経夕刊):労働省が発表した毎月勤労統計速報によると、従業員5人以上の事業所の1人あたり現金給与総額は前年比1.3%減で、現行方式で統計を取り始めた90年以降で初のマイナスを記録。

1/29 失業率、0.1ポイント改善(朝日夕刊、日経夕刊):総務庁がまとめた労働力調査によると昨年12月の完全失業率は4.3%となり、最悪であった前月より0.1ポイント下がった。また労働省の発表した有効求人倍率も0.48倍で0.01ポイント上昇。

1/29 転職したい1割超える(日経夕刊):総務庁がまとめた求職者状況調査による企業に勤めている人の12%が転職を希望していることがわかった。

1/29 JAS乗員組合、スト中止を決定(朝日夕刊、日経夕刊):パイロットの賃金切り下げ問題で国内線でもストライキを構えていた日本エアシステムの乗員組合は、労使交渉の結果、スト中止を決めた。

1/29 豪首相、訓練受けぬ若者への失業手当拒否(日経):オーストラリアのハワード首相は、基本的な読み書きの能力や計算能力に欠けている失業中の若者に対して、これらの能力を身につける補習や訓練を受けない限り失業手当の支給を今後拒否する方針を明らかにした。

1/29 電気連合、ベア3000円提案(日経):電気連合は中央委員会を開き、今春闘の要求を35歳標準労働者でベア3000円、または30万1千円以上に引き上げるとする方針を提案。

1/29 建機、人員削減を加速(日経):建設機械メーカー各社が相次いで人員削減を加速している。新キャタピラー三菱では2002年3月までにグループ社員8000人を6700人に減らす。日立建機も本社社員を500人削減する。

1/29 神鋼、転籍制を再開(日経):神戸製鋼所は中断していた組合員の転籍制を再開すると発表。転籍制度の対象者はグループ会社に出向する55歳以上の組合員。特別退職金の支払いなどで約200億円の特別損失が発生するが、年間の人件費は50億円減少する。

1/28 税制優遇女の壁・企業積極利用に転じる(日経夕刊):パートタイムで雇用する主婦の年収の上限を103万円や99万円に抑えたり誘導したりする企業が増え始めた。この額は主婦が税制上の優遇を受けるための上限額で、一見すると主婦への配慮のように思われるが、企業の側の目的は社会保険料負担の軽減や短期労働力の確保であり、仕事のうえで女性が自立することを妨げているとしている。

1/28 36万人の雇用創出・維持効果(日経):労働省は昨年6月から実施している雇用対策による雇用の創出・維持効果が約半年で36万人に上回ったことを明らかにした。うち新規雇用は7万6千人。

1/28 三菱マテリアル、人員を8%削減(日経):経営環境が厳しくなっている三菱マテリアルは、本社ビルの売却や社員数の8%削減、役員、管理職給与のカット幅の拡大などを柱とした経営改善策を発表した。

1/28 シリコンバレー、雇用が示すリストラ期(日経):98年は雇用数の伸びが鈍化したシリコンバレー。アジア危機などでハード部門の輸出が落ち込み人員削減が行われているが、ソフトウェア産業はインターネットという波に乗り元気であるとしている。

1/27 省庁再編、女性行政は…(日経夕刊):省庁改革議論は一段落を迎えたが、再編により女性関連の行政はどう変わっていくかが不透明である。労働省と厚生省との新局名をめぐる争いが起こったが、実務レベルではあまり変わりそうにない現状をルポ。

1/27 通産省、カフェテリアプラン普及へ研究会(日経夕刊):通産省は福利厚生制度から従業員がメニューを選別できる「カフェテリアプラン」の普及に向けた研究会を発足させる。日本で普及を妨げている課税基準が不明確さをどう解消するかなどを議論する。

1/27 富士通も退職金前払い(朝日):富士通は2000年度にも、退職金を給与に上乗せして前払いできる制度を導入すると明らかにした。富士通の場合、雇用形態の変化に加え、企業会計が国際会計基準に準拠することで、退職金引当金などの会計ルールが様変わりすることが大きな要因となっている。

1/27 石油・建設、リストラ加速(朝日):石油業界、建設業界で人員削減や資産売却によるリストラが加速。東急建設は26歳以上の社員を対象とした1300人(全社員の約3割)の希望退職募集の計画を明らかにした。

1/27 高校生、7万人が就職未定(朝日、日経):文部省のまとめによると98年12月末時点で、高校生の就職希望者の内定率は76.6%と前年同期を5.9ポイント下回り、調査開始以来最低を記録した。

1/27 ベンチャーでの就業体験橋渡し(日経):ベンチャー企業のインターンシップ導入を支援する新ビジネスの紹介記事。

1/27 Uターン希望者、地方ベンチャーに仲介(日経):自治省の外郭団体である地域総合整備財団はUターン希望のビジネスマンを地方のベンチャー企業に「社外パートナー」として仲介する制度を新設した。

1/27 花王、販社の間接人員2割削減(日経):家宝は国内8販社の間接人員を2〜3年かけて、2割削減し、営業担当者を増やす。

1/26 JAS乗員組合、ストライキ突入(日経夕刊):パイロットらの賃金切り下げを不満とする日本エアシステムの乗員組合は国際線を対象に無期限の全面ストライキに突入した。

1/26 トヨタ、6.0ヶ月要求へ(日経):トヨタ自動車労働組合は99年春闘の年間賞与の要求額を6.0ヶ月、本田技研労働組合は同6.3ヶ月と決め、組合員に提案した。

1/26 求人広告、13万件下回る(日経):全国求人情報誌協会のまとめによると昨年12月の求人広告件数は前年度同月比21%減の12万9633件で、4年ぶりに単月の広告件数が13万件を下回った。

1/25 コース別雇用「差別」と報告(朝日):NGOの「国際女性の権利監視委員会」の年次大会で、昇進・昇給の差別を受けていると裁判を起こしている日本の女性がコース別雇用管理は女性に不利な形で使われていると報告。

1/25 社説・泣くな団塊の会社員(朝日):リストラに見回れている団塊の世代に対して、会社からの束縛がなくなったことをポジティブにとらえ、声を挙げていくべきと論じる。

1/25 地方に見る底冷え雇用・下(日経):地方の新しい雇用の受け皿として、制度変革(在宅介護システム)や経営形態の変化(アウトソーシング)で生まれてきた新ビジネスに着目。はたして本物となるか。

1/24 地方に見る底冷え雇用・上(日経):製造業、公共事業(建設業)などが労働力の受け皿として機能しなくなっている現状をルポ。

1/24 何でもアウトソーシングの時代の罠(日経):「うちでやらせてもらえるなら、3,4割コストを削減します」などという甘い言葉にのってアウトソーシングしてみたものの、大変な失敗に陥った事例を紹介。「コスト削減だけに目を奪われる安易なアウトソーシングは、何も生み出さない」と結んでいる。

1/24 「定昇」「ベア」って何?(日経):定昇・ベアという言葉の基本的意味とその現状を大竹文雄大阪大学助教授が解説。

1/24 「夏時間」賛成、過半数(日経、朝日):総理府が行った「地球環境とライフスタイルに関する世論調査」によると、サマータイム制の導入に賛成する人が初めて過半数に達した。

1/23 リストラを逆手にとれ(朝日夕刊):成熟産業から新たな事業部に配置転換や出向を命じられても、生き生きと仕事に取り組むビジネスマン達の顔を紹介。

1/23 実習生賃金ピンハネ事件、新たに130人が提訴(朝日夕刊):昨年銚子市で起こった中国人技能実習生の賃金ピンハネ事件で約130人の元実習生らが、未払い賃金の支払いを求めて提訴することを決めた。

1/23 在宅ワークの問題(朝日):日本労働研究機構が実施した在宅ワーカに関する調査によると、「専業自営的」就労者にとっては制度や社会認識の低さが壁になり、「内職アルバイト」的就労者の場合には単価の安さや知識不足が悩みという結果となった。SOHO労働者にも働き方のスタイルや職種などで問題が異なってくることが明らかになったとしている。

1/23 全労連要求、3万5000円(朝日):全国労働組合総連合は評議委員会を開き大幅賃上げや消費税引き下げを求める春闘方針案を決定。賃上げの要求目標は組合員1人平均3万5千円。

1/23 社内結婚でも同じ職場OK(朝日):こども未来財団が発表した中小企業についての調査によると、社内結婚した場合約3割の企業で一方を退職または異動させる慣行があるが、女性が多い職場ほど同じ職場でそのまま働き続けさせることがわかった。

1/23 会計国際化の衝撃・雇用、人事評価揺さぶる(日経):連結重視の会計により子会社や関連会社にしわ寄せしてきた問題が明らかになるとした上で、各社の対応・戦略を紹介。

1/23 韓国、失業率最悪を記録(日経):韓国の統計庁は12月の失業率が前月比より0.6ポイント高い7.9%に悪化した発表。

1/23 建設業界、雇用調整助成金の適用申請(日経):これまで雇用の受け皿としての機能を果たしてきた建設業界が雇用調整助成金の適用を初めて申請する。

1/23 東芝、監査部門でエリート養成(日経):東芝は監査部門に4月からエリート養成機能を持たせる。次期事業部長の候補生を監査スタッフに起用し、1年間にわたって社内分社などの監査を任せ経営センスを身につけさせる。

1/23 ヤマハ、従業員1100人を削減(日経):上場以来初の赤字となったヤマハは、経営革新委員会を発足させ、2002年までに自然退職や採用抑制で従業員を1100人削減することを柱としたリストラ策を実施する。

1/23 日本エア乗員組合、国際線ストを通告(日経):日本エアシステムは新賃金制度の導入をめぐり、パイロットで構成する乗員組合から26日以降の国際線全便を対象とするストライキ通知を受けたと発表。

1/22 深夜労働者の検診費、国が助成(日経):中央労働基準審議会は深夜業に携わる労働者が自主的に人間ドックなど健康診断を受けた場合、国が費用の一定額を助成するなどの健康管理対策強化を定めた労働安全衛生対策の見直しに関する報告書をまとめた。

1/22 移民労働者、受け入れ問題検討(日経):首相の諮問機関である経済審議会は、将来的に少子化による労働力不足に対応するために海外からの移民労働者の受け入れ問題を検討する方針を決めた。

1/22 ボーナス、業績連動に(日経):東芝、NEC、富士通ゼネラルの3社は今夏から、ボーナスを業績と自動的に連動させる方針を固めた。現在、労使交渉で詰めており、春闘と平行して最終的な算出方法を決定する。

1/22 三洋電機、管理職に年俸制(日経):三洋電機は、カンパニー制の導入、管理職への年俸制の導入、本社人員の約700人削減などを柱とする経営改革を4月から実施する。

1/22 野村、一般職採用来春も見送り(日経):野村証券は2000年春の一般職の新卒採用を2年連続で見送る方針を明らかにした。総合職は99年並になる見通し。

1/22 日興、選択定年制に843人が応募(日経):日興証券は今週はじめに締め切った選択定年制の応募者が843人となったと発表した。

1/22 公務員、65歳まで再雇用(朝日):政府は60歳で定年を迎えた公務員が65歳まで働けるように、いったん定年退職をした人を期限付きで採用する「再任用制度」を導入する方針を決め、国家公務員と地方公務員の改正案を国会に提出する。

1/21 千葉の女医に過労死認定(朝日夕刊):千葉県内の大学付属病院で勤務していた小児科の女性医師の死亡が労災と認定された。この女医は倒れる前の最低12日間は休まず働き、この間に2回当直に就いていた。小児科は採算性が悪いため人員が増えず過重負担の傾向が強くなってきていると言われている。

1/21 大型小売店、従業員削減進む(日経夕刊):競争激化が進む小売業。大型小売店の千Fあたりの従業員数は93年以降減り始め、97年では21.9人であった。またパート比率も高まり、97年では55%に達している。

1/21 労使トップ会談(朝日):日経連会長は、連合の代表とのトップ会談の席で、「賃金か雇用かと問われれば、今年は雇用にならざるを得ない」と発言し、連合のベア1%要求に厳しい姿勢を示した。

1/21 どうするあなたなら・資格幻想(朝日):資格を取得しても実際にはうまく仕事が見つかったり、独立を遂げられるわけではないことを、読者からの投稿で構成。2週にわたって連載。

1/21 動き出す労働法制改革(日経):労働者派遣法改正案に引き続き、職業紹介事業の原則自由化へと職業安定法改正に乗り出す労働省。記事では「サービスの提供主体が増えれば雇用契約を巡る労働者と企業双方の選択肢は増える」としており、改正が柔軟な労働市場を作り出すための試金石であるとしている。