99年6月下旬の労働関連の記事

6/30 給与、14ヶ月連続減(朝日夕刊、日経夕刊):5月の毎月勤労統計調査速報によると、従業員5人以上の事業所の所定内賃金は前年同月比0.5%減の26万1759円で4ヶ月連続して減少。また、残業手当を含めた「決まって支給する給与」は0.4%減の27万9024円で14ヶ月連続の減少となった。

6/30 改正派遣法が成立(日経夕刊):人材派遣業や民間有料事業の対象職種を原則自由化する改正労働者派遣法と改正職業安定法が参議院本会議で可決した。

6/30 労働省のコンピュータ誤作動(日経):労働省の発表した今年の3月、4月の「毎月勤労統計調査」は、コンピュータプログラムのミスのため誤った数字が含まれていたことが明らかになった。誤っていたのは賃金や雇用に関する各種項目の前年同月比の数字。

6/30 雇用、「臨時」へシフト鮮明(日経):昨日発表された5月の労働力調査の分析。常用雇用の中核層で失業の増加が続く一方で、パートなど臨時雇用が増加したとしている。

6/30 日興証券、株価連動型ボーナス(朝日):日興証券は管理職以外の社員9000人に、自社の株価が上がれば、それに応じてボーナスを上積みする「株価上昇連動型ボーナス」を導入する。課長以上の管理職にはストックオプション制度を導入する。

6/30 日立、半導体部門の賞与カット(朝日):日立製作所は赤字の半導体部門の業績回復のため、社員の一時金と残業手当を一年に限って削減する緊急対策を4月から始めることにした。部門業績が反映されるため一時金制度も導入されているため、泣きっ面にハチとなる。

6/30 雇用の行方を聞く・1(朝日):在日米国商工会議所会頭グレン・フクシマ氏へのインタビュー。同会議所では日本政府に解雇制限などの制度を撤廃するように要求したという。

6/29 失業率、やや低下4.6%(朝日夕刊、日経夕刊):総務庁が発表した5月の完全失業率は4.6%で、前月より0.2ポイント低下した。しかし、パートなどの女性の雇用が増えたためで、求人倍率は最低の0.46倍となるとともに働き盛りの男性はなお厳しい状況が続いている。朝日夕刊は失業率と自殺率の相関を思わせる関連記事を社会面に載せている。

6/29 「サラリーマン自殺シンポ」から(日経夕刊):自殺問題弁護士医師等研究会が開いた「いのちを大切に!サラリーマンの自殺緊急シンポジウム」では不況の長期化に伴った自殺者の増加が話し合われたが、その背景を主催者らに聴いている。

6/29 日本IBM、介護や育児で在宅勤務(朝日):日本IBMは家族の介護や育児をする社員に部分的な在宅勤務を認める制度を6月から始めた。すでにこの制度を利用している社員が男女1人づついるという。

6/28 育児休業認め、企業も成長(日経夕刊):育児休業をとるのが当たり前となる時代の中で、各企業がどのような施策を試みているのか紹介。休まないことを前提とした職場配置から、欠員前提への発想の転換が必要であるとしている。

6/28 元甲板員、船長に挑戦(朝日夕刊):資源保護のためマグロ漁船の数が制限されたことによって職を失った元甲板員たちが、船舶操縦士の免許取得を目指している姿をルポ。

6/28 日清製油、管理職に成果型賃金(日経):日清製油は7月から約170人の管理職を対象に成果重視型の賃金を導入する。給与はモデルで最大47%の格差が付く。

6/27 エコノ探偵団・政府が雇用対策を決定(日経):政府の緊急雇用対策案がどの程度の効果があるのかなどを様々な角度から検証している。

6/27 求人広告件数、5月12.9%減少(日経):全国求人情報誌協会のまとめによると、5月の全国の求人広告件数は14万3944件で、前年同月に比べ12.9%減少。しかし同協会では求人需要は緩やかに回復していると見ている。

6/26 米三菱自、セクハラ賠償支払い開始(朝日夕刊):昨年6月に女性従業員とセクシャル・ハラスメントをめぐる訴訟で和解した米国三菱自動車は、総額3400万ドルの和解金を近く支払い始める。

6/26 考課結果、4分の1が公開(日経):労働省がまとめた「雇用管理調査」によると、50.8%と過半の企業が人事考課制度を持ち、制度のある企業のうち25.3%が考課結果や基準を公開していることが明らかになった。

6/26 労働省、大学などに求人一覧表(日経):労働省は、来春卒業予定の大学生や就職浪人を対象とした求人一覧表を各大学などに配布する。また同省は7〜9月に就職面接会も予定している。

6/26 日産、人事部門分社(朝日):日産は、7月1日から年輩社員に日産以外の職場を紹介する人材開発部の一部と、自動車整備技術の教育を行う日産テクニカルカレッジの分社化を発表した。

6/25 男女共同参画社会基本法が施行(日経夕刊):男女共同参画社会基本法が23日から施行されたが、ポジティブアクションなどを盛り込んだ斬新なこの法律によって社会がどう変わるのかを検証。

6/25 退職年齢男女差別訴訟、原告勝訴(日経):大阪市交通局協力会が退職年齢で男女を差別しているとして訴えられていた訴訟で最高裁は差別待遇だとする大阪高裁の判決を支持し、上告を受理しない決定を下した。

6/25 ダスキンで労組結成(日経):リネンサプライ最大手、ダスキンの従業員約400名が労組を結成し、ゼンセン同盟に加盟した。リネンサプライ業界で労組ができるのはきわめて珍しい。

6/25 OECD予測、日本の失業率来年は5.3%(日経):経済協力開発機構は加盟29カ国の雇用情勢を展望した雇用概観を発表し、日本の99年の平均失業率は4.9%、2000年は5.3%となるとした。

6/25 米のハイテク雇用急増(日経):米国で通信情報などのハイテク分野の雇用が急増し、今年も30万人増加し500万人を超える見通し。業界では外国人技術者向けのビザの発給枠の撤廃を求めるロビー活動も盛んに行っている。

6/24 ホテル配膳人、減給拒み失職(朝日夕刊):東京ヒルトンホテルで配ぜん人約180名に、賃金カットに同意しなければ雇えないと言い渡されて、署名を拒んだ9人が翌日から雇われなくなった。「解雇」の無効を訴えて交渉を続ける彼らの生き方を紹介している。

6/24 揺れる地元採用、生産工場閉鎖で地方へ(朝日):トヨタ系の自動車メーカーである関東自動車が横須賀市の深浦工場の閉鎖を決めて半年が経つ。考えてもいなかった転勤を迫られ、単身赴任した人たちのルポ。

6/24 再生するか企業ひと・就職支援(朝日):超氷河期を迎えている就職戦線を背景にして、緊急雇用対策で盛り込まれた就職浪人、新卒浪人たちの支援策の紹介。

6/24 中小ボーナスなし24%(朝日):城南信用金庫が取引先の中小企業を対象として行った調査によると、夏のボーナスを「支給しない」と答えた企業は24.0%で、前年に比べて3.4ポイント上昇した。

6/24 考えようSOHOの現状と未来(朝日):自宅や小規模オフィスで仕事をするSOHOのリーダーたちによるパネルディスカッション「SOHOは今?」が7月3日に東京で開かれる。

6/24 技術士資格、条件を欧米並みに(日経):科学技術庁の懇談会は経験豊かな技術者を技術士として認定する制度に関して、欧米の資格制度同様に工学の幅広い知識を備えていることを認定条件にするなどの提言をまとめた。

6/23 教育訓練給付、大学院対象に(朝日夕刊):労働省の中央職業安定審議会は教育訓練給付制度の対象に大学院など高等教育機関のコースを含める、中高年労働移動支援特別助成金の年齢制限をなくすなどの改革案を了承し、労相に答申した。

6/23 今年の新入社員、時短より賃金増(日経、朝日夕刊):今年の新入社員を対象とした「働くことの意識調査」によると、会社に期待することが「賃金やボーナスが増えること」の46%で、「労働時間の短縮と休日・休暇の増大」の40%を調査開始以来初めて上回った。同調査を実施した社会経済生産性本部と日本経済青年協議会では今年の新入社員を生活防衛型と見ている。

6/23 再生するか企業ひと・能力開発(朝日):雇用のミスマッチの解消に能力開発という政策が採られているが、むしろ今後は年齢差別禁止を政策課題にする必要が出てきているのではとの指摘をしている。

6/23 連合事務局長に労相がエール(朝日):労相は連合の事務局長が雇用維持のためなら賃金で痛みを分かち合うべきだと論じたことに触れ、「労使がそうした条件のもとに合意するなら積極的に支持する」と述べた。

6/22 日本、リストラしていいの?(朝日夕刊):米国流の人員削減が続く日本に対して失業の受け皿がないなかでのリストラは問題があり、長期雇用慣行に基づいた別のリストラ策を考えるべきなのではと、シリコンバレーで活躍する米の大学教授が指摘したセミナーを紹介。

6/22 雇用の年齢差別、米国の現状(日経夕刊):40歳以上を対象とした年齢差別禁止法を持つアメリカだが、6割が証拠不足などその証明は難しい。アメリカの年齢差別の現状と対応を米雇用機会均等委副議長のポール・イガサキ氏に聴いている。

6/22 安すぎるセクハラ賠償額(日経夕刊):懲罰的損害賠償制度がある米国と比較し、日本はセクシャル・ハラスメントに対して安い賠償額でしかないとして、「セクハラは高くつく」と認識させるくらいの金額であったほうがよいと指摘。

6/22 知的資本を育てる(日経):株式市場に上場している大学など、競争原理で進んでいるアメリカの教育を例に取りながら、知力を磨く高等教育と、知力に報いる企業の人事制度をどのように構築していくのかが日本が競争力を取り戻すための仮題であるとしている。

6/22 東電、課長以上に年俸制(日経):東京電力は管理職千人に対して年俸制を導入し、全額を成果給とし家族手当や地域手当を廃止する。新体制では千人を大きく4グレードに分類し、年収で100万円の差を設け、個人評価に基づく格差を設ける。

6/22 JAS、合理化策見直し(朝日):日本エアーシステムは、乗員組合によるストライキに譲歩して、国際線の子会社委託などを柱とする合理化計画を見直すことを明らかにした。

6/22 商業労連など3団体統一へ(朝日):日本商業労働組合連合会など商業・流通・サービス関連の労組でつくる3団体は2001年7月に組織統一し、新しい産業別組織を結成することを明らかにした。

6/21 米の日系企業、経営効率極端に悪い(日経夕刊):アーサー・アンダーセンの調査によるとアメリカに拠点を置く日系企業の経営効率は米企業に比べ極端に低く、特に消費財メーカーではROA(総資産利益率)が米企業の3分の1にとどまっている。また経営手法も3〜5年遅れているとしている。

6/21 ココロジー、人事考課のバイアス要因(日経夕刊):評価者の投影、ジェンダー観によるバイアス、年長年少バイアス、数的表現の過大視など、人事考課を歪めるバイアス要因を紹介している。

6/21 就職戦線、NGO急浮上(日経夕刊):超氷河期を迎えた就職戦線で、クリーンなイメージを持つNGO(非政府組織)の窓をたたく大学生が増えており、中には採用倍率が100倍を超えるところも出てきている。

6/21 旧レディス・ハローワーク、名前変われど中身変わらず(日経夕刊):改正男女雇用機会均等法の施行と共にレディス・ハローワークは名前を変えて、男女を問わず育児や介護と仕事との両立を目指す「両立支援」のハローワークに看板変えした。だが、肝心の中身はこれまで通り、女性専科を超えるものでない状況をルポ。

6/21 中国、女子学生の就職難(日経夕刊):新卒採用が厳しくなっている中国でも、その矢面に立たされているのは女子学生。女子大生が門前払いを受けている状況を紹介している。

6/21 時論・年齢差別の禁止が必要(日経):中高年失業対策として米国同様の年齢差別禁止法をまじめに考えるべき時にきているのではという清家篤慶応大学教授による提言。