99年10月中旬の労働関連の記事

10/20 社員旅行、実施6割(日経夕刊):産労総合研究所がまとめた「社員旅行実態調査」によると、バブル期には9割を超えていた社員旅行の実施率が99年は61.7%とここ12年で最悪になっている。

10/20 高島屋、2000人削減(朝日、日経):高島屋は2004年までに現在約1万600人いる社員から2000人を削減する方針を明らかにした。削減方法は、自然減と採用調整で行う見込み。

10/20 地裁判決で、タクシー運転手を「雲助」(朝日):京都地裁で行われた強盗事件の判決で、山本和人裁判官がタクシー運転手には「雲助まがいの者や借財を抱えた者が多い」と表現していたことが明らかになった。京都市内のタクシー会社の運転手らでつくる全国自動車交通労働組合総連合会(自交総連)京都地連は「職業べっ視」だとして、判決文の表現取り消しと謝罪を求める抗議文を京都地裁に提出した。

10/20 労相、日産に雇用不安防ぐよう要請(朝日):牧野労相は日産自動車の副社長を呼び、雇用不安に歯止めをかけ、労使協議を尽くすよう要請。労相が個別企業のリストラについて要請するのは異例のこと。

10/20 パイオニア、人員を1割削減(日経):パイオニアは、グループ人員の約1割にあたる2600人の削減を柱とする合理化策をまとめた。削減は3年内に実施し、その際、希望退職を行わない。新規採用の抑制、異動に伴う退職など自然減を中心とする。

10/20 キリン、給与の成果主義明確化(日経):キリンビールは2000年に給与体系を抜本的に改革し、人事考課を反映した「成果給」の要素を明確化するとともに、考課結果については社員に個別に提示することとした。

10/19 幼稚園が保育所型に、急テンポ(日経夕刊):働く母親を支援するために、幼稚園で預かり保育を行ったり、実質的な2歳児保育が行われたりと、幼稚園と保育所との一元化が進んでいる状況を紹介。

10/19 村山工場閉鎖、来年の幼稚園どうしよう(朝日夕刊):日産村山工場の閉鎖で、来春から通う幼稚園はどうすればよいのか。幼稚園の説明会に来ていた日産関係の人たちの声を紹介し、工場閉鎖に伴う地域への影響を取材している。

10/19 日産、村山など5工場閉鎖(朝日、日経):苦しい経営が続いている日産自動車は、村山工場など5工場を閉鎖し、2万1000人を削減することなどを柱とした「リバイバルプラン」を発表。朝日は、労組、従業員、閉鎖工場がある街、下請け工場などの反応をおっている。

10/19 考課下位からの解雇「無効」(朝日、日経):セガ・エンタープライゼスを能力不足で解雇された元従業員が、地位保全と賃金の仮払いなどを求めた仮処分申請について東京地裁は、人事考課で下位の人に退職勧告する制度を「解雇理由は限定的でなければならず、毎年常に、下位評価の人を解雇するのは許容できない」とし、解雇権の濫用と認定。来年8月まで1年にわたり給与支払いを命じる決定を下した。

10/19 今夏の主要企業のボーナス、平均5.65%減る(朝日):労働省のまとめた主要企業の今夏のボーナス妥結状況によると、妥結額は平均76万8230円で、前年同期に比べに5.65%減となり、調査開始の62年以降で最も大きい減少率となった。

10/19 コクヨ、生産集約(日経):コクヨは生産体制を見直し、現在国内7カ所ある生産拠点を来年9月までに5カ所に集約。生産部門に所属している従業員約700名のうち約150人を管理部門などに配置転換する。

10/18 改正均等法、ジワリ職場に変化の波(日経夕刊):女性登用のためのポジティブ・アクションや、深夜業の解禁、セクハラ禁止などの面で、改正均等法施行後、変化してきた職場を中心に紹介している。

10/18 正社員になれないから派遣(朝日):3年ルールで解雇された女性が、なぜ派遣期間が今度の改正で1年となったのかを記者とともに専門家や国会議員に聞いて回る。なぜ怒りが、「3年を超えている派遣社員は、…やめてもらうか新しい派遣社員を使うように」と各部署に指導を入れている企業側に向かないのか?必要な仕事をしているのになぜ正社員になれないのかという当たり前の発想へと結びついていけないのか?この連載を書いている記者は一貫して、派遣期間が労働者にとって悪いものであるかのように記述している。

10/17 脱不安の経済学・労組は雇用を守れるか(朝日):リストラ、雇用の多様化、組織率の落ち込みなどに対して労働組合はどのように立ち向かっているのか?ゼンセン同盟の取り組みなどを取り上げながら、新しい戦略の必要性を問うている。

10/16 改正雇用均等法、女性の職場どう変えた(朝日夕刊):改正された男女雇用機会均等法労働基準法が施行されて半年。職場に変化はあったのか。トップダウンで女性の一斉昇格を行いやる気を引き出させたマツダと、均等法をリストラの手段として使った昭和シェル石油などその光と影を取り上げている。

10/16 客室乗務員、契約社員に合理化逆風(朝日夕刊):航空業界ではコスト削減のために5年前に客室乗務員に導入された契約乗務員制度。不況を反映して、契約切れを理由とした解雇が相次いでいる。

10/16 連合設立10周年(朝日、日経):連合が設立されて10年を迎えた。朝日は社説で、日経は春秋でリストラの進展と雇用の多様化が進むなかで連合がどうあるべきかを論じている。

10/16 韓国金融労連、IMFに損害賠償請求(日経):韓国の全国金融労働組合連盟(金融労連)は国際通貨基金が無理な緊縮財政や構造改革を韓国に押しつけたために、金融業界で多くの失業が発生したとしてIMFを相手取り約4千万円の損害賠償を求める訴訟をソウル地裁に起こした。

10/15 階層化社会の到来(日経夕刊):所得格差の広がりなど階層化社会が到来しつつあるが、その現状と問題を橘木俊詔京都大学教授にインタビューしている。同教授は悪平等は避けながらも、パート女性らの所得の底上げを図ったり、生活保護の拡充を進めるなどのセーフティーネットは充実させなければならないとしている。

10/15 運営の厳しさ増す地区労(朝日):連合成立10年となるが旧総評系の地区労などの地域組織でいまだ活発な活動を行っているところが多い。また処遇の個人化が進む中で駆け込み寺的役割が期待されてもいる。しかし旧同盟系などと一本化した連合政治センター(仮称)の設立で、NTT労組や全逓などの主要労組が地区労からの脱退するなど、今後運営状況が厳しくなっており、連合の地域の労働運動の位置づけをどうするのか迫られているとしている。

10/15 都、教員評価を来年度にも導入(朝日):東京都教育庁は教員の勤務評価を給与や異動に反映させる人事考課制度導入に向けた中間報告をまとめた。これに対して都教組は強く反発している。

10/15 米映画公開に向けアンケート(朝日):家族を介護しなければならなくなったとき、仕事を続けるかどうか。ガンを患った母とその介護のためにキャリアを断念した娘を描いた米映画「母の眠り」を公開する配給元UIP映画が20代、30代の女性に意識調査を行った。仕事を辞めるしかないとした人が約4割など、介護しながら働き続けることが難しいと感じている結果となった。

10/14 最高裁、転勤命令は「甘受すべき」(日経夕刊):帝国臓器製薬の従業員が起こしていた配転をめぐる裁判で、最高裁が転勤を甘受すべきだとした判決を出したことをうけて、転勤の必要性と家族論理を裁判所はどう判断してきたかを振り返っている。裁判所の判断としては転勤命令は甘受すべきとしているが、世論的には企業の必要性の論理よりも、生活の論理を大事にすべきだという声が強まっているとしている。

10/14 石川島播磨、1200人の削減(朝日、日経):13年ぶりに経常赤字に落ち込む見通しの、石川島播磨重工業は1200人の人員削減などを柱とする経営改善計画を正式に発表した。

10/13 攻めに転じる失業者(日経夕刊):「働きたいみんなのネットワーク」や「失業者ユニオン」など、失業した中高年たちが声をあげはじめた。「失業は恥ではない」とする彼らの動きを脱会社人間の兆候であるかもしれないとして紹介している。

10/13 連合、来春闘も従来方式で(日経):連合では春闘をめぐって隔年実施や連合ミニマムなどを主張する改革派と従来派の対立が続いているが、2000年春闘ではこれまで通り毎年春闘、および統一要求を提示することで決着した。

10/12 女性講座、立案に男性進出(日経夕刊):女性センターなどが実施する女性講座に男性職員が担当するケースが出てきたことを紹介。等身大の男女平等という視覚から問題を取り上げるなど、好評を博している事例を取り上げている。

10/11 管理職の賃金制度、9割が見直し(日経):産労総合研究所のまとめた「課長クラスの賃金実態調査」によると、9割近くの企業が管理職の人事・賃金制度の見直しを実施しつつある。また40〜50歳の企業間年収格差は最大で3割だが、7割の企業が賃金格差拡大志向を持っている。

10/11 札幌市バス、平均年収1000万円突破(日経):札幌市の監査委員会が提出した資料によると、札幌市バス職員の平均給与が1000万円を超えたことが明らかになった。記事では「突出した賃金に民間から疑問の声が強まりそうだ」としている。

10/11 不安さ増す派遣社員(朝日):派遣社員はこれまでは3年まで契約延長可能だったが、12月から実施される改正労働者派遣法では1年となる。本来は1年経てば正社員にという制度の意図を労働省の役人に語らせ、それを理解しようともしない企業の生の声を取り上げている。