99年11月下旬の労働関連の記事

11/30 10月の失業率、横ばい4.6%(朝日夕刊、日経夕刊):総務庁が発表した10月の失業率は4.6%で、前月と同じであった。また労働省が発表した有効求人倍率の0.01ポイント改善し0.48倍で、2カ月連続の改善となった。関連して、自動車の小売業(ディーラー)が雇用調整助成金の対象業種に指定された。

11/30 丸子警報器パート賃金訴訟、和解(朝日、日経):丸子警報器で働くパートタイム労働者たちが、同じ仕事をしているのに正社員と賃金格差があるのは違法だと会社側を訴えていた事件の控訴審で、和解が成立。5年後をめどに臨時従業員の賃金をほぼ正社員並みに引き上げ、賞与も正社員と同じ計算法とするなど、原告側の実質勝訴の形での和解となった。\(^O^)/

11/30 派遣法改正、明日から(朝日):改正労働者派遣法で変わった点にスポットを当てながら、現在、派遣労働者が抱える問題を伝えている。また「法改正なんて関係ない」というとんでもない派遣会社の社長の声も紹介している。

11/30 派遣社員の権利なのに、伝わらぬ中途解除への休業補償(朝日):派遣先から契約半ばで辞めさされたばあい、派遣労働者は休業補償を得られる権利がある。しかし、ほとんどの派遣会社はこのことを労働者に伝えていない現状を告発。「労働者の基本的な権利を守る体制さえ整っていない業界が改正派遣法にどこまで対応できるのか」と警告している。

11/29 改正派遣法スタート、能力主義の波一段と(日経夕刊):派遣職種が自由化された改正派遣法がこの12月から施行される。営業職などでは業績によって派遣の処遇に差が付くなど、個別評価が厳しくなるのではという観測を提示。他に、派遣期間1年という制約をくぐり抜けるために、優秀な派遣社員は契約社員にして出向させるという手段を考えている企業など、派遣業界の最前線を紹介している。

11/29 商工ファンド、賃金未払い3億円(朝日夕刊):社会問題化している商工ローン業界の大手、商工ファンドが本社と東京支店の社員に対し残業手当などを3カ月分で約3億円支払っていなかったとして、東京・中央労働基準監督署は是正勧告書を出した。

11/29 連合、個別紛争で新法要求(日経):連合は、増加している個別労使紛争解決のために、労働組合法を労働委員会で集団のみならず個別の紛争も処理できるように改正した上で、新たな法(個別労働関係調整法)の制定を求める方針を明らかにした。

11/29 労基局、相談4割増(日経):労働省がまとめた「紛争解決援助制度」の利用件数によると、今年4月〜9月の半年間に労働基準局などに援助を求めてきた件数は7780件で、前期(10月〜3月)に比べ40.5%増えた。

11/29 経済教室・「内なる社会主義」克服へ(日経):八代尚宏上智大学教授による執筆。少子化が続き、人口減少が進む日本経済にとっては米国型市場モデルが適していると主張している。

11/28 変わる産業構造、進む雇用流動化(日経):化学や重機などを中心とした製造業が人員削減を押し進めているのに対して、情報産業では人員拡大の動きが目立っていることを紹介。産業構造の変化が着実に雇用のあり方を変化させているとしている。

11/27 じん肺肺がん、労災対象拡大の可能性(朝日夕刊):国際がん研究機関がじん肺をめぐる二酸化ケイ素の発ガン性の評価を格上げしたことを受けて、労働省は専門委員会を設置。今後、じん肺肺がんに対する労災の適用が広がる可能性が出てきた。

11/27 改正労働者派遣法、施行迫る(朝日):12月から施行される改正労働者派遣法。原則自由化を踏まえて市場拡大の対応を図る派遣企業や、派遣労働者らが個人加盟している組合が派遣会社を設立したり、労働者の側から派遣会社の格付けを行うNPOなどの結成などの動きを紹介している。

11/27 派遣導入違法と訴え(朝日):解雇問題で労使が争っている出版社、明治書院で解雇した組合員の部署に派遣労働者を入れるのは労働者派遣法の争議不介入に反するとして明治書院労働組合は労働省などに法の趣旨徹底などの申し入れを行った。

11/27 人材再配置・5(日経):「ノウハウ生かし起業」と題して、大企業の管理職が、自己実現をかけて起業した例を取り上げている。「会社のリストラと雇用調整をきっかけに自分の価値を意識し、自己実現に目覚めた会社員が人材流動化の大きなうねりを作りつつある」とこの連載の終わりを結んでいる。

11/26 女性ユニオン東京など、働く女性のホットライン開設(朝日夕刊):女性ユニオン東京や均等法ネットワークなどの団体が、27日女性たちの職場の悩みに助言する「働く女性のホットライン」を開設する。ホットラインの電話番号は03-3463-2047。

11/26 増える一日の労働時間(日経夕刊):週休二日制がすすみ、年間総労働時間は減少してきているが、1日の労働時間は増加している。仕事と家庭の両立を考えた場合、1日の労働時間を減らしていくという視点が必要なのではと訴えかけている。

11/26 ニュース複眼・罪深いトップのセクハラ(日経夕刊):いくらセクハラ対策室のようなものを設けても、トップがセクハラを起こしていてはどうしようもないと主張したコラム。

11/26 フォーカス・ILO事務局長(日経夕刊):WTOにオブザーバーとして参加するILO事務局長のファン・ソマビア氏の紹介。

11/26 独ホルツマン、賃金6%カット(日経夕刊):シュレーダー首相の政治介入で再建策がまとまった独建設大手フィリップ・ホルツマンは賃金の平均6%カット、3000人の削減などを柱とするリストラ策をまとめた。

11/26 大卒男子、初任給の伸び低迷(朝日、日経):労働省が発表した99年の賃金統計速報によると、今春の大卒男子新入社員の賃金は19万6600円となり、前年比伸び率は0.6%と前年の0.8%を下回った。

11/26 操縦士勤務時間延長、日航の安全検証「不十分」(朝日、日経):日本航空が93年に労働協約を一方的に放棄して、就業規則を変更し、パイロットらの勤務時間を延長したのは運行の安全を損なうとして、同変更の無効を訴えて日本航空乗員組合の組合員52人が提訴していた件で、東京地裁はほぼ組合側の言い分を認める判決を下した。

11/26 興銀・第一勧銀、富士、新卒採用を共同で実施(日経):日本興業銀行、第一勧業銀行、富士銀行の3項は2001年春に入行する新規学卒者の採用活動を共同で実施すると発表。12月中に採用のための独立組織を共同で設置し、窓口を一本化する予定。

11/26 人材再配置・4(日経):「賃金に市場原理」として、完全職務給を入れたマツダ系の自動車部品メーカー、ユーシンや、社外の転職サービス会社に市場価値を評価してもらい賃金を決めるデイトナなどを紹介している。

11/26 WTO、NGOが影の主役(朝日):今月末に開かれるWTOの閣僚会議に多くのNGOが詰めかけて、途上国の労働条件の改善などを求めている様子を紹介。こうしたNGOは不買運動などで多国籍企業に圧力をかけており、その力は侮れないものがる。

11/25 障害者の法定雇用率、未達成の企業5割(朝日、日経):労働省が発表した障害者雇用の状況によると、今年6月時点で法定雇用率を達成できていない企業が55.3%に達し、77年の調査開始以来、初めて半数を超えることになった。また雇用率自体も1.49%と法定基準を下回っていることがわかった。

11/25 富士通、経営者候補に4カ月研修(朝日、日経):富士通は事業部長候補から毎年30人程度を選抜して4ヶ月間研修を行う制度を来年から始める。次世代の経営者を育てる狙いで、研修はすべて英語で行う。

11/25 ILO、児童労働の議論進展せずとの見通し(朝日):国際労働機関(ILO)の事務局長は労相に会い、児童労働の禁止を求めている国際労働基準について、貿易に結びつけることは発展途上国の反発もあり、WTOの閣僚会議では進展しないであろうとの見通しを語った。

11/25 みんなのQ&A・連合の春闘方針(朝日):「雇用・生活の危機突破と生活防衛」と来春闘を位置づけた連合。その連合の来春闘の戦略をQ&Aの形で紹介している。

11/25 JAS、労使交渉合意の方向(日経):日本エアシステム(JAS)の新たな経営計画をめぐる交渉で、同社の二つの労働組合が継続協議をすすめていく方針であることを同社に伝えた。

11/25 人材再配置・3(日経):「外資傘下の労組」としてルノー傘下に入った日産が打ち出した取引企業(系列企業)のリストラ策に対する日産労連の対応をルポし、労組にまで浸透していた系列関係からくる「一家」意識から脱却する必要性を考えさせている。

11/24 WTO、労働ルール作りへ新組織(日経夕刊):世界貿易機関(WTO)の次期貿易交渉に対する米政府の最終交渉方針では、途上国の反対を押し切る形で、国際的な労働基準のルールを設置するため、WTOに専門部会を設置する方針が盛り込まれた。

11/24 日本企業と外資系企業の人事制度比較調査(日経):産労総合研究所は「日本企業と外資系企業の人事制度比較調査」をまとめた。それによると日本企業では総人件費が「減少」した企業が半数であったのに対し、外資系では「増加」した企業が過半数になったなどことや、年俸制の実施率など、様々な違いが両者にあることがわかったとしている。

11/24 人材再配置・2(日経):合理化で辞めていく社員が、他の企業へのスムーズに移れるよう支援するアウトプレースメント・サービスなどの社員の転身支援策を紹介。

11/24 韓国、民主化総連を合法化(日経):韓国労働省は、韓国第二位の労働団体で、激しい活動で知られる全国民主労働組合総連盟(民主総連)を合法的な団体として認可したと発表。

11/24 独、建設大手が倒産(朝日、日経):ドイツの建設大手企業、フィリップ・ホルツマン社が破産申請を行った。取引先の連鎖倒産を含めると解雇対象となる従業員は7万人にのぼるとみられ、シュレーダー首相も労組首脳を呼び異例の調停に乗り出した。

11/23 全日空、乗員を他社へ派遣(朝日、日経):全日本空輸は小型旅客機による国内線事業を計画している「フェアリンク」社と、運行乗務員の派遣と技術支援に基本合意。日本の航空会社で系列を超えて乗員を出向させることは異例で、今後の経営合理化に向けて地方路線の運行委託も視野に入っていると見られている。

11/23 人材再配置・1(日経):事業部門の売却や事業統合などによるリストラが、企業の枠に閉じこめられていた人材を再配分し、産業構造の転換を加速させる側面がある点に着目し、日立や東芝の事例を紹介している。

11/23 JR東海、2000人削減(日経):輸送料の落ち込みをうけて、東海旅客鉄道は今後5年間で従業員数を2000人削減する計画を明らかにした。削減にあたっては新卒採用の抑制で対応し、希望退職の募集などはしない。

11/23 兼松、転職支援組織を廃止(日経):兼松は社員の2/3を削減する合理化を実施しているが、社員数がほぼ半減し、人員削減にメドがついたことから、社員の転職を支援する「人事相談室」を11月末で廃止する。

11/22 米労働市場、ひっ迫続く(日経夕刊):アメリカの人材派遣会社マンパワー社の調べによると、2000年1月〜3月の期の米企業の雇用意欲指数は前年同月比で上昇しており、労働市場の逼迫状態が2年近く続いていることが明らかになった。

11/22 派遣労働者問題、対談(朝日):派遣労働者の3年ルール、中途解除、社会保険の問題について龍谷大学の脇田滋教授と労働省の室長補佐が対談。法律の意図と、その実際の運用にあたっての問題を取り上げている。

11/22 韓国、新たな労使関係探る(日経):韓国の労働運動が転機を迎えており、激しい衝突や無理な要求は影を潜めている。金大中政権は労働部門の改革を4大改革の1つに挙げており、今後、協調的な労使関係に転換できるかどうかが注目されている。

11/21 自殺・過労死110番、1日で178件(日経):弁護士などが主催して行った「自殺・過労死110番」には178件の相談が寄せられ、リストラのしわ寄せから過労に追い込まれている人たちが多くいることが判明した。

11/21 中途解約の派遣労働者へ、休業手当の周知徹底(朝日):労働省は今月17日に公布した指針で、派遣先から契約半ばで契約解除された派遣労働者が次の就業先が見つからない場合には派遣元が休業手当を支給しなければならないことの周知徹底を図っていたことが判明した。具体的には就業条件明示書に休業手当についての説明を明記するように求めている。

11/21 全労連、結成10年集会(朝日):全国労働組合総連合(全労連)が結成10周年を迎え、東京都内で記念集会を開いた。